下野六太の発言 (厚生労働委員会)
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○下野六太君 ありがとうございます。
ナッジ理論は、強制的に働きかけるパターナリズムと自主性に委ねるリバタリアニズムの融合であると認識しています。この理論を尊重するならば、厚生労働省の職員には運動をしなさいと大臣が命じるのでもなく、黙って自主的に活動するまで待つのも良くないということになるでしょうか。
そこで、先日、厚労省の二十代の青年職員五人に、毎日御自身が歩いた歩数をチェックしていますか、健康増進に向けた取組を実践していますかと伺ったところ、三人が実践をしていました。毎日どのくらいの歩数を歩いていますかと尋ねましたら、内勤のときは約五千歩、外勤のときは一万五千から二万歩ですと答えてくれました。外勤のときには非常に歩数が増えるということにちょっと驚きました。二十代の青年職員が健康について関心を持ち、生き生きと健康増進について取り組んでいる姿をうれしく思いました。しかし、これが三十代、四十代、五十代、六十代ではいかがでしょうか。厳しい結果が出てくるのではないでしょうか。
スウェーデンの十六歳の環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんの演説を聞いて、私は心を動かされました。僅か十六歳の少女が大国の政治家に二酸化炭素濃度を減らす取組を訴えていました。多くの日本人も、すばらしいね、いいねと思ったはずです。しかし、いいねと思うだけでいいでしょうか。彼女が求めているのは、いいねの数ではなく、実際の行動の変容ではないでしょうか。彼女の演説以来、車での行動を減らし、公共交通機関を使わせていただいています。グレタさんを始めとする若者たちから、大人はずるい、ひきょうだと思われないような生き方をすべきです。
残念なことに、中学校で三十年間勤めてきましたが、将来は政治家になりたいとの夢を持った子供は一人もいませんでした。せっかく厚生労働委員会に所属させていただいているのですから、まず自分から変わらねばならないと思い、健康増進について取り組んでみようと思いました。中にはお体が不自由なため運動を実践しにくい状況の方々もおられるかと思いますが、大切なことは、今の生活からできることをナッジ理論を活用し無理せずに実践をすること、それを継続をすることだと思います。
そこで、私は二つのことをやろうと思いました。一つは、毎日の歩数をカウント。スマホで簡単に歩数を計測できます。日によって違いますが、大体一万歩から一万五千歩です。そしてもう一つは、参議院会館の九階の事務所まで階段で上り下りをしてみました。大臣が十階と聞きましたので、ちょっと私の方が一階低いなと思いながら、負けているなと思っていましたが。ただやるだけでは面白くありませんし、長続きしませんから、地下一階から九階までの上り下りのタイムを記録してみました。十一月七日、上りタイム三分十五秒、初の挑戦のときは三分十五秒であったのに対し、毎日一回は計測をしてみましたら、十二日後の今日、二分一秒にまで縮めることができました。ちなみに、下りは一分三十秒程度で落ち着きました。最初はこんなことやりたくないと思っていましたが、最近は気合を入れずにできるようになりました。
取組を始めて十二日間のインセンティブは三つあります。一つ目、夜ぐっすり眠れるようになったことです。二つ目は、疲れにくくなってきたことです。三つ目は、体重が少し減り始めたことです。私たちの体は、何もしなければ必ず老化の方向へ向かって進んでいきますが、少しずつでも鍛えることによって何歳からでも機能は向上すると思います。運動を実践しない方がその理由に忙しいからを挙げられますが、エレベーターは上りも下りもほぼ同じ三十五秒間でした。途中止まらなかった場合ですね。人力の場合、下りはエレベーターよりも一分長いだけです。上りも、途中でどこかの階で停止すればほぼ同じか、人力の方が早いこともあります。
二〇一二年にスウェーデンのカロリンスカ研究所によって、一日二十分程度の中強度の運動を二か月続けることで、中強度の運動というのはやっと話ができるくらいだそうです、続けることで長寿遺伝子のスイッチが入るというふうに認識をしていますが、この研究について厚労省としても是非調査をしていただき、長寿遺伝子のスイッチを運動によって入れることができるのであれば、広く国民に周知していただきたいと思います。
健康寿命の延伸プランはよくできていると思いますが、健康は毎日の生活習慣の積み重ねによって形成されるという視点が欠けているのではないでしょうか。成人病のことを生活習慣病と言うようになって久しいですが、毎日の良くない生活習慣が病気を引き起こすのとは逆に、毎日の良い生活習慣は健康というインセンティブを手にすることができるのではないでしょうか。
来春から社会人になった人は、この延伸プランに従うと、毎日何をどのくらいすればいいのでしょうか。それはこのプランからは見えてきません。プランには、社会人になった十八歳、二十二歳の年代から何をどのように取り組めばよいのかを示すべきだと考えています。
私は、皇居の周りをランニングしようと言っているのではありませんし、ジムに通って泳いだりトレーニングしたりしようと言っているのでもありません。多忙な現代社会を生きる私たちが今日からでも毎日できることを無理せずに継続させることが大切ではないかと考えます。
そこで提案ですが、仕事帰りに五分の早歩き、速歩を推進してはいかがでしょうか。五分間の速歩で、血圧の改善、足のむくみと肩凝りの解消、夜ぐっすり眠ることができるようになるため、成長ホルモンが分泌され、認知症に関わる老廃物を脳から除去してくれるそうです。仕事帰りの速歩が寝たきりの予防にもつながるのではないでしょうか。
健康寿命延伸に向けた取組は、厚生労働大臣を中心に全ての省庁、全国会議員で取り組まねばならない課題だと思いますが、大臣の所見をお願いします。