安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大塚耕平議員から数多くの御質問をいただきましたが、答弁漏れのないように丁寧にお答えをさせていただきたいと思います。
台風第十五号等の被害状況及び復旧復興対策についてお尋ねがありました。
八月下旬の九州北部地方を中心とする大雨では、多くの浸水被害が発生したほか、断水等のライフラインへの被害、鉄道の運休等の交通障害などが生じました。加えて、浸水により佐賀県大町町の鉄工所から流出した油が家屋や農地に流入しました。
また、台風第十五号の記録的な暴風により、関東地方を中心に大規模な停電が発生するとともに、停電に伴う断水や携帯電話の通信障害が発生しました。この台風により、昨日までに、二百棟を超える全壊、三万棟を超える一部破損等の住家被害が報告されています。
政府においては、被災自治体に対する普通交付税の繰上げ交付を実施したほか、台風第十五号を含む八月から九月の前線等に伴う大雨による災害を激甚災害に指定することとしました。
台風第十五号による災害においては、災害救助法の制度を拡充し、恒久的制度とし、一部損壊の住宅のうち、屋根等に日常生活に支障を来す程度の被害が生じた住宅については支援の対象とすることとしました。
また、農林水産業については、一日も早い経営再開に向けて総合的な農林漁業者への支援策を決定したほか、被災された中小・小規模事業者に対する災害復旧貸付け等を実施しております。
なお、復旧復興対策においては、必要に応じて予備費も活用しながら対応に万全を期してまいります。
自治体の災害対応力の強化等についてお尋ねがありました。
大規模な災害が全国各地で毎年のように発生している今日、自治体の災害対応力の強化充実を図っていくことは重要な課題であると認識しております。
各地方自治体とも地域防災計画等に基づき、関係機関、団体等との災害時における応援協定の締結を進めるなど、災害対応の準備を進めていると認識しておりますが、台風等への対応を数多く経験している自治体とそうでない自治体との間では、実践経験の差に基づく練度の違いもあり得るものと認識しています。
政府としては、これまでも自治体との共同訓練の実施、市町村向けの災害対応の手引の作成等を行うとともに、発災時には専門的な知識を有する職員を自治体に派遣するなど必要な支援を行ってきましたが、今後も各自治体の災害対応力の強化に向けた取組を行ってまいります。
無電柱化の費用については、無電柱化の推進に関する法律の附則により、政府が、国、地方公共団体及び関係事業者の負担を軽減するための方策を検討することとされています。現在、工法や材料について新しい技術を導入し無電柱化の費用縮減を図っており、今後も必要な取組を行ってまいります。
我が国の経済成長と産業政策についてお尋ねがありました。
名目ではなく実質でとの御質問ですが、民主党政権においては、実質GDPの伸びが年平均一・六%に対して名目GDPは年平均〇・三%しか伸びておらず、その差は物価が下がったことによるものです。
民主党政権下では、二〇〇九年以降、デフレが進行していました。殊更に実質成長のみを持ち出すのは、デフレを自慢するようなものであります。これに対し、現政権下では、デフレではないという状況をつくり出す中、物価、名目GDP、実質GDPのいずれもが上昇しています。
また、実質賃金については、アベノミクスによる雇用拡大で女性や高齢者などが新たに雇用された場合は平均賃金の伸びも抑制され、さらに、デフレではない状況をつくり出す中で物価が上昇すれば一層抑えられるという特徴があります。このような中で、雇用が大幅に増加し、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続くなど、雇用・所得環境は着実に改善しています。
日本の技術革新等については、現時点において日本の技術革新等が世界の時流に遅れているのかどうか、一概に述べることは困難ですが、世界で変化のスピードが増す中、日本企業も構造改革を進め、新たな技術革新等に取り組んでいかなければならないことは事実です。
こうした中、安倍政権では、これまでもコーポレートガバナンス改革を推進し、内部統制の仕組みを順次強化してきたところです。
さらに、時代遅れとなった規制を変えていくことも重要です。安倍政権は、これまでに電力、医療、農業といった岩盤規制を大胆に改革してまいりました。今後も、日本経済の持続的な成長に向けた規制改革を一層推進してまいります。
年金の財政検証についてお尋ねがありました。
財政検証における経済の前提に関しては、経済、金融の専門家で構成される専門委員会における検討を経て、長期的には経済成長が賃金上昇に結び付くという考え方の下で設定した前提を用いており、客観的で公正なものと考えています。
