池田佳隆の発言 (文部科学委員会)

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○池田(佳)委員 おはようございます。自由民主党の池田佳隆でございます。
 まずは、質疑に入ります前に、冒頭、さきの台風において被害に遭われた方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げたいと思います。また、今もなお被災地において復旧復興にいそしんでおられます被災者の皆様方に、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 そして、今日まで日本の教育再生に並々ならぬ情熱を注いでこられました萩生田光一文部科学大臣、そして藤原事務次官を始めとします文部科学官僚の皆様方におかれましては、今、大変な日々をお過ごしのことと存じます。
 しかしながら、日本の教育再生は待ったなしであります。この国の未来、日本の未来、日本の教育は、大臣始め文部科学官僚の皆様方の双肩にかかっております。どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、改めまして、ただいま議題となりました公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、自由民主党・無所属の会を代表して質問させていただきたいと思います。
 自由民主党は、教育再生実行本部次世代の学校指導体制実現部会を中心に議論を重ねてまいりました。平成三十年五月、第十次提言では、勤務のガイドラインの制定、学校指導体制の充実、校務支援システム導入などを通じた業務負担の軽減、同年十二月、第十一次提言では、業務負担の軽減を前提とした一年単位の変形労働時間制の選択的な導入、教員免許制度の改善等をそれぞれ提言させていただきました。また、本年五月、第十二次提言では、働き方改革の観点も踏まえて、教員免許制度や免許更新制の抜本的な改革、小学校高学年における教科担任制の導入など、学校の指導体制の確立について提言いたしました。私も、松野博一主査のもとで、主査代理として党内の議論に参画してまいったわけでございます。
 企業経営をしておりました私の学校における働き方改革についての考え方は、至ってシンプルであります。地域や保護者、教育行政あるいは教師自身にも内包しております、金八先生に代表されるような二十四時間戦う熱血教師像から脱却すること、それこそがこの問題の最大の目標であって、同時に大きな壁であろうということであります。
 教師は確かに、子供たちの人生に大きな影響を与えます。すばらしい教師との出会いが自分の人生にとって決定的だった、そんな方々も多いことと思います。生徒が大人になって、どんなに大きな仕事をして世界的な業績を上げるような人になっても、その生徒にとって、教師はいつまでも教師であります。田中角栄元総理が母校である新潟の二田小学校の元校長、草間道之輔先生を生涯尊敬し、昭和四十九年に制定された教員人材確保法の制定にも、この田中元総理の草間先生への敬意が影響したことは実に有名な話であります。
 かつて教師は、村や町の名士、インテリ、先生様でありました。昭和四十六年の給特法制定時も、まだそんな雰囲気、名残はあったことだと思います。しかし、それから半世紀たち、地域や保護者は、自分たちの頭の中にある二十四時間戦う熱血教師、金八先生像を目の前の教師に押しつけているようにも思います。保護者は、少しでも気に入らないことがあると、クレームを教師に対して申し立て、そんな親を見ている子供たちは平然と教師を見下すような態度をとる。そんな環境で教師は日々苦しんでいるのが実情なのではないでしょうか。
 また、私自身、名古屋市立のある小学校でPTA会長を務めておりましたときに、教師が登校してこない子供たちのケアを余りにも丁寧に行い、それに振り回されているのを見て、これでは教師がもたない、むしろ、保護者に対してしっかりとした対応を求め、学校側はそのサポートに徹するべきだと校長先生に進言したこともありました。
 私は、ここで一旦立ちどまって、学校とは何か、教師に与えられている使命とは何かを捉え直し、社会全体で共有する必要があると考えます。学校や教師の第一の本務は、よりよく生きようとか、よりよい社会にしていこうとか、子供たちに心から思わせる魅力のある授業をわかりやすく行うことであります。学校で学ぶ知識は、ほかの児童生徒と比較して自分の方が点数が高いと優越感を得るための道具ではありません。よりよく生きようとか、よりよい社会をつくるためにこそあると思います。それは決して建前でも絵そらごとでもありません。
 公立の小中学校等には、国、都道府県、市町村が合わせて毎年十兆円という公費を投入しています。学習塾においては、子供たちや保護者はお客様でありますが、学校教育は、国民が教育基本法や学校教育法といった形で使命を明確に定め、それを実現するために毎年多くの公費を投じているという意味においては、個々の子供たちや保護者はお客様なのではなく、国民全体や未来社会に対して責任を負っているとも言えると思います。
 実際、子供たちは、学校での生活のほとんどを、教室で授業を受けています。この授業がわからない、つまらないでは学校生活が灰色になってしまうのは当然のことでありましょう。
 だとするならば、社会全体で、一旦、金八先生に二十四時間頼るという教師像から脱却をし、家庭や福祉と役割分担しながら、教師として最も重視すべき授業の質を高めるために教師が全力投球できる環境を確立することが、学校における働き方改革の目的なのではないでしょうか。やっと広がり始めた定時以降の留守番電話、そのようなことも、このように学校の働き方改革を理解してこそその重要性がわかるんだと思います。
 そこで、初等中等教育局長にお伺いをいたします。
 本年一月の中央教育審議会答申においては、学校の働き方改革の目的をどのように指摘されておりますでしょうか。私は、この答申は、教師の最大の本務は授業であり、授業を磨く時間と余裕の確保のためにも学校の働き方改革は重要であると提言していると認識しております。そのことを金八先生像からの脱却と私は捉えているわけでありますが、御見解をお伺いいたします。

発言情報

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発言者: 池田佳隆

speaker_id: 6827

日付: 2019-11-08

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会