石橋哲の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○石橋参考人 失礼いたします。石橋哲と申します。
国会事故調では、プロジェクトマネジメント機能として参画をいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
次、お願いします。
ちょうど一年前の今ごろでしたでしょうか、原子力問題調査特別委員会にお呼びいただいたことがございます。そのとき、私から、国会事故調に記載されている、国会に対する期待ということを御紹介をいたしました。ここに書かれているとおりでございます。読み上げます。
七つの提言は、報告書の最も基本的なことを反映したものである。当委員会、これは国会事故調ですけれども、当委員会は、国会に対し提言の実現に向けた実施計画を速やかに策定し、その進捗を国民に公表することを期待する。
この一年間、実施計画の御議論はどこまで進みましたでしょうか。その計画の進捗はどのようになりましたでしょうか。一国民として、ぜひ御教示いただきたいというふうに思っております。
次のスライドをお願いします。
私、今五十五歳なんですけれども、昔、社会科の公民的分野というところで三権分立ということを習いました。ごらんいただいているこのページは、衆議院のホームページから引用しております。日本には三権分立があり、立法、行政、司法が相互に牽制し合うことという説明がなされています。歴史の教科書を見ても、この三権分立というのは民主主義の根幹であるというふうなことで習ったような記憶がございます。
国会事故調が設立された根拠は、国会事故調法でございます。当時の衆参全会一致をもって成立したというふうにお伺いしております。先ほど黒川先生からお話があったとおり、国会事故調は、約半年の調査によって二〇一二年の七月の五日に報告書を提出させていただきました。提出させていただいたのは、衆議院、参議院の先生方に対してでございます。
この国会事故調、立法府がみずから、三権分立の根幹である、民主主義の根幹である行政府に対する監視機能を発揮して実現をいたしました。国会に対して私は敬意を表したいと思っております。
この立法府による行政の監視機能を、より一層、実効的かつ継続的に監視していくという観点からは、この後、益田先生から御意見を述べられるというふうに伺っております。
次、お願いします。
何度も繰り返し申し上げているとおりなんですけれども、私は、国会事故調報告書の肝の部分、核心部分は、これは「結論と提言」というところにある文章ですけれども、「問題解決に向けて」というところに集約されているというふうに考えております。ちょっと読み上げます。
「問題解決に向けて」「本事故の根源的原因は「人災」であるが、この「人災」を特定個人の過ちとして処理してしまう限り、問題の本質の解決策とはならず、失った国民の信頼回復は実現できない。これらの背後にあるのは、自らの行動を正当化し、責任回避を最優先に記録を残さない不透明な組織、制度、さらにはそれらを許容する法的な枠組みであった。また関係者に共通していたのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット(思いこみ、常識)であった。」「当委員会は、事故原因を個々人の資質、能力の問題に帰結させるのではなく、規制される側とする側の「逆転関係」を形成した真因である「組織的、制度的問題」がこのような「人災」を引き起こしたと考える。この根本原因の解決なくして、単に人を入れ替え、あるいは組織の名称を変えるだけでは、再発防止は不可能である」と書いております。
はい、お願いします。
この趣旨は、原子力安全規制に関する規制のとりこが再び生じないようにすることが大事であるということです。すなわち、原子力安全規制行政を取り巻くさまざまな関係における透明性の確保、それを担保する公開性の確保が肝であるということでございます。
はい、お願いします。
先ほど、黒川先生からの話で御確認いただいたとおりですけれども、七つの提言の構造はこのようになっております。
透明性の確保と公開性の担保を確保するために、国会事故調は、提言の一から七、特に、継続監視が必要な事項として、これもお配りさせていただいております資料にございます、付録二として、「国会による継続監視が必要な事項」として国会の先生方に対して御提言を申し上げております。
この衆議院原子力問題調査特別委員会は、このうちの提言一に基づいて設立されたというふうにお伺いしております。
特に、この提言一の3)と4)、ちょっと字が小さくて申しわけございませんが、ごらんください。読み上げます。
「この委員会は、今回の事故検証で発見された多くの問題に関し、その実施・改善状況について、継続的な監視活動を行う(「国会による継続監視が必要な事項」として添付)。」と書いてあります、これが付録二でございます。「この委員会はこの事故調査報告について、今後の政府による履行状況を監視し、定期的に報告を求める。」と記載しております。
提言一に記載している委員会は、「付録二 国会による継続監視が必要な事項」にあります、事故の検証で発見された多くの問題に関し、その実施・改善状況について、継続的な監視をし、また、提言の政府による履行状況を監視する、そのことを目的としております。
はい、次です。
先日、私、内閣府さんのホームページで発見したページを一部抜粋してごらんいただいております。
行政府の一部である内閣府からは、国会事故調報告を受けて政府が講じた措置について、報告書が毎年提出されております。本年六月には、平成三十年度版からですけれども、概要の資料ということが内閣府のホームページにアップされております。
その中に、この赤枠のところ、「提言一、提言四の一部、提言七は国会に対する提言。」であるということを、わざわざ注釈が入っております。行政府が、立法府の、国会の先生方に対して、ここの部分は国会の先生方の仕事であるということを明記しているということを御確認いただければというふうに思います。ぜひ、提言の履行をお願いしたいというふうに思います。
はい。
福島原発事故からもうすぐ十年でございます。この間、さまざまな状況が発生しております。
事故調の調査は、たかだか半年でした。事故調査委員会が扱えなかった事項はたくさんございます。
提言一に基づいたこの特別委員会、あるいは提言七で御提言させていただいております独立した調査委員会においては、取り組む事項はたくさんあると思います。
例えば、最終処分の問題、この事故調で扱わなかった事項の2)としてあります、「使用済み核燃料処理・処分等に関する事項」に該当すると思います。放射性廃棄物の中間貯蔵の問題、汚染水の処理の問題、これは、9)にあります、事故後の状況、廃炉のプロセスに関する事項に当たると思います。また、最近では、原子力規制委員会が事故原因の調査を再開するということも報道されています。こちらは、この扱わなかった事項の3)にあります、「実地検証を必要とする事項で、当面線量が高くて実施ができない施設の検証に関する事項」というところに該当すると思います。
まずは、喫緊の課題からお取り組みいただき始めるということが第一歩だと考えます。ぜひ、アドバイザリー・ボード、若しくは、提言七にあります独立調査委員会を御活用いただければというふうに考えております。
はい、お願いします、次です。
再びごらんいただいていますけれども、先日、私、福島県立福島高校で、当該高校の生徒さん若しくは先生方と、また、事故調査委員会の報告書に基づいた対話ということを行ってまいりました。
その中で、生徒の一人から御質問をいただきました。私は、うまく答えることができませんでした。質問の内容を申し上げます。提言実施の進捗がはかばかしくないなら、その進捗を一歩でも進めるために、あなたはどんな打ち手を考えているのか。
福島原発事故からもうすぐ十年です。この国の未来を担う彼らからの問いにきちんと正面から答えられるように、不断の努力をし続けることが、今を生きる大人の責務だというふうに私は考えます。ぜひよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。(拍手)