石井みどりの発言 (本会議)
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○石井みどり君 ただいま議題となりました平成二十九年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
平成二十九年度決算外二件は、本年一月二十九日の本会議において、財務大臣から概要の報告を聴取いたしておりますので、その内容につきましては、これを省略させていただきます。
委員会におきましては、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを精査するとともに、政府施策の全般について国民的視野から実績評価を行い、その結果を将来の予算編成及びその執行に反映させるとの観点に立って審査を行ってまいりました。
まず、内閣総理大臣を始め全閣僚出席の下での全般質疑を行った後、全六回に及ぶ省庁別の審査など、合計九回の審査を行い、政府の債務の状況と財政規律の在り方、統計に係る不適切事案の再発防止策、高齢運転者による交通事故防止に向けた方策、和牛遺伝資源及び植物新品種の海外への流出防止策など、行財政全般について熱心な論議が交わされましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
六月十日、質疑を終局し、委員長より、平成二十九年度決算について本会議で議決すべき議決案を提出いたしました。
以下、その内容を申し上げます。
一、本件決算は、これを是認する。
二、内閣に対し、次のとおり警告する。
内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
1 政府内の情報共有を目的とした内閣府の総合防災情報システムに関し、災害情報の多くを手動で登録する必要があるため、災害時の情報の登録や共有が限定的となっていたこと、また、農林水産省の国営造成土地改良施設防災情報ネットワークにおいて、データ転送装置等の管理の不備により、収集した情報が総合防災情報システムに転送されない状況が長期間放置されていたことは、遺憾である。
政府は、各府省庁の災害関連情報システムの管理を徹底し、有効に機能するよう適切に運用するとともに、総合防災情報システムとの情報連携の自動化等により、関係者間の円滑な情報共有体制を構築すべきである。
2 西日本を中心に記録的な大雨をもたらした平成三十年七月豪雨において、河川の増水・氾濫や土砂災害が想定されていたにもかかわらず、重要な防災情報に係る国・地方公共団体間の伝達や住民への逐時の発信が極めて不十分であり、住民の適切な避難行動につながらなかったことなどにより、二百名を超す人命が失われるなど甚大な被害が発生したことは、極めて遺憾である。
政府は、平成三十年七月豪雨における情報伝達・発信・避難行動等の対応について徹底した検証を行った上で、得られた知見を全国に展開し、地方公共団体等と連携して災害時の適切な避難を促す取組を強化すべきである。
3 厚生労働省の毎月勤労統計調査において、判明しているだけで平成十六年以降、定められた調査手法と異なる形で調査が行われ、統計処理として復元すべきところを復元していないなどの統計制度の根幹を揺るがしかねず、改ざんとの指摘も免れ得ない不適切な取扱いが明らかとなった。政策立案の根拠となる統計の信頼性が著しく損なわれたこと、また、雇用保険等で給付の支払不足が発生し、追加的な行政費用や国民生活への直接の悪影響をもたらしたことは、極めて遺憾である。
政府は、なぜこのような事案が起こったのか、その動機や原因の究明に努めるとともに、雇用保険等が簡便な手続で速やかに追加給付されるよう必要な対策を講じ、全府省庁における統計に対する検証と再発防止を徹底した上で、統計行政を立て直し、統計に対する信頼回復に努めるべきである。
4 東京福祉大学の外国人留学生が多数所在不明となり同大学を除籍されていることを契機として、外国人の在留管理を行う法務省や、留学生の在籍状況を把握する立場にある文部科学省等の関係省庁間の情報共有が不十分な事態が明らかとなったこと、また、近年、所在不明となっている外国人留学生が不法就労で摘発される事例が多数発生していることは、遺憾である。
政府は、同様の事態が他の大学等で生じていないか早急に点検し、再発防止策を講じるとともに、在留資格としての留学が不法就労の手段となっていないか実態を調査し、結果に応じて実態を是正すべく関係省庁間の情報共有体制を一層強化し、外国人留学生の出入国・在留管理を徹底すべきである。
5 障害者雇用の促進に率先して取り組むべき国や地方公共団体の多くの公的機関において、障害者雇用率制度の対象となる障害者数が長年にわたり不適切に計上され、法定雇用率を達成していなかったことは、ゆゆしき事態であり、極めて遺憾である。
政府は、障害者雇用の促進に対する基本認識の欠如と法の理念に対する意識の低さがあったことを重く受け止め、公的機関における障害者の雇用状況についての的確な把握と法定雇用率の達成に全力で取り組むとともに、障害者の民間企業から公的機関への転職の実態を調査した上で、民間企業との競合を防ぐために必要な措置を講じるべきである。
6 平成二十四年の笹子トンネル事故等を踏まえ、道路構造物に対する五年に一度の近接目視による全数監視を定めるなど措置を講じたにもかかわらず、今般、高速道路会社三社が行う点検等に関し、目視点検が困難な箇所がある百十トンネル全てにおいて、点検要領に則した確認を行っていないこと、点検結果を踏まえた補修等が長期間実施されず、一部は維持管理計画にも反映されていないことなど、高速道路の安全を脅かす事態が明らかとなったことは、極めて遺憾である。
政府は、一連の事態の原因を徹底して調査し、各高速道路会社による道路構造物の維持管理が適切に行われるよう指導を徹底するとともに、地方公共団体を含む全ての道路管理者と緊密に連携し、道路の安全確保に万全を期すべきである。
7 防衛装備庁は、防衛装備品等に係る予定価格の算定の妥当性を検証するシステムを整備して試験運用しているが、予定価格の基準となる計算価格又は製造原価のデータの一方しか入力できない仕様となっており分析できないこと、また、原価調査の実績が低調で入力対象のデータを取得する機会が十分確保されていないことなどにより、システムが機能していなかったことは、遺憾である。
政府は、準備不足により不適切な事態を招いたことを深刻に受け止め、データ分析が可能なシステムの仕様や効率的・効果的なデータの取得などについて徹底して検討すべきである。
以上が議決案の内容であります。
また、議決案と併せて、委員長より十七項目から成る内閣に対する措置要求決議案を提出いたしました。
討論の後、採決の結果、平成二十九年度決算は多数をもって是認すべきものと、内閣に対する警告案は全会一致をもって委員長提出案のとおり警告すべきものと議決されました。また、措置要求決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
次に、平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書は多数をもって是認すべきものと決定し、次いで、平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
なお、同日、国会法第百五条の規定に基づき、会計検査院に対し、五項目の検査要請を行うことを決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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