杉尾秀哉の発言 (本会議)

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○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会・希望の会の杉尾秀哉です。
 私は、会派を代表しまして、ただいま議題となりました予算委員長金子原二郎君解任決議案に対し、断固賛成の立場から討論を行います。
 金子委員長、衆議院五期、参議院二期、長崎県知事三期と、超ベテラン政治家であるあなたの識見とバランス感覚、そしてリーダーシップに私たちは期待をしていました。しかしながら、今回の予算委員会開会要求に対する対応は誠に残念極まりなく、あなたは行政府をチェックする重要な舞台である予算委員会の長としては余りに不適格と断ぜざるを得ません。
 参議院規則第三十八条第二項は、「委員の三分の一以上から要求があつたときは、委員長は、委員会を開かなければならない。」と定めています。ところが、我々が再三再四開催を要求しても、金子委員長は、与党の理解が得られないなどと逃げ回るばかりで、何ら指導力を発揮することはありませんでした。
 ところが、金子委員長、あなたは去年の通常国会の締めくくり質疑で何とおっしゃったか覚えていますか。予算委員会は総予算の審議が終了したら終わりということは決してない、決裁文書書換え問題も主体的、継続的に調査し真相究明するという異例の宣言をされたのです。ところが、今回の対応はあのときとは全く逆。この予算委員長としての矜持は一体どこに行ってしまったんでしょうか。
 こうした金子委員長の責任放棄により、結局、予算委員会は三月二十七日以来三か月近くも開かれないまま。そして、我々の委員会開会要求も四月十二日から既に二か月余りもたなざらしにされており、これは、過去の例を見てもまさに前代未聞の事態と言わざるを得ません。ちなみに、今国会での予算委員会の開催日数は十六日で、通常国会としては最近十年間では最少にとどまっております。
 もちろん、こうした背景には、委員会が開かれても我々は出席しないと言い放ち、正々堂々と審議拒否をする与党の数のおごりがあることは言うまでもありません。これぞまさに究極のサボりであり、国会制度の想定を超えた蛮行と言わざるを得ず、与党議員の皆さんには、我々野党議員をずる休みなどと非難する資格はどこにもありません。
 今や、国会は、各党が論戦を尽くし、政策や理念を訴える良識の府とは程遠いものとなってしまいました。三権分立がまさに危機に瀕しています。ひとえにその責任は、国民に対する説明責任を果たそうとしない独善的かつ独裁的な安倍政権と与党にあり、そのそんたくばかりに走って立法府の権威を自らおとしめた金子予算委員長に、我々は満腔の怒りをもって抗議する次第であります。
 では、なぜ、政府・与党がかくもかたくなに予算委員会の審議を、開催を拒否し続けるのか。それは、参議院選挙を控え、予算委員会での論戦で失点を避けたい安倍総理の思惑以外の何物でもない。
 内政、外交共に行き詰まり、八方塞がりどころか、十二方塞がりに陥って手詰まり状態の中、十分な時間を取って質問されれば、安倍総理お得意の切れる、はぐらかす、居直る姿がありのままにさらけ出され、支持率が下がり、選挙に悪影響が出るおそれがあるからにほかなりません。
 そもそも、一介の野党議員である私に、安倍総理は、あろうことか、委員会室で自分の席から何度も何度も指を指してやじるくらいですから、推して知るべし。そうした総理の姿を隠したいという与党の皆さんの気持ちも分からないではありません。
 では、予算委員会の空白の三か月間に何があったのか。余りにも長過ぎてお忘れになった方も多いと思いますので、簡単に御説明しましょう。
 四月十二日に私たちが予算委員会の開会要求を出したのは、安倍政権のメンバーが次々と不適切な言動を繰り返し、相次いで事実上更迭されたときでした。
 総理と副総理の地元を結ぶ道路の建設に関する塚田一郎前国交副大臣のいわゆるそんたく発言と、櫻田義孝前オリパラ担当大臣の、東北の復興以上に大事なのは同僚議員というあり得ない暴言。そういえば、その後、白須賀文科政務官の在京当番サボり問題というのもありました。
 また、沖縄辺野古の新基地建設問題では、二月の県民投票に続いて沖縄三区の補選でも、再び辺野古移設反対の揺るぎない沖縄県民の民意が示されました。さらには、建設予定地にマヨネーズ状の超軟弱地盤が広がっていることから、工事の行き詰まりはもはや誰の目にも明らかです。
 一方、外に目を転じれば、外交の安倍はどこへやら。やることなすこと、ことごとくつまずき、負の連鎖が止まりません。
 まず、総理が、私とプーチンの手で必ずや終止符を打つと大見えを切った北方領土返還交渉は、四島返還から二島、あるいはプラスアルファ、若しくはそれ以下と、バナナのたたき売りのごとく方針転換をしても、結局プーチン大統領の対応はけんもほろろ。
