安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場伸幸議員にお答えをいたします。
東京電力福島第一原発における処理水の取扱いについてお尋ねがありました。
東京電力福島第一原発事故に伴う風評の払拭は、福島復興の大前提です。そのためには、馬場議員の御指摘のとおり、科学的な事実に基づきながら、丁寧な情報発信を尽くすことが何よりも重要であると考えます。
ALPSの処理水については、現在、経済産業省において、有識者による小委員会を設置し、過去の経験や科学的な知見に十分に基づき、風評被害などの社会的な観点も踏まえ、海洋放出を含めたあらゆる選択肢について検討を行っていると承知しております。今後、政府として、科学的かつ丁寧な議論の上に、結論を出してまいります。
除去土壌等の最終処分についてお尋ねがありました。
三十年以内、県外最終処分という方針については、平成二十六年に、当時の民主党や維新の会にも御賛同いただき、当該方針を定めた法律が成立したところであり、今後とも、国として、これにのっとり、しっかりと取り組んでまいります。
そのため、現在、除去土壌等の減容に関する技術開発や、再生利用の推進、処分場の構造の技術的検討などを進めているところです。その成果を前提として、最終処分地に関する具体的な調整に順次着手する考えです。
今後とも、三年前に策定した工程表にのっとって、具体的な取組を着実に前進させてまいります。
解雇紛争の金銭解決制度についてお尋ねがありました。
解雇紛争時の金銭解決については、金銭を支払えば自由に解雇できるといった制度の導入は考えていないということをまず明確にさせていただきます。
その上で、労働者の保護等の観点から、現在、厚生労働省においては、まずは、法技術的な論点について専門的な論議を行っているところであり、その結果等も踏まえつつ、引き続き、労使ともよく相談しながら検討を進めてまいります。
年金制度改革についてお尋ねがありました。
御指摘の年金制度の積立方式への切りかえについては、若い世代を含む全世代が自分の積立てに加えて現在の高齢者の給付を賄うこととなる、いわゆる二重負担の問題があり、これを克服するという難しい課題があると考えています。
また、低年金の方々に対しては、今月から、年間最大六万円の年金生活者支援給付金がスタートしたばかりであり、この新たな給付制度の定着に全力を傾注したいと考えています。
その上で、全世代型社会保障検討会議においては、年金、医療、介護、労働など社会保障全般にわたって、人生百年時代を見据えた改革を検討し、誰もが安心できる社会保障制度を大胆に構想してまいります。
地方議員のあり方についてお尋ねがありました。
地方議員が厚生年金等に加入した場合の公費負担については、総務省において一定の前提のもとに行った直近の試算によれば、毎年度、年金で約百六十億円、医療保険で約百億円になると承知をしております。
地方議員の厚生年金への加入については、国民の幅広い政治参加や地方議会における人材確保の観点から必要との考え方もありますが、他方、こうした保険料の公費負担などの課題もあります。
この問題は、地方議員の身分の根幹にかかわることであり、国民の皆様の声や議員の声もよく聞きながら、各党各会派において検討がなされる必要があると考えております。
地方議員のなり手不足については、政府としても、これまで、通年会期制の創設など、より幅広い層が議員として参画しやすい環境の整備に努めてきたところであります。また、各議会においても、夜間、休日を基本とした議会運営など、議員の裾野を広げることに資する自主的な取組を進めていると承知しています。
引き続き、各地方議会における自主的な取組とあわせ、政府としても、議員のなり手の確保のための環境整備に努めてまいります。
憲法改正についてお尋ねがありました。
日本維新の会が憲法改正について具体的な考え方を示し、各論に踏み込んで真摯に議論されていることに、まずもって敬意を表したいと思います。
憲法審査会の運営については、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきます。
その上で、お尋ねでございますのであえて申し上げれば、さきの参議院選挙や最近の世論調査を通じて示された国民の皆様の声は、憲法改正について議論を行うべきであるというものであります。
自民党は、既に憲法改正のたたき台を提示しています。立憲民主党を始め野党各党においても、それぞれの案を持ち寄っていただき、憲法審査会の場で国民の期待に応える活発な議論を行っていただきたいと思います。
与野党の枠を超えた議論を深める中で、令和の時代にふさわしい憲法改正原案を策定していただくことを期待しております。(拍手)