萩生田光一の発言 (本会議)
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○国務大臣(萩生田光一君) 村井議員にお答えします。
まず、学校の働き方改革の目指す方向性についてお尋ねがありました。
我が国の学校教育はこれまで大きな蓄積と高い成果を上げてきましたが、文部科学省が実施した教員勤務実態調査によれば、厳しい長時間勤務の実態が明らかになっています。
志ある教師が疲労や心理的負担を過度に蓄積して心身の健康を損ない、ついには過労死等に至ってしまうような事態は、決して起こしてはならないと考えています。
また、その勤務環境から、意欲と能力のある人材が教師を志さなくなり、我が国の教育水準が低下することは、子供たちにとっても我が国や社会にとってもあってはなりません。
その上で、教師のこれまでの働き方を見直し、教師が日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、みずからの人間性や創造性を高め、子供たちに対して更に効果的な教育活動を行うことができるようになることこそが学校における働き方改革の目的であり、そのことを常に原点としながら取組を進めてまいりたいと思います。
次に、指針の実効性と業務縮減に向けた取組のお尋ねがありました。
本年一月に策定した公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインは、あくまで指導助言として各教育委員会に対して通知しているものにすぎないため、その実効性を高める観点から、今回法律上の根拠を有する指針に格上げすることとしています。
その上で、本指針を参考にして各地方公共団体において教師の勤務時間の上限に関する方針等を作成し、条例や規則等で根拠づけていただくよう、文部科学省において条例モデル案を作成し、各地方公共団体にお示しの上、条例や規則等の規定を促し、その状況を積極的に発信することとしております。
また、業務縮減に向けた取組としては、予算、制度、学校現場での改善の総力戦を徹底して行い、その組合せで成果を出していくことが必要ですが、例えば、ICTの活用による負担軽減により年間約百二十時間、スクールサポートスタッフの配置や留守番電話の設置などにより年間約六十時間、中学校における部活動指導員等の外部人材の活用により年間約百六十時間などの在校時間の縮減が可能であると考えております。
実際に、本年一月のガイドラインを踏まえ、実務を大幅に縮減した学校も出ているところであり、条件整備や制度改正の検討にしっかり取り組むとともに、今回の指針化により、学校における働き方改革を全国の学校に着実に展開してまいります。
次に、休日のまとめどりのための一年単位の変形労働時間制のお尋ねでありますが、本年一月の中央教育審議会の答申においても、一年単位の変形労働時間制を導入することで、学期中は勤務が現在よりも更に長時間化しては本末転倒であることや、所定の勤務時間を現在より延長した日に授業時間や児童生徒の活動時間も現在より延長されるようなことがあってはならないと指摘されており、導入に当たっては、まずは業務の削減を前提とする必要があると考えています。
また、現在の学校の運営の状況を踏まえれば、夏休みにおける休日のまとめどりも五日間程度が限界であると考えられることから、際限のない勤務時間の上乗せはできません。
一年単位の変形労働時間制においてはさまざまな労働日や労働時間の定め方がありますが、公立学校の教師については、具体的に、改正法が成立した場合に新たに制定することとなる文部科学省令や指針において、指針における在校等時間の上限や部活動ガイドラインの休養日や活動時間の基準を遵守すること、画一的に導入するのではなく、育児や介護を行う者その他特別の配慮を要する者など個々の事情に応じて適用すること等を規定することで、一時間単位の勤務時間の積み上げによる休日のまとめどりという中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえた運用が各教育委員会や学校においてなされることが担保される制度とすることとしております。
次に、給特法の見直しに向けた所見のお尋ねでありますが、現在の給特法の仕組みは、教師はどこまでが業務であるのか切り分けがたいという教師の職務を踏まえたものであります。
一方、給特法制定から半世紀を経た今、保護者や地域の意識の変化の中、子供に関することは何でも学校や教師の仕事として業務が大きく積み上がっている状況です。また、働き方改革推進の観点から労働法制も大きく転換しており、給特法のあり方についても検討する必要があると考えておりますが、見直しに当たっては、確かなデータと国民的な議論が必要です。
そのため、今回の法改正を踏まえ、まずは教師でなければできないことに教師が集中できるよう、働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、三年後に教師の勤務実態状況調査を実施し、その結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について、給特法などの法制的な枠組みを含め検討を行う必要があると考えております。(拍手)
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