金融政策についてお尋ねがありました。
政府と日本銀行の間では常に緊密な連携を図っており、私と黒田総裁も、これまでも機会を捉えて経済金融情勢についての意見交換を行っているところですが、金融政策の具体的な手法やアプローチについては日本銀行に委ねられるべきと考えています。
なお、金融政策を含むマクロ経済政策が実体経済において目指すものは、雇用が拡大し、国民生活が向上していくことであり、そうした点においては、これまでの取組の結果、確実に成果が出ています。引き続き、緊密に連携しながら、あらゆる政策を総動員してデフレ脱却、そして力強い成長を目指してまいります。
金融緩和の弊害についてお尋ねがありました。
御指摘の逸失金利収入については、例えば、黒田総裁が過去に、機械的な試算として一九九三年から二〇一四年までの間で累計で約四百六兆円になる旨とともに、利子の受取あるいは利子の支払といった部分だけを見て議論するのは必ずしも適切ではなく、経済全体を見て議論するのが適切である旨、併せて説明していると承知しております。
また、金融政策運営に当たっては、政策のベネフィットとコストをしっかり比較考量をした上で適切な措置を考えていく旨説明されており、私は黒田総裁の手腕を信頼しております。
地域銀行の再編についてお尋ねがありました。
地域銀行の経営統合は、あくまでも各行の経営判断に基づく一つの選択肢でありますが、人口減少等に直面する中で経営体力を強化し、地域における金融の基盤的サービスを維持向上させる効果が期待されます。
政府としては、本年六月に策定した成長戦略実行計画に沿って、地域銀行の経営統合を一定の要件の下で独占禁止法の適用除外とする特例法案を来年の通常国会に提出する予定であり、鋭意準備を進めてまいります。
事業承継時の個人保証の二重取り、間接金融の限界と弊害についてお尋ねがありました。
金融機関が融資先企業の代表者交代に際して、先代経営者と後継者の双方から二重に個人保証を取るいわゆる二重取りについては、五年前に経営者保証に関するガイドラインの運用を開始して以降、低金利が続く状況下においても徐々に減少してきております。他方、昨年度時点でいまだ二割弱が二重取りとなっており、事業承継の阻害要因の一つとなっているとも指摘されています。
このため、先般取りまとめた個人保証脱却政策パッケージでは、先代経営者と後継者からの個人保証の二重取りを原則禁止することを盛り込んだ経営者保証に関するガイドラインの特則を年内を目途に策定してまいります。
この六年間、アベノミクスの下で金融機関の貸出残高は増大しました。攻めの投資によって企業収益も着実に改善しています。とりわけ中小企業については、倒産が三割減少し、今世紀に入って最高水準の賃上げが六年連続で実現いたしましたが、こうした中小・小規模事業者の成長を支えているのも間接金融であります。そうした意味で、直接金融との比較において、現時点で何らかの限界や弊害を感じているということはありません。
消費税率引上げの影響と景気対策についてお尋ねがありました。
今回の消費税率引上げに当たっては、教育の無償化や軽減税率に加え、思い切ったポイント還元、そしてプレミアム付き商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税など、十二分な対策を講じています。こうした取組もあり、現時点で把握できる限りにおいて、全体として二〇一四年のような大きな駆け込み需要は見られていません。
補正予算の編成について、現段階において具体的に想定しているものではありませんが、世界経済の先行きをしっかりと注視し、下振れリスクが顕在化する場合には、ちゅうちょすることなく機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものとしてまいります。
インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度については、その円滑な導入を図る観点から、導入まで四年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に六年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めるなど、事業者の準備や設備導入のための十分な期間を設けているところです。今後とも、周知、広報を始めとして、必要な取組を進めてまいります。
今年度の消費税増収の見込額とその使途についてお尋ねがありました。
今年度の消費税率の引上げによる増収分は、国、地方合計で一・四兆円と見込まれます。この増収分は全て社会保障の財源に充てられますが、教育無償化や低年金者への給付等の新たな施策でしっかりと国民の皆様に還元してまいります。
