安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 枝野議員にお答えをいたします。
台風第十五号への災害対応についてお尋ねがありました。
まず、台風第十五号によりお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、全ての被害者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
政府においては、台風の接近前から防災担当大臣が出席して、関係省庁災害警戒会議を開催したほか、停電の解消に時間を要している状況等を踏まえ、関係省庁災害対策会議を合計十四回開催し、閣僚懇談会でも議論するなど、関係省庁が緊密に連携し、切れ目のない対応に当たってきたところです。
そうした中で、内閣府や経済産業省等の連絡員や専門的な知識を有する者を順次千葉県庁や各市町村に派遣したほか、食料品等のプッシュ型支援、自衛隊員延べ五万四千人を動員しての倒木除去作業やブルーシートの展張作業、被災地への自治体職員の広域応援派遣を行うなど、被災地のニーズを踏まえたさまざまな支援策を講じてまいりました。
このように、今回の台風への初動対応については、迅速、適切に行われてきたものと認識しておりますが、今回の台風においては、長期間にわたる停電及びその復旧プロセスなどのさまざまな課題が認められました。それらの課題を検証、検討するため、先般、官房副長官をトップとする検証チームを立ち上げました。
今後、このチームのもとに設置した実務者検討会において、メンバーである防災分野等の有識者五名の御意見も伺いながら、長期停電の原因及びその復旧プロセス、通信障害に関する関係者間の情報共有、復旧プロセス、国、地方自治体の初動対応、災害対応にふなれな自治体への支援等について、徹底的かつ客観的に検証してまいります。
分散型エネルギーについてお尋ねがありました。
議員提出法案の取扱いは、国会の運営にかかわるものであり、国会がお決めになることと考えています。
その上で申し上げれば、分散型エネルギーは、非常時にも活用できるエネルギー供給源を確保する点や地域活性化にも資する点から、重要と考えます。
政府としては、これまでも、地産地消型エネルギーシステムの構築に対する支援などを行ってきておりますが、今後とも、自家発電設備や蓄電設備の整備を支援するなど、分散型エネルギーの普及を後押ししてまいります。
関西電力の問題についてお尋ねがありました。
東日本大震災後に、担当大臣として、電気料金の上昇、関西電力の原発再稼働などで大変な御苦労をされた枝野代表には申し上げるまでもありませんが、電気事業者たるものは、原子力にかかわるものか否かにかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。
そうした観点から、政府として、今回の問題について、電気事業法に基づき、所管する経済産業省から関西電力に対して事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しており、これを受けて、関西電力は、独立した第三者委員会のもとで調査を行うこととしたものと承知しております。
まずは、第三者の目を入れて、徹底的に全容を解明することが不可欠であり、その上で、経営問題も含め、再発防止等の措置を講ずることで、利用者の皆さんの信頼回復に努めることが必要であると考えています。
東京電力福島第一原発における処理水の取扱いについてお尋ねがありました。
小泉環境大臣の発言については、詳細を承知しておらず、コメントは差し控えますが、汚染水処理については、東京電力福島第一原発事故の直後から、歴代政権が、地元福島県の皆さんと向き合い、その御理解を得ながら取り組んできたものと承知しています。
その上で、ALPSの処理水については、現在、経済産業省において、有識者による小委員会を設置し、地元関係者の御意見もお聞きしながら、海洋放出を含めたあらゆる選択肢について検討を行っていると承知しており、今後、政府として、丁寧な議論の上に、結論を出してまいります。
ポイント還元と中小事業者の負担についてお尋ねがありました。
今回のポイント還元では、決済端末の支援を行い、中小・小規模事業者の導入に係る負担をゼロとするとともに、手数料についても、三・二五%以下とした上で、更にその一部を補助するなどにより、中小・小規模事業者の皆さんの負担を大きく軽減することで、キャッシュレスを導入しやすい環境を整えています。
現在の参加店舗は五十万店でありますが、こうした制度への理解が深まる中で、最近は一日一万店ペースで決済事業者への申請が増加しており、こうした申請中の案件も含めれば、現時点で八十万店を超えています。
決済事業者による審査体制を強化することで、申請待ち時間の圧縮を図り、参加店舗数の速やかな拡大を目指します。
また、これまでも、千五百の商店街など全国で説明会を行ってまいりましたが、今後、全国千六百の商工会などの協力を得て個別店舗への働きかけを行うなど、制度のさらなる周知を図ることでより多くの中小店舗に参加いただけるよう取り組んでまいります。
海外で急速にキャッシュレス決済が普及する中、日本を訪れる外国人観光客の七割が、キャッシュレスがあればもっとお金を使ったと回答しています。
今回のポイント還元により、キャッシュレス化を進めることで、インバウンド消費の拡大を通じて全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆さんの成長へとつなげてまいります。
厚生年金の適用拡大についてお尋ねがありました。
同一労働同一賃金によって正規、非正規の壁がなくなる中で、厚生年金の適用範囲を拡大し、老後の安心を確保していくことが重要です。
具体的な適用範囲については、中小・小規模事業者への影響や労働者の就業実態なども踏まえつつ、老後の安心確保にしっかりと資するものとなるよう、年末までを目途に検討を進めてまいります。
年金水準と生活保護についてお尋ねがありました。
先般公表した財政検証の結果によれば、マクロ経済スライドによる調整が終了した後の所得代替率は、前回よりも悪化するのではないかとの一部の臆測に反し、代表的なケースでは、前回検証時の五〇・六%に対して、五〇・八%と改善したところであります。
また、基礎年金額は、物価上昇分を割り戻した実質価格で見て、おおむね横ばいとなっています。
なお、三十年後の生活保護受給者数を正確に見通すことは困難ですが、経済を強くすることで年金の財政基盤を確かなものとし、さらに、年金の適用拡大など老後の安心を支える制度改革を推し進めることで、生活の安定を図ってまいります。
在職老齢年金制度についてお尋ねがありました。
在職老齢年金制度については、人生百年時代を見据えて、高齢者の就労意欲を阻害しない観点からの見直しが必要と考えており、厚生年金の適用拡大の効果など、年金制度全体の改革の中で、御指摘の年金財政の問題にも留意しつつ、検討を進めてまいります。
年金生活者支援給付金についてお尋ねがありました。
年金生活者支援給付金の請求の手続については、テレビやラジオ等も活用した広報を行うとともに、専用のコールセンターを設置し、手続等についてのお問合せに丁寧に対応しております。
また、請求書は、氏名等を記載し返送するだけの簡易なはがき形式とするなど、対象者の方に可能な限り御負担をかけずに請求できるような工夫もしております。
今後とも、給付金の手続が適切に行われるよう、しっかりと取り組んでまいります。
介護保険制度についてお尋ねがありました。
介護保険制度については、現時点において、議員が指摘された内容の見直しを行う検討がなされているわけではありません。
今後、年金、医療、介護、労働など社会保障全般にわたって、人生百年時代を見据えた改革を進める中で、給付と負担のあり方について適切に検討してまいります。
トウモロコシの害虫被害についてお尋ねがありました。
非常に強い食害性と伝播力を持つ害虫であるツマジロクサヨトウは、本年七月、我が国で初めてその発生が確認され、先週までに、東北から九州、沖縄までの十九府県、百二市町村に発生地域が拡大しています。
現在、その防除や蔓延防止対策に全力を挙げている段階であり、総被害量を見通すことは困難です。
トウモロコシ輸入については……(発言する者あり)