安倍晋三の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)(続) また、国会における調査審議のあり方については国会でお決めになる事柄ですが、政府としては、年金の財政検証は、年金制度の運営に最終的な責任を有する厚生労働大臣が責任を持って担当すべきものと考えています。
 年金生活者支援給付金についてお尋ねがありました。
 年金生活者支援給付金は、平成二十四年の社会保障と税の一体改革における三党合意において、定額給付は保険料納付のインセンティブを損なうため社会保険方式になじまないとの観点から、月額五千円を基準としつつ、保険料納付済み期間に比例した給付とし、これは当時の民主党政権が法案化した経緯があるわけでございまして、皆様方も覚えておられるのではないか、こう期待をしておりますが、こうした経緯は重いものと考えております。
 また、どのような給付を行う場合も、それを支える安定財源がなければ持続可能な制度とならないものと考えます。
 全世代型社会保障検討会議の構成員についてお尋ねがありました。
 先月新たに設置された全世代型社会保障検討会議は、全世代型社会保障改革に関係する政府内の各会議から代表者を集める形で構成されています。
 今後、検討会議において、さまざまな立場の方々から幅広く御意見を伺う機会を設ける方向で検討してまいりたいと思います。
 待機児童及び介護離職についてお尋ねがありました。
 待機児童数は、この四月には、調査開始以来最少となる一万六千七百七十二人まで減少しています。今後とも、市町村をきめ細かく支援し、二〇二〇年度末までに待機児童の解消を目指します。
 また、介護離職については、二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受皿の整備をしっかりと進めていくこと等により、介護離職ゼロを目指します。
 政府としては、こうした施策に全力で取り組み、責任を果たしてまいります。
 男性の育児休業についてお尋ねがありました。
 男性が積極的に育児を行うことは、子育て環境の充実や女性の活躍推進の観点からも重要です。
 育児休業給付金については、既に諸外国と比較しても相当程度高い水準にあり、さらなる引上げは、その効果や財源の確保とあわせて、慎重な検討が必要であると考えています。
 いずれにせよ、育児休業を希望していても申請できない男性が多くいることを踏まえ、職場環境の改善や制度的な対応等を含めて検討し、男性の育児休業取得を一層強力に促進します。
 公立・公的病院の再編統合についてお尋ねがありました。
 高齢化が急速に進む中、地域の医療ニーズの変化に合わせ、これまで急性期中心であった病院の医療機能を、より必要とされる回復期へと転換を進め、安心できる地域医療体制を確保していくことが重要です。
 今般、病院が地域において急性期機能をどの程度果たしているかとの観点から、診療実績の分析結果を公表しましたが、これは、それぞれの医療機関が今後の医療機能のあり方を考える際の材料としてお示ししたものであり、病院が将来担うべき役割等を機械的に決めるものではありません。
 政府としては、地方団体の御意見も十分伺いながら、こうした点について関係者に丁寧に御説明し、地域において、将来あるべき医療提供体制の議論を深めていただきたいと考えています。
 日本版家庭医制度についてお尋ねがありました。
 高齢化の進展や疾病構造の変化を踏まえると、今後は予防にも重点を置いた医療を充実していく必要があります。
 このため、政府としては、地域医療の担い手として、身近な地域において日常行う診療に加え、予防や地域の保健事業において重要な役割を担うかかりつけ医の普及に取り組んでおり、必要な研修や普及啓発に対する支援策などを実施しているところです。
 懲戒権の規定の見直しについてお尋ねがありました。
 御指摘の懲戒権の規定の見直しについては、現在、法制審議会において鋭意検討を行っております。
 懲戒権については、家族のあり方にかかわり、国民の間でもさまざまな議論があると承知しています。このため、その検討に当たっては、国会における議論等も踏まえながら、徹底した議論を行う必要があると考えており、改正法の施行後二年を目途とする検討期間が必要であると考えています。
 何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。
 性犯罪の要件の見直しについてお尋ねがありました。
 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する悪質、重大な犯罪であると認識しております。
 さきに成立した刑法の一部を改正する法律の附則においては、施行後三年を目途として施策のあり方の検討が求められており、御指摘の点を含めて、性犯罪の実態を把握した上で適切に対処してまいりたいと考えています。
 あおり運転についてお尋ねがありました。
 いわゆるあおり運転は、意図的に危険を生じさせる極めて悪質な行為であり、その抑止を図るため、引き続き、あらゆる刑罰法令を適用して、厳正な取締り等に努めてまいります。
 その上で、御指摘の罰則の強化等についても、引き続き検討を進めてまいります。
 労災認定基準についてお尋ねがありました。
 現行の脳・心臓疾患の労災認定基準は、平成十三年に、有識者による医学的検討を踏まえて策定されたものです。
 当該基準については、現在、最新の医学的知見の収集を行っているところであり、その結果を踏まえ、基準の改定も視野に入れた検討を行ってまいりたいと考えています。
 防衛装備品の国内調達についてお尋ねがありました。
 防衛装備品の調達に当たっては、米国製であれ国内製であれ、今後の我が国の防衛に必要な装備品を個別に評価、検討し、我が国の主体的な判断のもとに決定しているものです。
 厳しい安全保障環境を受け、高性能な装備品について早期導入が求められる傾向にあり、結果としてFMS調達が増加していますが、一方で、国産装備品についても、我が国の防衛に必要な能力を満たした装備品を調達しており、新中期防においても、国産装備品の整備を計画しています。
 引き続き、必要な国産装備品について着実に調達を進めていくとともに、我が国の防衛産業が、安全保障環境に適応した、今後必要となるすぐれた装備品をしっかりと開発、生産することができるよう、企業間の競争環境を創出しつつ、強靱な防衛産業の構築を図ってまいります。
 在日米軍駐留経費についてお尋ねがありました。
 ボルトン元大統領補佐官が来日した際、在日米軍駐留経費について大幅な負担増を要求された事実はありません。
 政府としては、現在、在日米軍駐留経費は、日米両政府の合意に基づき適切に分担されていると考えています。
 なお、現行の在日米軍駐留経費負担特別協定は、御存じだとは思いますが、二〇二一年三月まで有効であり、新たな特別協定に関する日米間の交渉は始まっておらず、我が方の方針を予断することは差し控えます。
 北朝鮮のミサイル発射についてお尋ねがありました。