社会保障と税の一体改革についてお尋ねがありました。
社会保障と税の一体改革は、その進捗を定量的にお示しすることは困難ですが、三党合意を経て成立した各般の法律の枠組みに沿って、社会保障の充実、安定化と同時に、重点化、効率化を進めるなど着実に実施してきています。
その上で、子供からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障制度を構築するための安定財源として消費税率の引上げを実施したところです。その税収を活用して、十月一日から、三歳から五歳まで全ての子供たちの幼児教育、保育の無償化をしました。来年四月からは、真に必要な子供たちの高等教育を無償化します。
こうした改革については、少子高齢化が進展する中で、財源を確保しながら社会保障制度を改革するという三党合意の際に与党間で共有された大きな考え方と共通しているものと考えています。
さらに、今後、年金、医療、介護、労働など、社会保障全般にわたる人生百年時代を見据えた改革を果断に進めてまいります。
幼児教育類似施設についてお尋ねがありました。
いわゆる幼児教育類似施設については、法令上の定めや基準はなく、多種多様なものが存在していますが、これらの施設の中には、地域や保護者のニーズに応えて重要な役割を果たしているものがあると承知しています。
いずれにしても、政府としては、法施行後五年を目途として行われる検討に際しては、国会の附帯決議を踏まえて検討してまいります。
特定技能制度の運用状況についてお尋ねがありました。
本年十月時点の速報値として、特定技能の許可を受けた外国人は四百四十三人にとどまっております。この背景には、特定技能試験実施分野が介護、宿泊及び外食業の三分野にとどまり、また、試験実施国も我が国のほかフィリピン及びカンボジアの二か国にとどまっていること、制度の浸透が必ずしも十分ではないことがあるものと認識しております。
今月以降、新たに三つの分野での試験を実施し、実施国もインドネシア、ネパール及びモンゴルに拡大する予定であり、許可件数は今後更に増加するものと考えております。
中小・小規模事業者を始めとした人手不足は深刻であり、即戦力となる外国人を受け入れるため、政府として、実施試験の更なる拡大や制度のきめ細やかな周知等に努め、特定技能制度をしっかりと運用してまいります。
在留外国人の増加による社会保険財政への影響についてお尋ねがありました。
外国人に対する我が国の社会保障制度の取扱いについては日本人に準じて対応してきたところであり、原則として在留外国人の加入者数及び全体に占める割合は把握していません。
なお、国民健康保険における外国人被保険者数については、適用要件の確認の観点からその数を把握しており、平成三十年四月一日現在で約九十九万人、被保険者の三・四%です。また、今後どのような年齢層の方がどれくらいの期間在留するのか等が不透明なことから、社会保険財政に対する今後の影響をお示しすることは困難です。
いずれにしても、在留外国人の方も含めて、誰もが社会保障を安心して利用できるよう努めてまいります。
健康保険の国内居住要件についてお尋ねがありました。
国内居住要件は、国内での保険給付が原則という制度の基本的な考え方や適正な認定事務を確保する観点から設けたものであり、原則日本人の被扶養者であっても対象となります。ただし、海外赴任に同行する家族や留学生など、日本国内に生活の基礎があると認められる方については、例外として引き続き健康保険に加入できる取扱いとしているところです。
外国人の増加による社会保障制度への影響等についてお尋ねがありました。
今後、どのような年齢の方がどれぐらいの期間在留するのか等が不明なことから、社会保障制度への今後の影響を定量的にお示しすることは困難ですが、外国人の医療問題など、制度創設時には必ずしも想定されていなかった制度の適用やサービスへのアクセス等の課題に対しては、これまでも順次必要な対策を講じてきたところであります。
不就学の外国人の子供への対応についてお尋ねがありました。
我が国における外国人の子供の就学状況に関し、本年、初めて全国調査を実施した結果、約二万人の外国人の子供について不就学の可能性があることが判明しました。
政府としては、こうした実態も踏まえつつ、多言語による就学案内の徹底、地方公共団体とNPOとの連携による取組への支援など、地方公共団体や関係機関と連携して外国人の子供の就学促進を図ってまいります。
地域医療構想についてお尋ねがありました。
地域医療構想の実現に向け、今般、公立・公的医療機関等について、急性期機能をどの程度果たしているかとの観点から、診療実績の分析結果について、それぞれの医療機関から医療機能の在り方を考える際の材料としてお示しをしたところであります。
