安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 志位和夫議員にお答えいたします。
 台風、豪雨災害への公的支援強化についてお尋ねがありました。
 今般の台風第十五号による災害において、極めて多くの家屋に被害が生じ、被災者の方々の日常生活に著しい支障が生じたことから、災害救助法の制度を拡充し、恒久的制度として、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常的に支障を来す程度の被害が生じた住宅については、支援の対象とすることとしました。
 また、農林水産業については、台風第十五号を含めた八月から九月の前線に伴う大雨等による被害への対策として、一日も早い経営再開に向けて、災害復旧事業の早期実施、農業用ハウス再建への支援、停電対策を主とした総合的な農林漁業者への支援策を決定し、周知を図っています。
 これらの支援を通じて、一日も早い被災地の復旧復興に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
 各税目の税収の動向と消費税収の使途についてお尋ねがありました。
 税収の変化についての御議論ですが、所得税や法人税による税収の減少の背景としては、制度改正要因に加え、バブル期以降の資産価格の下落等、経済情勢の要因もあることに留意が必要です。
 この間、急速な高齢化等を背景として、年金、医療、介護等の社会保障給付費は大きく増加してきました。
 消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定しており、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから、社会保障に係る費用を賄うための財源としてふさわしく、引上げによる増収分は、実際に社会保障の財源として活用されてきました。
 今般の消費税率の引上げに当たっては、低所得者への配慮として軽減税率制度を実施することとしたほか、増収分を活用し、幼児教育、保育の無償化や年間最大六万円の年金生活者支援給付金等の社会保障の充実を行いながら、社会保障の安定化も同時に図ることとしており、消費税が、弱者から吸い上げ、大企業と富裕層を潤すとの御指摘は当たりません。
 我が国の経済成長と税制についてお尋ねがありました。
 我が国は、バブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレによる停滞の二十年を経験しました。企業は賃金を抑制し、消費者も将来への不安などから消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷、デフレを加速するという悪循環から抜け出せずにいました。
 この経験を踏まえ、安倍内閣では、政権交代後、アベノミクス三本の矢の取組により、デフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは一割以上成長しております。今後も、デフレ脱却、そして力強い成長のための三本の矢の政策を継続してまいります。
 なお、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置づけています。
 少子高齢化に正面から取り組むに当たり、全世代型社会保障制度へと転換し、同時に、財政健全化も確実に進めていく必要があります。このため、消費税率を一〇%に引き上げたところであり、御提案のような廃止は全く考えておりません。
 いずれにせよ、公平、中立、簡素の三原則を踏まえつつ、今後の税制のあり方については不断の検討を行ってまいります。
 二〇一四年の消費税率引上げ等についてお尋ねがありました。
 消費税率の八%への引上げは、単なる増税ではなく、これを財源として、基礎年金国庫負担の割合の二分の一への引上げや、所得の低い方々に対する国民健康保険料等の軽減の拡充など、社会保障の充実を実施したところであります。
 これらの施策を全体として見れば、消費税率八%への引上げの判断が誤りであったとは考えていません。
 しかしながら、前回の消費税率引上げの際には、耐久財を中心に大きな駆け込み需要と反動減が生じ、その後の回復にもおくれが見られるなど、結果として見れば、需要変動に対する対策が必ずしも十分ではなかったと考えています。
 このため、今回の消費税率の一〇%への引上げに当たっては、前回の経験を踏まえつつ、教育の無償化や軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、プレミアムつき商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を実施しているところであり、今後も経済の動向には十分目配りしてまいります。
 今回の引上げは、少子高齢化という国難に正面から取り組むに当たり、お年寄りも若者も安心できる全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためのものであり、御提案のような減税は全く考えておりません。
 法人課税や富裕層への個人所得課税の強化、消費税の減税についてお尋ねがありました。
 企業に対する税制については、国際競争力への影響を踏まえ、慎重に検討する必要があります。
 安倍政権では、租税特別措置の縮減、廃止等により課税ベースを拡大しつつ法人税率を引き下げるなど、成長志向の法人税改革に取り組んできました。
 また、これまで、所得再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや、金融所得課税の見直しにより税率を一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところです。
 今後の税制のあり方については、これまでの改正の効果を見きわめるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ、検討する必要があると考えています。
 その上で、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置づけています。
 少子高齢化に正面から取り組むに当たり、全世代型社会保障制度へと転換し、同時に、これまでの歳出改革の取組を強化して、無駄を徹底して排除することにより、財政健全化も確実に進めていく必要があります。
 このため、消費税率を一〇%に引き上げたところであり、御提案のような減税は全く考えておりません。
 イージス・アショアについてお尋ねがありました。
 イージス・アショアは、現下の厳しい安全保障環境の中、弾道ミサイルの脅威から我が国全域を二十四時間三百六十五日、長期にわたり切れ目なく防護することを可能とし、国民の命を守り抜くためどうしても必要な装備品であり、米国を防衛するために導入するものではありません。
 また、イージス・アショアの取得、維持、運用等に要する経費は、現時点で、約四千億円を超えるものと見積もっていますが、今後、施設整備に要する経費なども含めた、いわゆるライフサイクルコストを適切な時期に確定、公表するとともに、引き続き、経費の低減に努めてまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて、現在、沖縄防衛局において、環境保全に最大限配慮しながら、辺野古移設に向けた工事が進められているところです。
 米軍キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと承知しています。
 現在、沖縄防衛局において、有識者の助言等を得ながら、具体的な設計、費用等について詳細な検討を行っているところであり、移設に要する経費については、しかるべき時期にしっかりと説明させたいと考えております。
 政府としては、地元の皆様と対話を積み重ね、御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 関西電力の問題、電気料金の認可、他の電力会社への調査などについてお尋ねがありました。
 電気事業者たるものは、原子力にかかわるものか否かにかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。
 電気料金の認可は、所管する経済産業省が、公開の場における専門家による厳正な審査を経て行うものであると承知しておりますが、今回の事案を踏まえ、電気事業法に基づき、関西電力に対して、資金の流れ、工事の実態などの一連の事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しております。これを受けて、関西電力は、独立した第三者委員会のもとで調査を行うこととしたものと承知しております。
 まずは、第三者の目を入れて、徹底的に全容を解明することが不可欠であり、その上で、経営問題も含め、再発防止等の措置を講ずることで、利用者の皆さんの信頼回復に努めることが必要であると考えています。
 さらに、今般の事案の発生を受けて、経済産業省から関西電力以外の電力会社に対しても、コンプライアンスの遵守を徹底するよう指示したところであり、これを受けて、各電力会社による調査が行われたと承知しています。(拍手)
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発言情報

speech_id: 120005254X00320191008_014

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2019-10-08

院: 衆議院

会議名: 本会議