安東章の発言 (法務委員会)
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○最高裁判所長官代理者(安東章君) 委員から御指摘いただきました福岡地方裁判所久留米支部の平成三十一年の三月十二日の判決、これの判決書の五ページ五行目から六ページ七行目までの理由の部分を読み上げます。
Xは、①二月四日午後十一時頃から本件飲み会に参加したところ、同月五日午前四時十五分頃までの数時間の間に、ショットグラスに入ったテキーラ(なお、関係証拠によればアルコール度数は四〇%程度と認められる)の一気飲みを数回させられるなど、多量のアルコールを短時間のうちに摂取していたこと、②同日午前四時十五分頃までに、カウンター席で眠り込み、眠ったまま嘔吐しても目を覚まさないような状態であったこと、③嘔吐後、店内にいた他の者に運ばれてソファーフロアに移動させられたところ、周囲の問いかけには応じるものの、再び眠るような状態であったこと、④同日午前四時二十二分頃までに、ソファーの上で、スカートがまくれ上がり、はいていたストッキングやパンツが見える状態で眠り込んでいた上、その様子を写真撮影されても気付かなかったこと、⑤同日午前五時四十一分頃までに、ソファーの上で、スカートの下にストッキングやパンツをはかずに横になり、添い寝する被告人から抱き付かれ、スカートの内側に手を入れて体を触られていた上、その様子を写真撮影されても気付かなかったこと、⑥その後、被告人から陰茎を挿入されたこと、⑦本件飲食店を退店した後、本件サークルのLINEグループから退会したり、産婦人科医院を受診して避妊のための薬(アフターピル)の処方を受け、これを服用したりしたことなどが認められる。
以上によれば、Xは嘔吐した時点で飲酒酩酊のため眠り込んだ状態であったと考えられるところ、ソファーフロアに移動した後も、周囲からの問いかけに応じるものの、再び眠り込み、無防備な状態で横になっていたなどしていたものであるから、状況を認識して思うように体を動かすことができる状態ではなかったと言える。そして、Xが本件性交後、本件サークルのLINEグループから退会し、避妊のための薬を服用するなどしていたことからすると、Xが少なくとも本件のような状況で性交することを許容していたとは考えられないから、本件性交時においても依然として状況を認識して思うように体を動かすことができる状態にはなかったというべきである。したがって、Xは、本件性交時、被告人に対して抵抗することが著しく困難であり、抗拒不能の状態にあったと認められる。
以上でございます。