今後、それぞれの地域の医療関係者等の会議において分析結果を参考に議論いただき、ダウンサイジングや機能分化等を含む再編統合を伴わない場合は来年三月、伴う場合は来年九月までに対応方針を見直していただくこととしております。
日米貿易協定についてお尋ねがありました。
本協定に係る米国側の評価について日本政府として述べる立場にはなく、また、トランプ大統領の一つ一つの発言について論評することは差し控えます。
我が国について申し上げれば、今回の日米貿易協定により、幅広い工業品について米国の関税削減、撤廃が実現します。また、日本の自動車、自動車部品に対して、二三二条に基づく追加関税は課されないことを直接トランプ大統領から確認しました。
農林水産物については、過去の経済連携協定で約束したものが最大限であるとした昨年九月の共同声明に沿った結論が得られました。とりわけ、我が国にとって大切な米について、関税削減の対象から完全に除外いたしました。さらには、米国への牛肉輸出に係る低関税枠が大きく拡大するなど、新しいチャンスも生まれています。
そして、こうした交渉結果については、我が国の自動車工業会から、自動車分野における日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されるものであるとの評価が既に発表されており、また、JA全中からも、中家会長の談話として、合意内容は昨年九月の日米共同声明の内容を踏まえた結論と受け止め、特に米については米国への関税割当て枠の設置が見送られることとなり、生産現場は安心できるものと考えているとの評価が発表されたものと承知しております。我が国にとって、まさに国益にかなう結果が得られたものと考えています。
日米貿易協定に係る今後の交渉についてお尋ねがありました。
今回の共同声明では、今後どの分野を交渉するのか、その対象をまず協議することとしており、その後に協定を結ぶか否かも含め、予断を持って申し上げることは差し控えます。いずれにせよ、我が国の国益に反するような合意を行うことはありません。
米中貿易摩擦についてお尋ねがありました。
米国と中国は世界第一位と第二位の経済大国であり、米中間で安定的な経済関係が構築されることは、日本のみならず世界全体の持続的な経済成長に直結します。十月から行われる予定の米中間の閣僚協議が建設的に進展することを期待しつつ、引き続き、日本経済への影響について十分目配りし、経済運営に万全を期していく考えであります。
米中貿易摩擦を受けた我が国の対応についてお尋ねがありました。
我が国の情報システムに、情報の窃取、破壊、情報システムの停止等、悪意のある機能が組み込まれるおそれのある機器が使用される等のサプライチェーンリスクに対応することは、サイバーセキュリティーを確保する上で重要な取組であると考えます。
そこで、政府では、このようなサプライチェーンリスク対策を強化するため、昨年七月に閣議決定したサイバーセキュリティ戦略において対策の重要性を盛り込むとともに、具体的なサプライチェーンリスク対策として、各府省庁において特に防護すべきシステムとその調達手続を定め、本年四月一日に運用を開始しました。
この取組は、特定の企業や機器、あるいは特定の国を排除することを目的としたものではなく、また、米国からの要請に基づくものでもありません。
また、5G通信については、デファクトを含む標準化作業が進められており、特定企業を排除するものではありませんが、関係各国と連携しつつ、我が国が不利益を被らないように取り組んでまいります。
続いて、外国資本に関するお尋ねについてお答えをいたします。
統計上、国別比較が可能な二〇一四年末から二〇一八年末までの四年間でお答えをしますと、海外からの直接投資残高の増加額が約七兆円であるのに対し、中国からの増加額は約二千五百億円となっています。
現在の外為法では、投資自由の大原則の下、国の安全等の観点から、一定の対内直接投資については事前届出を求めています。こうした対内直接投資審査制度について、経済の健全な発展につながる対内直接投資を一層促進するとともに、欧米諸国での対応強化の流れを踏まえ、国の安全等を損なうおそれがある投資により適切に対応できるよう、制度の見直しを行ってまいります。
スマートフォンを活用したキャッシュレス決済についてお尋ねがありました。
海外で急速にキャッシュレス決済が普及する中で、日本を訪れる外国人観光客の七割がキャッシュレスがあればもっとお金を使ったと回答しています。いわゆるスマホ決済の普及は、インバウンド消費の拡大を通じて、全国各地の商店街を始め中小・小規模事業者の皆さんに新しいチャンスとなるものです。
他方、これまで、事業者にとっては端末導入費用や手数料の負担が大きく、いわゆるスマホ決済の導入は必ずしも十分には進んでこなかった面があります。今回のポイント還元事業では、こうした中小・小規模事業者の負担を大きく軽減することによって、いわゆるスマホ決済を含めたキャッシュレス化を進めていく考えです。
