佐藤正久の発言 (外交防衛委員会)

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○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 私は、今般の日米協議の第一弾となります二つの協定には賛成の立場であります。また、TPP11、そして日EU・EPAを発効させ、その後、日米交渉を本格化させたその手法にも賛同いたします。
 配付資料の一を御覧いただきたいと思います。
 日米安保条約の第二条、締約国は、その国際経済政策における食い違いを除くことに努め、また、両国間の経済協力を推進するとあります。すなわち、TPPや今回の二つの協定は日米安保条約第二条の趣旨にも合致しております。また、日本が米国に復帰を求めるTPP、これはその生い立ちからオバマ大統領が提唱したリバランス政策とも不可分であり、資料一にありますように、リバランス政策は、アジア太平洋地域に覇権国家を誕生させないために、経済と軍事の両面から、自由で開かれた国際秩序、これを構築する総合的な関与政策と言えます。
 外務大臣、ただ、近年は、日米だけではなく、ロシアも中国も、ユーラシア経済連合あるいは一帯一路に見られるように、この面的な地域的経済連携の広がりを重視する傾向があります。この地域的経済連携が経済力が強い域内の一か国の外交目的達成に恣意的に利用されないようにするためには、域内に自由で開かれた通商秩序、そしてルールを確立することが大事であることは論をまたないと思います。その意味で、TPPは高い国際スタンダードを持った面的な経済連携と言えます。今議論されている二つの協定も、高い国際的なスタンダードを持った協定だと思います。今日は、TPPや日米貿易協定やデジタル協定の持つ戦略的な意義、地政学、地形学的な観点から議論をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 外務大臣、二重依存のジレンマという言葉を聞かれたことがあるでしょうか。例えば韓国。経済は中国、アメリカは安保と言われるように、これが時折ジレンマとなります。例えば、アメリカがTHAADミサイルを韓国に配置した際、中国は韓国向けの団体旅行、これを全部キャンセル、そしてまた、そのTHAADの配置場所がロッテのゴルフ場ということから、中国の中のロッテマート全ての営業を中止させました。さらに、文在寅大統領が就任してすぐ中国に飛んで、習近平国家主席との間で三つのノーと言われる、追加のTHAADミサイルは配備しない、アメリカが構築する弾道ミサイル防衛には入らない、日米韓の連携は同盟に発展させないという三つのノーを約束してきます。これが、半島国家と言われる韓国の地政学的な宿命と、経済が中国に依存しているという、まさに地形学、地政学的な観点からのジレンマというふうに言われてもいます。
 日本も、まさに中国に三万社の会社を持っていると言われるように、経済依存もあります。例えば、尖閣諸島が国有化された際、中国はレアアースの禁輸という経済的な報復を日本に課し、日本も洗礼を受けたところであります。外交目的を経済、貿易手段を用いて達成する地形学的な発想、経済外交は安保外交と連動する側面が近年強くなってきております。
 二〇一二年、日本にも大量のフィリピンのバナナが入ってきました。これは、南沙諸島、中沙諸島での、スカボロー礁、これにおける中国とフィリピンとの対立の結果として、中国が検疫を強化をしてフィリピンのバナナを一切入れないということから、三十万人を超えるフィリピンのバナナ関係者に影響が出た、結果として日本の方にいろいろ入ってきたと。
 また、キリバス、ソロモン諸島が台湾との断交ということになった背景には、経済力というものを使って行ったという目的のほかに、もう一つは、オーストラリア、ニュージーランドとアメリカの縦のシーレーン、これを分断するという、そういう側面もあったというふうに言われております。
 ベトナム、これは中国と南シナ海問題を抱えておりますけれども、TPPは米国との経済同盟だということも公言しております。
 外務大臣、日本がアメリカにTPP復帰を促す理由、これはいろいろあると思います。その一つに、リバランス政策や安倍総理のTPPに関する国会答弁にあるように、二十一世紀にふさわしい自由で開かれた通商秩序、これをアジア太平洋に構築をして、その中で二重依存に苦しむ新興国とのパートナーシップの強化を通じて新興国に安心感を与える、それが結果として地域の安定と繁栄に資することにつながるというふうに認識しております。また、これはこれまでの日本外交の基軸とも合致すると思いますが、外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 佐藤正久

speaker_id: 11254

日付: 2019-12-03

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会