吉川貴盛の発言 (本会議)
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○国務大臣(吉川貴盛君) 紙議員の御質問にお答えいたします。
農政の評価についてのお尋ねがありました。
御指摘の報道は承知していますが、特定の報道機関が独自に行った調査の一つ一つについてコメントすることは差し控えさせていただきます。
いずれにいたしましても、安倍内閣では農政全般にわたる改革を行い、これにより、生産農業所得は過去十九年間で最高となり、四十代以下の新規就農者が四年連続で二万人を超え、輸出も六年連続で過去最高を更新し、一兆円目標の達成も視野に入ってきたなど、着実に成果が現れ始めています。
引き続き、現場の農業者の皆様と真摯に向き合い、政策の内容を丁寧に説明しながら、農業の成長産業化と農業者の所得向上の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
林政審議会の土屋会長の発言についてのお尋ねがありました。
本法律案につきましては、一昨年閣議決定された未来投資戦略二〇一七に基づき実施した国有林野の木材販売についての民間事業者からの改善提案において、現行よりも長期にわたり樹木を伐採できる制度の創設の希望が多数寄せられたことから、それらの提案を踏まえ、林政審議会において十分に審議をいただき、政府として本法律案を提出したものであり、検討のプロセスは適切であったと考えております。
なお、林政審議会の土屋会長は、衆議院の参考人質疑において、林政審議会で必要最低限の検討はできたとも発言をされているところでもございます。
未来投資会議における提案についてのお尋ねがありました。
未来投資会議においては、林業の成長産業化に向けた改革の方向性について議論され、竹中議員より、国有林での使用収益権の創出について、PFI法のコンセッション制度を活用した法制化について提案があったところです。
他方で、本法律案におきましては、国が国有林野の管理経営の主体であることに変わりはなく、PFI法に基づくコンセッション方式のように、施設の運営を事業者に委ねる仕組みとは根本的に異なっております。
国有林野の管理経営の目標についてのお尋ねがありました。
国有林野の管理経営の目標は、森林・林業基本法第五条及び国有林野の管理経営に関する法律第三条の規定のとおり、公益的機能の維持増進を図るとともに、林産物の持続的かつ計画的な供給及び国有林野の活用により地域の産業振興又は住民の福祉の向上に寄与することとなっております。
中小企業家が淘汰されるのではないかというお尋ねがありました。
今回の仕組みについては、地域の意欲と能力のある林業経営者の育成の観点から、これらの林業経営者が対応しやすい規模を基本として樹木採取区を指定することとしております。
また、樹木採取権者の選定に当たっては、樹木料の高低だけでなく、地域への貢献度合いなどを総合的に評価するとともに、複数の中小事業者が協同組合等として申請することも可能としております。
このように、今回の仕組みは中小規模を含めた地域の林業経営者の育成に貢献するものであり、中小企業家が淘汰されることはないと考えているところです。
権利の対象者についてのお尋ねがありました。
今回の新たな仕組みについては、地域の産業の振興につながるよう、樹木採取区は、地域の意欲と能力のある林業経営者が対応できる規模を基本とすることとしています。
また、樹木採取権の設定に当たっては、樹木料の高低だけでなく、地域への貢献度合いなどを総合的に評価するなど、本法案は、大企業優先ではなく、地域の林業経営者の育成につながるものであると考えています。
また、権利の対象者は、意欲と能力のある林業経営者及び同等の者としており、自伐林家であっても効率的かつ安定的な林業経営を行う技術能力を有する者であれば対象となり得ると考えています。
国有林への植栽の義務付けについてのお尋ねがありました。
植栽については、樹木採取権が区域内の樹木を採取することのみを対象としていることから、伐採後の植栽は国が責任を持って行うこととしております。
一方、伐採後の植栽作業を事業者に委託するに当たっては、低コストで効率的に実施するため、樹木採取権者が伐採と一貫して行うことが望ましいことから、法律案の「申し入れる」との規定に基づき、国が公募する際に、樹木採取権者が植栽作業を行う旨を国が申し入れることとしております。
国は、この申入れに応じ、申請した者の中から樹木採取権者を選定し、植栽作業を行う旨の契約を当該樹木採取権者と締結することとなるため、樹木採取権者が確実に植栽を行うこととなります。
国有林の植栽、事業者に行わせることについてのお尋ねがありました。
植栽については森林所有者が行うものであることから、国有林においては国が責任を持って行うこととしております。仮に、樹木採取権者に費用を負担させて植栽を義務付けた場合、植栽した樹木は財産権の観点から樹木採取権者の所有物とすべきであり、そうなれば当該樹木は国有林ではなくなるため、適当ではないと考えております。
なお、樹木採取権者は、樹木の評価である樹木料のほか、権利設定料として、国有林で一定期間、安定的に樹木を採取できることによるコスト低減額の一部を国に納付することとしております。
本法案について、大手木材メーカーや大規模バイオマス発電会社のためではないかとのお尋ねがありました。
各国において、木材産業の振興を図るため、丸太の輸出を規制し、製品での輸出を促進するなど、世界の木材貿易をめぐる環境に変化があることは事実であるが、木材の輸入自体が困難になっているとは考えておりません。
一方、本法案において、意欲と能力のある林業経営者の育成のため、国有林の一定区域で長期安定的に立木を伐採する権利を与えるものであり、大規模な木材需要者に安価に木材を供給することを目的とするものではありません。実際に、今回の仕組みにおいて、樹木料が市場価格以上となるよう公募時に条件を付すこととしていることから、国有林を安価に払い下げるものとはなりません。
林業改革についてのお尋ねがありました。
森林経営管理法により措置された森林経営管理制度は、民有林において経営管理が行われていない森林について、市町村が森林所有者の同意を得て、意欲と能力のある林業経営者への集積、集約化を進めるものです。
また、今回の法律案は、この森林経営管理制度の要となる意欲と能力のある林業経営者の育成を図るため、国有林が民有林を補完する形で、公益的機能を確保しつつ、長期安定的にこうした林業経営者に木材を供給する仕組みを整備するものです。
このように、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図ることが林業改革の目的とするものであります。(拍手)