スマホ決済に付随した個人信用評価サービスについて、現在ではまだ我が国で目立った事例はないと承知しておりますが、いずれにせよ、個人情報保護法など関係法令にのっとってプライバシーを含めた利用者の安心が確保されなければならないと考えています。
クラウドサービスについてお尋ねがありました。
中国など特定の国の情報インフラについて、そのメリットやリスクを一概に論じることは困難ですが、一般的に、クラウドサービスは各企業にとって、各種システムの導入が容易となり、大幅なコスト削減を可能とするといったメリットがある一方、情報に係る機密保持やサービスの継続性確保といった面で一定のリスクがあります。
本年八月、アマゾン社が提供するクラウドサービスにおいて、冷却装置の不具合により障害が発生し、電子商取引や決済など、多数の企業のシステムが影響を受けたと承知しております。
クラウドサービスの安全性は、ユーザー企業のビジネスに直結する一方、とりわけ中小・小規模事業者にとっては、こうした技術面での評価を自社だけで行うことは困難であり、政府として、安全性評価についての支援を行うことが必要であると考えています。
また、政府としても、今後、クラウドサービスの積極的な活用を進めていく考えであることから、現在、関係部局が協力して、クラウドサービスの安全性評価制度の創設に向けて準備を進めております。その上で、この評価結果については民間企業にも利用可能とすることで、セキュリティーがしっかりと確保されたサービスの利用を促進してまいります。
関西電力の問題を踏まえ、我が国企業のコンプライアンスやガバナンスの在り方についてお尋ねがありました。
電気事業者たる者は、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるべきであることは当然であります。
今般の事案の発生を受け、まずは第三者の目を入れて徹底的に全容を解明し、その上で、経営問題も含め再発防止等の措置を講じることで、利用者の信頼回復に努めることが必要であると考えます。
また、電気事業者に限らず、コンプライアンスや適切なガバナンスが重要であることは論をまちません。安倍内閣ではこれまでも独立社外取締役の導入、経営方針や取締役の指名、報酬を決定する際の方針の開示など、国際スタンダードに沿った形でコーポレートガバナンス改革を推進してきましたが、引き続きその強化に取り組むことで、企業、産業、経済の健全な発展へとつなげていきます。
豚コレラ対策についてお尋ねがありました。
平成三十年における豚肉の輸出量は六百六十一トンであり、国内生産量に占める割合は〇・〇七%となっています。
豚コレラ対策については、昨年九月の発生以降、衛生管理の徹底、早期出荷促進対策、防護柵の設置支援、経口ワクチンの散布等の野生イノシシ対策など、時宜を捉えて適切な対策を講じてきたと考えています。
一方で、発生から一年が経過し、埼玉県や長野県において新たに発生が確認されるなど、豚コレラの状況が新たな局面に入ったと確認しています。このため、予防ワクチンの接種に向けた準備が必要であると総合的に判断したものであり、政治的圧力があったとの指摘は、これは全く当たりません。
豚コレラに対する予防的ワクチンの接種及びアフリカ豚コレラ対策についてお尋ねがありました。
家畜の伝染性疾病の予防や蔓延防止は、国と都道府県が適切に役割分担をし、連携して実施していくことが重要です。このため、家畜伝染病予防法において、我が国が国際基準や最新の科学的知見を踏まえて全体的な指針を示し、都道府県が国の指針に従い、現場の実態に即して各般の措置を講じることが基本原則となっています。
こうしたことから、豚コレラに対する予防的ワクチン接種についても、国が接種に関する防疫指針を定めるとともに、ワクチン接種の推奨地域を設定し、都道府県はこの指針に基づき具体的な接種プログラムを定め、国の確認を受けた上で接種を行うこととしています。特に、今回の予防的ワクチンについては、地域内の全ての豚に義務的に接種を行うことから、地域の実情に通じた都道府県が主体となって関係者間の調整を行い、ワクチン接種に取り組んでいくことが円滑な予防措置につながるものと考えております。
いずれにせよ、豚コレラ対策については、都道府県と強力に連携し、一刻も早い終結に向け、あらゆる対策を総動員していきます。
また、アフリカ豚コレラについては、水際における防疫対策を強化するため、関係省庁一体となって対策を講じているところです。その一環として、家畜防疫検査官の大幅増員や検疫探知犬を三年間で倍増するなど、継続的に検査体制の強化を図っているところです。