 では、ロシアが駄目なら今度は北朝鮮でと、最大限の圧力を掛ける方針から前提条件なしでの対話に百八十度かじを切ったものの、こちらも依然として会談のめどは立たず。
 おまけに、御丁寧にも、一九年版の外交青書からは、それまでの青書には書かれていた北方四島の帰属やロシアによる不法占拠、さらには、北朝鮮の核、ミサイルについて、重大かつ差し迫った脅威という文言が消えました。これについて、総理の口からきちんとした説明は一度もされておりません。
 そこで、今度はアメリカ・トランプ大統領来日で得点を稼ごうと、ゴルフに大相撲、居酒屋と最大限のおもてなしをするも、貿易交渉での密約らしきものを暴露されて必死の抗弁。全ては選挙後に持ち越しとのことですが、それがどれほど高く付くのか、これまた総理の説明はありません。
 さらに、そのトランプ大統領からイランとの調停を依頼され、ハメネイ師との会談は実現したものの、トランプ大統領との対話を拒絶された上に、まさにイラン訪問のタイミングで日本のタンカーが襲撃され、かえって中東の緊張を高める結果となってしまいました。
 外交の安倍のはずが、欧米メディアからはトランプ大統領のメッセンジャーボーイや初心者扱いされ、イラン訪問は選挙対策で、近年で最も失敗した調停外交などと酷評される始末です。
 こうした外交以外にも、予算委員会で総理にただしたいテーマは山ほどあります。
 例えば、米中貿易戦争に端を発した景気減速と十月の消費増税実施に関わる問題。軽減税率の導入はなお相当な混乱が予想されますし、そもそも、過去二度の増税延期のときよりは今の方がはるかに懸念大です。
 そして、とにかく配備ありきで突っ走ったとしか思えないイージス・アショアの配備計画に関する調査データの誤り。この問題をめぐっては、イージス・アショアの導入に関連して、本年度予算に千七百五十七億円という巨額の経費が計上されておりますが、配備予定地の秋田では、強い電磁波による健康への影響など数々の懸念がある上、今回新たに発覚した調査データの問題もあって、政府への不信感は募る一方です。
 また、F35A墜落原因をパイロットの問題とし、拙速に飛行再開を決定する一方で、欠陥機との指摘もあるF35の爆買い計画は相変わらず変えないまま。
 さらには、安倍政権の看板政策である国家戦略特区をめぐっても、加計学園のときと同様に、関係者の身内を優遇したのではないかとの疑惑や、ヒアリングそのものが隠蔽されていたことも分かりました。
 そして、最大の問題は、何といっても、おとといの党首討論でも中心テーマとなった二千万円老後資金と年金不安の問題でしょう。
 金融庁の報告書を一旦は評価しながら、批判が高まるや、一転、受取を拒否するという麻生大臣の対応。制度の安心を老後の安心のごとくに宣伝しながら、年金だけでは老後資金が足りないという現実から目をそらそうとし、相も変わらず百年安心を連呼する安倍総理の姿勢。さらには、選挙が控えているからと、報告書の撤回を迫る自民党二階幹事長らの国民より身内が大事という態度。こうした政府・与党幹部の不誠実で不正直な対応が国民の不信を買い、不安のもととなっているのです。
 これらを全て金融庁や報告書の表現の問題に矮小化するのではなく、報告書に書かれている内容を一つの試算、貴重な提言として真正面から受け止めること、そして、不都合な真実であってもそれをさらけ出し、国会で党利党略を排してとことん真摯に年金制度の在り方を議論すること、それこそが国民が求めている予算委員会の姿ではないでしょうか。
 そうした政治のあるべき姿からは懸け離れているのが今の国会です。それは、ひとえに、森友、加計問題から今回の老後資金問題まで一貫している安倍政権の姿勢。都合が悪いことは隠し、改ざんし、なかったことにし、説明しない。さらには、部下の官僚に責任を押し付け、ひたすらやっている感でごまかし続ける。これこそが安倍政権の不都合な真実であり、予算委員会不開催の真の理由にほかなりません。
 今からでも遅くありません。予算委員会、やろうじゃないですか。財政検証を出して、年金問題、徹底的に議論しようじゃないですか。
 総理に時間がないとは言わせません。安倍総理には、吉本新喜劇の舞台に上がったり、また、芸人さんと公邸で昼食を共にし、解散風を弄ぶような言動をしてテレビに取り上げてもらう時間はあるわけですから。
 令和の改元と新天皇の御即位による祝賀ムードで全てをリセットさせようとしても、そうは問屋が卸しません。
 最後に、繰り返しになりますが、参議院が言論の府としての権威を回復すること、そして真に国民に資する国会としての職責を果たすためにも、かくも長きにわたり開会要求を無視し続けてきた金子委員長の地位を一刻も早く解くことこそが国民にとって最善であることを申し上げて、私の賛成討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 杉尾秀哉

speaker_id: 27581

日付: 2019-06-21

院: 参議院

会議名: 本会議