安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 笠井議員にお答えをいたします。
 台風十五号及び十九号の被災者支援についてお尋ねがありました。
 台風第十五号による災害に対しては、予備費を活用して食料やブルーシート等のプッシュ型支援を実施したほか、住家の被害について、台風通過後の降雨による被害も加味して被害認定調査を行うこととしたところであります。また、災害救助法の制度を拡充して、一部損壊の住宅であっても、屋根等に日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅については支援の対象とするなど、被災地のニーズに応じて弾力的な対応を行ってきたところです。
 加えて、同台風による災害を激甚災害に指定したほか、農林水産業については、一日も早い経営再開に向けて総合的な農林漁業者への支援策を決定し、被災された中小・小規模事業者に対しても災害復旧貸付け等を実施しております。
 台風第十九号による災害に対しては、まずもって、各省横断の被災者生活再建チームを中心に、被災自治体に派遣した職員を通じて、自治体や避難所の個々のニーズを把握し、水、食料、段ボールベッド、暖房器具等のプッシュ型支援を実施するなど、避難所の生活環境の整備を図ったほか、順次、公営住宅等を提供するなど、被災者の生活支援を政府一丸となって進めているところです。
 また、同台風による災害についても、激甚災害に指定する方針であるほか、先日、予備費等を活用して、住まいの確保や、農林漁業者、中小・小規模事業者の事業再開支援など、被災者の生活となりわいの再建に向けた支援パッケージを早急に取りまとめるよう、私から指示を行いました。
 引き続き、国としてできることは全てやるとの方針のもと、被災地のニーズを把握し、政府一体となって諸対策を進めてまいります。
 日米貿易協定についてお尋ねがありました。
 本協定に係る米国側の評価について日本政府として述べる立場にはなく、また、トランプ大統領の一つ一つの発言について論評することは差し控えます。
 我が国について申し上げれば、今回の日米貿易協定により、幅広い工業品について、米国の関税削減、撤廃が実現します。また、日本の自動車・自動車部品に対して米国通商拡大法二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。
 農林水産物については、過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ、我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外いたしました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれます。
 そして、こうした交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は、昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受けとめ、特に、米については、米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知しており、我が国にとって、まさに国益にかなう結果が得られたものと考えております。
 日米貿易協定が農林水産業に与える影響の考慮についてお尋ねがありました。
 今回の協定による農林水産物の生産額への影響は、農林水産省の試算によると、約六百億円から約一千百億円とされているところです。
 また、米国が説明する七十二億ドルについては、今回の協定により、我が国が関税撤廃、削減等を行う農林水産物の、二〇一八年における貿易額の合計額に相当するものであると承知しています。
 農家の皆さんの不安にしっかり向き合い、万全の対策を講じていくため、年末に向けて、総合的なTPP等関連政策大綱を改正する考えです。新たな市場の開拓や生産基盤の強化などに取り組むことで、今回の協定を全国津々浦々、我が国経済のさらなる成長につなげてまいります。
 日米貿易協定等における政治姿勢についてお尋ねがありました。
 農林水産業こそ国の基であります。その基本的な考え方のもと、安倍内閣は、農林漁業者の皆さんの気持ちに寄り添いながら、交渉においては、攻めるべきは攻め、守るべきは守り、国益にかなう最善の道を追求してきました。
 そうした中、今回は、過去の協定で約束した内容が最大限であるとした昨年九月の日米共同声明に沿った結論を得たところであり、その点はJA全中の中家会長の談話でも評価いただいているものと承知しています。日米両国にとってバランスのとれた内容の協定となったと考えています。
 なお、トウモロコシの購入について、米国と約束や合意をしたとの事実はありません。
 今後の交渉に関するお尋ねがありました。
 今後の交渉については、どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしており、現時点において予断を持って申し上げることは差し控えます。
 いずれにせよ、日米双方で合意した内容のみが交渉の対象となるものであり、我が国として、我が国の国益に反するような合意を行う考えはありません。
 今後の交渉における米国側の要求についてお尋ねがありました。
 今回の共同声明においては、サービス貿易や投資等が例示されておりますが、今後、どの分野を交渉するのかについては、その対象をまず協議することとしております。そのため、現時点において、米国側の考え方も含め、予断を持って申し上げることは差し控えます。
 いずれにせよ、日米双方で合意した内容のみが交渉の対象となり得るものであり、我が国として、我が国の国益に反するような合意を行う考えはありません。
 日米デジタル貿易協定及び日米貿易協定についてお尋ねがありました。
 日米デジタル貿易協定は、TPPなどで定められているデジタル貿易に関するルールなど、この分野における国際的な議論の進展を踏まえた内容を盛り込んだものであり、米国側の一方的な要求によるものとの御指摘は全く当たりません。
 そのため、自由なデジタル貿易を促進しながらも、当然、個人情報の保護はその前提となっております。さまざまな例外規定のほか、規制機関や司法当局による一定の制限措置は認められており、中小企業の取引適正化、競争法上の規律は妨げられません。今後、いわゆるデジタルプラットフォーマーに対して必要な規制を行うことも、問題ないものと考えています。
 なお、今回の米国との協定では、デジタル貿易協定のほかは、投資やルールに関する内容は含まれておらず、我が国がこれまで締結してきた包括的なFTAとは異なるものであると認識しております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2019-10-24

院: 衆議院

会議名: 本会議