安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 玄葉光一郎議員にお答えをいたします。
防災対応や被災者等への支援策についてお尋ねがありました。
平成の時代は大きな自然災害が相次ぎ、昨年からことしにかけても、集中豪雨、台風など、異次元の災害が相次いでいます。災害への対応は、もはや、これまでの経験や備えだけでは通用せず、命にかかわる事態を想定外と片づけるわけにはいきません。
台風十九号において被災した堤防の強化を図ることはもちろんですが、さらに、今後、将来の気候変動の影響により降雨量が増大し、水害が頻発化、激甚化する場合に備えた治水対策を適切に講じてまいります。
被災者生活再建支援金については、国や都道府県の財政負担面での課題もあり、支給対象の拡大については慎重に検討すべき点もあると認識しておりますが、昨年の全国知事会からの提言等も踏まえ、被災者に寄り添う観点から、必要な対応を検討してまいります。
また、現在、被災者の生活やなりわいの再建に向けた対策パッケージの策定を進めているところであり、その中で、御指摘のグループ補助金を含め、必要な支援を検討してまいります。
今後とも、地元自治体と緊密に連携しつつ、被災地の方々の気持ちに寄り添い、復旧復興を全力で支えるとともに、国家百年の大計として、災害に屈しない、強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいります。
米国との二国間交渉を行うことについてお尋ねがありました。
日米貿易協定は、TPPや欧州とのEPAなど過去の協定の成果の上に、トランプ大統領との信頼関係のもと、二国間で交渉を行った結果、昨年九月の合意に沿って、日米双方にとってウイン・ウインでバランスのとれた結論を得ることができたと考えています。
今回の交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受けとめ、特に、米については、米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知しており、我が国にとって、まさに国益にかなう結果が得られたと考えています。
なお、今後の米国との二国間交渉については、今回の共同声明では、今後、どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしており、現時点において、その後に協定を結ぶか否かも含め、予断を持って申し上げることは差し控えます。
農産物関税の引下げと自動車・自動車部品の関税撤廃についてお尋ねがありました。
今回の協定では、工業品について、日本企業の輸出関心が高く貿易量も多い品目を中心に幅広く関税撤廃や削減が実現しました。また、我が国の牛肉について、米国への輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、農産品の分野でも新しいチャンスが生まれます。攻めるべきは攻め、守るべきは守ることにより、日米双方にバランスのとれた協定になっていると考えています。
自動車・自動車部品については、今回の協定では、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃を明記いたしました。
具体的な関税撤廃期間については今後の交渉となりますが、自動車については、電動化、自動走行による大変革期にあり、さまざまな部品構成やその重要度も変わっていく可能性が高いことなども踏まえ、このような状況を見きわめながら、今後、最善の結果が得られるよう、協議を行っていく考えであります。
関税撤廃率とWTO協定との整合性についてお尋ねがありました。
今回の協定では、自動車及び自動車部品について、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃を明記いたしました。関税撤廃がなされることが前提となっている以上、関税撤廃率の換算に加えることに問題があるとは考えていません。
そして、このように新たに譲許される品目にWTO協定の枠組みのもとで無税とされているものを含めれば、二〇一八年の貿易額ベースで、関税撤廃率は、日本が約八四%、米国が九二%となり、本協定はWTO協定と整合的であると考えます。
本年九月の日米共同声明の第四パラグラフの趣旨についてお尋ねがありました。
本年九月の日米共同声明には、「協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らない。」との記載がありますが、国際約束たる条約はもとより誠実に履行されるべきものであり、御指摘のような誠実な履行でない場合が生じ得るかのような仮定の質問には、お答えすることは差し控えます。
また、「両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らない。」とは、日米両国の二国間協定を強力かつ安定的な、互恵的な形で拡大するなど、共同声明にも明記されている協定の目的に信義則上反する行動をとらないとの意味であると理解しています。
なお、この文言が、日本の自動車・自動車部品に対して米国通商拡大法二三二条に基づく追加関税を課さないことを意味するということについて、私から直接トランプ大統領に明確に確認したところであり、国益にかなう結果を得ることができたと考えております。
米国による追加関税や数量規制等についてのお尋ねがありました。
日本の自動車・自動車部品に対して米国通商拡大法二三二条に基づく追加関税が課されないことは、日米首脳会談において私から直接トランプ大統領に確認しています。少人数会合で、そして全体会合でも改めて確認したところです。
また、数量規制のような管理貿易的措置についても、米国としてこれらを求めない旨を茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で直接確認していると承知しており、御懸念は全く当たらないと考えています。
本年九月の日米共同声明にある今後の交渉についてお尋ねがありました。
今後の交渉については、どの分野を交渉するかについて、その対象をまず協議することとなっております。つまり、具体的な交渉内容は、前段階の協議次第である、あらかじめ確定的なものとなっていないことから、交渉を開始する意図との表現を用いたものです。
そのため、今後の交渉自体についても、どのような姿勢で臨むかも含め、現時点において予断を持って申し上げることは差し控えます。
いずれにせよ、我が国の国益に反するような合意を行うつもりはありません。
日米貿易交渉における経済効果の試算についてお尋ねがありました。
日米貿易協定では、自動車・自動車部品については、単なる交渉の継続ではなく、さらなる交渉による関税撤廃を明記しました。関税撤廃がなされることが前提となっている以上、最終的な経済効果について、これをもとに試算することが当然と考えます。
その上で、自動車及び同部品の関税を現状のままとした経済効果を試算することは、あくまで関税撤廃がなされることが前提となっている今回の交渉結果に反するものであり、具体的な撤廃時期などに係る今後の交渉にも悪影響を与えかねないことから、差し控えたいと思います。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇〕