畑野君枝の発言 (科学技術・イノベーション推進特別委員会)

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○畑野委員 私は、日本共産党を代表して、科学技術基本法等の一部改正案に反対の討論を行います。
 本法案は、現行法の科学技術の振興と並べてイノベーション創出の振興を目的に書き込み、科学技術政策の柱に据えています。これは、基本法の性格をより産業に直結した成果を追求するものに根本的に変えようというものです。
 現行基本法は、第十条で、「多様な研究開発の均衡のとれた推進に必要な施策を講ずる」としています。
 ところが、政府は、この二十五年間、目先の経済的利益につながる研究に集中投資するための選択と集中政策で競争的資金の割合をふやす一方、公的研究機関の研究開発費を減らしてきました。その結果、研究力の低下と言われる深刻な事態を招いているのです。
 二〇〇一年に科学技術政策を内閣府が所管するようになり、第四期科学技術基本計画で科学技術とイノベーション政策の一体的展開が打ち出されてきました。
 今回の改正によって、科学技術を政府の経済政策の道具として活用しようという傾向はますます強まっていくことは明らかです。
 法案が、大学等に振興方針に沿って活動する責務を課すことも問題です。安倍政権は、大学などに、企業からの投資を二〇二五年までに三倍増にする目標を押しつけています。こうした目標の達成が責務とされれば、大学は、企業からの投資をふやすため、企業が望む研究課題を優先せざるを得ず、すぐに成果の出ない基礎研究は後景に押しやられかねません。ましてや、軍事研究への動員などあってはなりません。
 法案は、振興の対象に人文・社会科学を加えますが、イノベーション創出の振興が重視されるもとでは、現在の人間と社会のあり方を相対化し批判的に省察するという人文・社会科学の独自の役割が軽視されかねません。
 内閣府に設置される科学技術・イノベーション推進事務局は、CSTIと統合イノベーション戦略推進会議の事務局を兼ねることになります。事務局を一体化することで、これまで以上に、安倍政権の成長戦略、イノベーション政策に合わせ、トップダウンで科学技術政策を進めようとするものにほかなりません。
 研究力の低下が叫ばれる今、必要なことは、大学や公的研究機関の基盤的経費を抜本的に増額し、学術全体への振興を強めることです。それなしには、新たな知識を生かした文化的、経済的、社会的、公共的な価値の創出を望むことはできないということを強調し、討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 畑野君枝

speaker_id: 11663

日付: 2020-06-01

院: 衆議院

会議名: 科学技術・イノベーション推進特別委員会