また、違法な持込みに対しては、違反者のデータベース管理や、家畜伝染病予防法又は関税法に基づき告発や検挙を行うなど、持込禁止肉製品を所持する者が入国しないよう、対応を厳格化しているところです。
こうした体制整備や法令の運用厳格化により、水際での防止策が確保できているものと考えていますが、今後も、アフリカ豚コレラに対しては最高レベルの警戒体制をしき、万全の対応を取ってまいります。
日韓GSOMIAについてお尋ねがありました。
十月二日の北朝鮮によるミサイル発射事案に関し、国会の場において韓国国防部長官が日韓GSOMIAに基づく情報共有を日本に要請したと発言したことは承知していますが、個別の事案における情報共有の具体的な対応を我が国より明らかにすることは差し控えたいと思います。
また、日韓GSOMIAに関する今後の見通しについて予断を持ってお答えすることは差し控えますが、政府としては、日韓、日米韓の適切な連携の観点から、韓国側に賢明な対応を強く求めているところです。
いずれにせよ、我が国に飛来する弾道ミサイルへの対処を含め、我が国の防衛や緊急事態への対処に直接必要となるような情報については、我が国独自の情報収集に加えて、同盟国である米国との情報協力により、万全の態勢を取っており、日韓GSOMIAの終了によって我が国の防衛に直接的な支障が生じるものではないと考えています。
水産庁取締り船の衝突事案についてお尋ねがありました。
水産庁取締り船「おおくに」が発見した北朝鮮籍と見られる漁船は、イカ釣り漁業の装備を搭載して我が国排他的経済水域に侵入していましたが、漁具を海中に投入するなど漁獲を行っている状態ではなかったことは、「おおくに」に乗船していた漁業監督官により確認されています。
衝突により当該漁船が沈没したため、人命救助を優先し、「おおくに」の救命艇や救命胴衣を投下して救助活動に当たり、六十名の乗組員全員を救助しました。その後、これらの乗組員は、救助に来た別の北朝鮮籍と見られる漁船に「おおくに」が投下した救命艇から移乗したものです。
いずれにせよ、今回の事案は、違法操業は確認されておらず、また、公海上であったことから、身柄の拘束といった強制力の行使はしておりません。
なお、本事案の調査のため、「おおくに」は昨日、新潟港へ入港し、海上保安庁が船長等から事情を聴取しているところであり、既に公表した画像以外の映像等の公開については、今後の捜査への影響も踏まえ、捜査当局において適切に判断するものと考えております。
日ロ平和条約交渉に関してお尋ねがありました。
交渉内容に関わることは、ロシアとの交渉に悪影響を与えないためにも、ここで述べることは差し控えます。
北方領土は我が国が主権を有する島々です。この立場に変わりはありません。その上で、交渉がうまくいくかは静かに交渉できるかに懸かっています。表現は異なりますが、北方領土が置かれた状況についての法的評価に変わりはありません。
米国が主導する海洋安全保障イニシアチブ及びイラン問題への対応についてお尋ねがありました。
米国が主導する海洋安全保障イニシアチブについては、米国と様々なやり取りを行っていますが、外交上のやり取りであり、これ以上の詳細は差し控えます。
いずれにせよ、中東における我が国関係船舶の航行の安全を確保するためにどのような対応が効果的かについては、原油の安全供給確保、米国との関係、イランとの関係といった点も踏まえつつ、様々な角度から検討を行い、総合的な判断を行ってまいります。
我が国の原油輸入の約八割が通過するホルムズ海峡における航行の安全を確保することは、我が国のエネルギー安全保障上、死活的に重要であります。ホルムズ海峡付近では、六月の我が国関係船舶への攻撃事案も含め、航行の安全に影響を及ぼすような事案が複数発生しており、先般のサウジアラビアの石油施設への攻撃などにより中東情勢が深刻の度を増していることを強く懸念しています。
私は、六月のイラン訪問に引き続き、先般の国連総会でローハニ大統領、トランプ大統領とそれぞれ会談しました。今後も関係国と緊密に連携しつつ、地域の緊張緩和のため、粘り強い外交努力を継続してまいります。
香港情勢についてお尋ねがありました。
昨今、香港において、デモ隊と警察等の衝突により多数の負傷者が出ていることを大変憂慮しています。自制と平和的な話合いを通じた解決を関係者に求めるとともに、事態が早期に収拾され、香港の安定が保たれることを強く期待します。
先般の日中首脳会談においても、私から、引き続き、一国二制度の下、自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘したところです。引き続き、高い関心を持って情勢を注視していく考えです。(拍手)
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