早川三根夫の発言 (文部科学委員会)
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○早川参考人 岐阜市教育長の早川でございます。
資料に従って御説明させていただきます。
働き方改革は、社会の理解を得ながら、それぞれの立場で総力で取り組むべき待ったなしの課題です。
教育委員会も、教育の質を低下させることなく、アイデアを凝らし、できることから速やかに一つ一つ積み重ねていく努力をしております。時間外の留守番電話対応、データが処理できるタイムカードの導入など十六項目から成る教職員サポートプランを作成しました。特に評判がいいのは、スクールローヤーの導入です。
その中の一つとして、十六日間の学校閉庁日を設定いたしました。平日の業務の縮小とあわせて、年間を通じた勤務時間の縮減を目指し、本市で働く先生にとって新たな魅力に位置づけようとするものです。
本市は、平成二十六年から土曜授業を年十回実施しております。その分の勤務の割り振りが確実に実施できるよう、夏季休業中の八月五日から二十日までは行事を持たない期間として位置づけておりました。一方、お盆期間の三日間程度は、日直を置かない学校閉庁日を独自に実施している学校も既にありました。大胆な導入のように見えますが、そうした下地もあって、日直を置かず、前後の週休日も合わせて十六日間、学校閉庁日とすることにしたということです。
実施に当たって事前に検討したこととして、緊急時対応は、保護者に市教委の二十四時間緊急対応電話番号を知らせ、内容を校長等に速やかに連絡する体制をとりました。事前に考え得る問題の全てに対する対応策は、校長、教頭などと何度も交流し、FAQにして、学校だけでなく関係者に事前に周知いたしました。
例えば、全国大会のための部活動の練習は校長が認めれば活動可能、夏休みのスポーツ少年団の活動については今までどおり、その他、プールの実施、動植物の世話、郵便物の回収、改修工事、放課後児童教室など、PTA、自治会、警察署、消防署、教職員の組合などに趣旨を事前に説明し、理解を得ました。
本市は中核市ですが、緊急電話があったのは資料表一のような件数で、二年間にわたって市教育委員会の対応で問題はありませんでした。
事前検討が落ちていたこととして、学割が必要になったときの対応があります。学割は校長印が必要で、教育委員会では代行できません。JRには改善をお願いしたいと思っております。
実際の教員の勤務状況に関しては、三、実施後のアンケートでお示しします。二年目となる今年度は、問題がなかったことから、調査物を減らすという意味でアンケートは実施しておらず、昨年度のデータでお示しします。
教職員は、実質勤務日のうち、全く来なかった人は全体の約半数で、来た人は平均で二・四日出勤していることになります。休暇取得日数は平均で八・七一日、内訳はそのようになっております。
私が心苦しく思うのは、年休を使用している先生が多いということです。近年特に多く任用している臨時的任用職員、本市では約二百人いますが、任用期間によっては年休が不足する場合があり、閉庁中の学校に勤務するか、教特法二十二条二項の勤務場所を離れた自主研修かの対応になります。七十七名が教特法を利用し、レポートを提出しました。もし変形労働時間制があれば、休むことができると思います。
二ページ、(二)休暇の活用については、休養、自己研さんなどさまざまですが、注目すべきは、国内外合わせて、約二人に一人が旅行をしているということです。しかも、(四)の図一の海外旅行については、届け出ることになっているため教育委員会の手持ちデータで比較ができますが、取組が安定した二年目は、より長期の海外旅行がふえております。
教職員の感想としては、気兼ねなく休めた、リフレッシュできた等、特に若い世代は歓迎の声を上げ、図四のように、ふだん気兼ねしている二十代は九七・二%の高い支持になっております。仕事と日常生活の境目が曖昧になりがちな先生にとって、めり張りをつけることができたという感想も多く、タイムマネジメントに効果をもたらすことが期待できます。出勤した者も、たまった仕事が整理できた、二学期の準備ができたなど、閉庁日の出勤は仕事がはかどるという多くの意見がありました。
PTA役員や運営協議会からも九六%の支持を得ました。一般市民からとればもっと批判的でしょうが、日ごろから学校の事情をよく理解していただいている関係者から賛同を得たことは心強いことです。
岐阜市は、二十四年から全学校コミュニティースクールになっており、だからこそ速やかな導入が図れ、支援を強く感じました。交番の警察官の巡回や見守り隊の方々の散歩コースに入れていただき、何時何分異常なしとポストに点検結果を投函してもらえ、動植物の世話を当番制にしていただいたところもあります。これを機会にともに地域の宝を育てる機運を高めていきたいと感想にあるように、教職員の働き方改革は、地域における学校のあり方を考えることだと言えます。
変形労働時間制の是非がクローズアップされていますが、まず先生方に夏休みをきちんと休んでもらおうという本市の取組のように、導入にあっては、夏休み等を取得しやすい環境づくりとセットで考えていく必要があります。特に、任用期間の短いことにより年次休暇の日数が不足する臨時的任用職員の先生方には有効です。
御心配されているように、このことを理由に平日の勤務時間がふえるということは、働き方改革に学校と教育委員会が心を一つにして取り組んでいる現状を考えれば、本市においては考えづらいことだと思っております。
周辺の市町にも広がっております。二学期制をとっている隣接自治体は、キッズウイーク期間に十日間の閉庁日を設けました。先生たちには夏休みがあるということが職業の魅力になり、リフレッシュもし、視野を広げる機会になるものと考えます。
働き方改革は多くの課題を抱えております。変形労働時間制のシングルイシューの論議だけでは完全ではありません。夏休み等の学校閉庁日、コミュニティースクール、変形労働時間制の三つが政策として響き合うならば、有効な手段となります。この期間にまとまって堂々と休みをとっていいという市民の理解を得れば、教職を目指す若い人にとって、魅力を高め、教員の希望者の増にもつながると期待しております。
以上でございます。ありがとうございました。(拍手)