 弾道ミサイル発射が安保理決議違反であることは明白であり、こうした立場について、例えば、先般のG7の際に行った日米首脳会談で、冒頭、私から、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射は安保理決議違反であり極めて遺憾である旨述べ、トランプ大統領からは完全に理解する旨の発言があるなど、累次の機会に確認してきたところです。
 引き続き米国と緊密に連携して、安保理決議の完全な履行に努めてまいります。
 日米貿易協定の関税撤廃率についてお尋ねがありました。
 今回の協定では、自動車及び同部品について、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃を明記いたしました。関税撤廃がなされることが前提となっている以上、関税撤廃率の換算に加えることに問題があるとは考えません。
 そして、このように新たに譲許される品目にWTO協定の枠組みのもとで無税とされているものを含めれば、二〇一八年の貿易ベースで、関税撤廃率は、日本が八四%、米国が九二%となります。
 その上で、自動車及び同部品を除いた数字を発表することは、あくまで関税撤廃がなされることが前提となっている今回の交渉結果に反するものであり、具体的な撤廃時期などに係る今後の交渉にも悪影響を与えかねないことから、差し控えます。
 なお、今回の交渉結果については、泉議員は大変御不満かとは思いますが、我が国の自動車工業会からは、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受けとめ、特に、米については、米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知をしております。まさに国益にかなう結果を得ることができたと考えております。
 ホルムズ海峡をめぐる情勢に関し、自衛隊が防衛出動する可能性についてお尋ねがありました。
 我が国の原油輸入の約八割が通過するホルムズ海峡における航行の安全を確保することは、我が国のエネルギー安全保障上、死活的に重要であり、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要です。かかる観点から、ホルムズ海峡を含む中東地域における緊張の高まりを懸念しております。
 我が国としては、中東における緊張の緩和と情勢の安定化に向けて、本年六月の私のイラン訪問、九月の国連総会時のトランプ大統領やローハニ大統領との会談を含め、外交努力を継続することを基本としているところであり、今後、具体的に中東でどのような事態が生じるか、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。
 御質問の、具体的にいかなる事態が存立危機事態に該当し、自衛隊に防衛出動を命ずるかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難であります。
 なお、政府としては、現時点で、ホルムズ海峡の情勢に対応し、平和安全法制に基づいて、自衛隊に防衛出動を命ずることは考えていません。
 日ロ平和条約交渉に関してお尋ねがありました。
 私は、北方領土返還要求全国大会のたびに元島民の代表の方々とお会いをし、元島民の皆様のお気持ちに寄り添いながら、ロシアとの交渉を進めています。
 長門会談で、私とプーチン大統領が、みずからの手で平和条約を締結するとの真摯な決意を表明して以降、新しいアプローチで問題を解決するとの方針のもと、御高齢になられた元島民の皆様が強く望んでおられた、航空機による元島民の方々のお墓参りが三年連続で実現し、本年は、これまで何年も訪問できなかった場所にも訪れることができました。
 北方四島における共同経済活動についても、パイロットプロジェクトが始まっています。
 このように、北方四島において、日ロのこれまでにない協力が実現しています。
 ロシアとの交渉がうまくいくかは、静かに交渉できるかにかかっています。交渉に悪影響を与えないためにも、交渉内容にかかわることや我が国の交渉方針について述べることは差し控えます。
 いずれにせよ、北方領土は、我が国が主権を有する島々です。政府としてこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが日本側の一貫した立場です。日本を売り渡すとの指摘は全く当たりませんし、この強い言葉が皆さんにとってブーメランとならないことをお祈りしております。
 普天間飛行場の辺野古移設に要する経費についてお尋ねがありました。
 米国キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと承知しています。
 現在、沖縄防衛局において、有識者の助言等を得ながら、具体的な設計、経費等について詳細な検討を行っているところであり、移設に要する経費については、しかるべき時期にしっかりと説明させたいと考えています。
 日米地位協定についてお尋ねがありました。
 日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として、事案に応じて、最も適切な取組を通じ、具体的な問題に対応してきています。
 安倍政権のもとで、環境及び軍属に関する二つの補足協定の策定が実現しました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものであります。
 日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に、起訴前に日本側への移転が行われてきています。
 さらに、本年七月には、施設・区域外における米軍機事故ガイドラインを改正し、日米の関係者による制限区域内への立入りが迅速かつ早期に行われることが明記されました。
 日米地位協定については、御指摘の提案も含め、さまざまな意見があることは承知していますが、政府としては、今後とも、このような目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。
 国民投票法の改正についてお尋ねがありました。
 国民投票法は、平成十九年に議員立法で制定されたものですが、その際、各党各会派でさまざまな議論がなされた結果として、広告放送を含めた国民投票運動について、基本的に自由とし、投票の公正さを確保するための必要最小限の規制のみを設けることとするなど、現在の制度となったものと承知しています。
 いずれにせよ、御指摘の国民投票運動のあり方などについて、国民投票制度の根幹にかかわる事柄であり、国会において御議論いただくべき事柄であると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣菅原一秀君登壇〕

発言情報

speech_id: 120005254X00320191008_006

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2019-10-08

院: 衆議院

会議名: 本会議