相原久美子の発言 (本会議)
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○相原久美子君 立憲民主党・民友会・希望の会の相原久美子です。
私は、会派を代表し、二〇一七年度決算外二件の是認に反対、内閣に対する警告案に賛成の立場で討論を行います。
本題に入ります前に、一言申し上げます。
参議院では、国会で成立した予算について、その執行状況を把握、評価し、次期予算編成に適切に反映させることを重視してきました。それが決算の参議院と言われるゆえんであります。今年も、決算審査の内容を来年度の予算の概算要求へ反映させるべく、与野党を超えた努力によりこの通常国会中に審議を終えることができたことに対し、関係各位に敬意を表したいと思います。
一方、この決算審査の結果に対する政府の姿勢には疑問が残ります。参議院では、毎年度、決算を議決するに当たり、政府が行った不当、不適正な事象や非効率な予算執行等に対し、遺憾の意を込めて警告決議を行っております。こうした決議に対し、政府は適切に措置をとり、予算や行政の執行に確実につなげているのでしょうか。
例えば、昨年の警告決議では、森友問題に係る公文書改ざん等について政府に痛切な反省を求め、また、防衛省のイラク日報問題に関して組織としての対応の不適切さを厳しく糾弾しました。この決議に対し、政府は、いずれも文書管理が適切に行われるよう努めると説明しましたが、蓋を開けてみれば、多くの省庁が重要文書を即日廃棄したり、首相面談の記録を官邸が作成していないなど、行政文書の管理に関する改正ガイドラインを恣意的に運用している実態が明らかとなりました。
また、多くの国民を不安にした、年金だけでは老後の生活が行き詰まるとした金融庁の審議会ワーキング・グループ報告書。夫六十五歳、妻六十歳の無職夫婦が三十年生きるには、二千万円足りないとしました。しかも、ここには介護費用やそれに伴う家のリフォーム費用は含まれていません。決算委員会でこの問題が指摘され、メディアを通じ報道されたことで国民から大きな怒りの声が上がると、麻生大臣は何と、金融庁設置法に基づいて自身が諮問した報告書の受取を拒否するなど、前代未聞の行動です。安倍総理は、委員会で問われ、誤解だと答弁しましたが、誤解ならば、なぜ受取を拒否したのでしょうか、あるものをなかったことにしたのでしょうか。その上、自民党の二階幹事長は、参議院選挙を控えて候補者に迷惑を掛けないようにしないといけないとの発言。とんでもない。迷惑、不安は国民の方が受けているのです。
このほか、イージス・アショア、特区ワーキンググループ委員の問題、米国との貿易交渉内容等、国民の不安や業界の疑問に応えるべきにもかかわらず、規則に基づいて要求している予算委員会開催を拒否している与党の姿勢は、国民に対し誠実さを欠いていると強く抗議いたします。
それでは、以下、二〇一七年度決算外二件に反対する理由を申し述べます。
反対理由の第一は、安倍内閣において、東京一極集中及びこれに伴う地方の人口減少、人手不足といった問題に対し、有効な施策を講ずることができていないということであります。
安倍総理は、GDPの増加やデフレ脱却、有効求人倍率の上昇などをアベノミクスの成果として強調されていますが、全国津々浦々までその恩恵が行き渡っているのでしょうか。
第二次安倍内閣は、地方創生を掲げ、各種政策を打ってきましたが、地方から東京圏への人口流入が止まることはなく、二〇一八年の転入超過は十三・五万人と、近年むしろ増加しています。我が国は、多くの大学、大企業が都心に集中し、特に若者が東京に集まり、また、優良な人材を求めて企業も更に都心に集中するという悪循環に陥ったままです。地方の実情を見ますと、人口減少に伴って活力が失われ、多くは衰退の一途をたどっています。
人手不足に関しては、新たな外国人材受入れのための在留資格を創設する法改正が行われました。しかし、外国人材受入れに関しては、これまでも様々な問題が指摘されています。直近では、多数の外国人留学生が所在不明となり、不法就労の温床となっている問題が発覚しました。大学での在籍管理の不備のみならず、法務省による出入国在留管理全体に対する課題が浮き彫りになりました。技能実習制度についても、賃金不払や長時間労働など、労働法規に違反するような劣悪な労働環境が指摘され、いまだに改善に至っていない状況です。
反対理由の第二は、政府債務が増加し続ける中で、不適切又は非効率な支出が続いている点であります。
二〇一七年度決算において、税収が対前年度三・三兆円改善し、その分、国債の新規発行が抑えられていると政府は胸を張っています。しかし、いわゆる国の借金のうち将来世代の税金によって返済することとなる普通国債の残高は、二〇一七年度末に八百五十三兆円に上り、前年度から実に二十三兆円増加しています。
一方、二〇一七年度決算検査報告では、前年度より約二百八十億円多い一千百五十六億円の指摘が会計検査院よりなされました。指摘の内容を見ますと、農水省の防災ネット事業における不適切管理や、総合防災情報システムの不十分な運用、高速道路における不適切な点検など、国民の安全に関わる指摘も多くなされております。
国民から税金としてお預かりした資金を真に必要な事業に適切かつ有効に使っていくということは、予算執行の基本です。我が国の財政状況に鑑み、限られた貴重な財源を適所に的確に投入するという基本的な姿勢が安倍内閣にあるのか、甚だ疑問であります。
反対理由の第三は、安倍内閣において閣僚や役人の不祥事が後を絶たないことであります。
昨年の森友、加計問題、イラク日報問題に続き、今年も国民に疑念を抱かせるような問題や行政への信頼を失墜させるような事実が相次いで発生しています。
多くの方々の雇用保険等の支給額にも影響した厚生労働省の統計不正問題では、その後行われた調査において、組織的な隠蔽があったと判断せざるを得ない状況が明らかとなりました。アベノミクス偽装との疑念もいまだに拭えていません。
障害者雇用問題では、障害者雇用が不足する民間企業に対し納付金を課しておきながら、国の機関自らはずさんな確認により障害者数を水増ししていたことが発覚しました。
いずれの問題にしても、担当大臣は相応の責任を取っていません。昨年の森友問題に端を発した公文書改ざんという言語道断の大事件を受けても、いまだ麻生財務大臣が辞任していないことと同様であります。
さらに、塚田国土交通副大臣のそんたく発言、櫻田オリパラ担当大臣の復興を軽視するような発言を始めとした度重なる失言など、全て安倍一強体制の緩みを露呈するものであります。
これらが二〇一七年度決算外二件の是認に反対する主な理由でありますが、さきに述べた災害関連情報システムの不適切運用、高速道路の不適切点検、統計不正問題、障害者雇用問題、外国人留学生の不十分な在留管理を含む七項目の警告決議案については賛成いたします。冒頭申し上げたように、これらの警告決議が政府によって重く受け止められ、確実に今後の予算編成、予算執行に反映されることを強く望むものであります。
最後に、三権分立とは、権力が単一の機関に集中することなく、国民の権利、自由の確保を保障するためのシステムであると記されています。まさに、立法府は、与野党問わず、その役割を果たしていくべきと申し上げ、討論を終わります。(拍手)