荒井聰の発言 (国土交通委員会)

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○荒井委員 荒井です。
 きょうは、また大臣と議論をできるのを楽しみにしておりました。
 冒頭、これは通告はしていないんですけれども、今度の第二次補正予算で十兆円の予備費という、こんな、今まで聞いたこともないし、本来あり得ないことじゃないでしょうかね。予備費というのは国会の議決を経ないで執行するということですから、これはある意味ではナチスの全権委任法と匹敵するような法律ですよ。
 これは、野党の問題ではなくて、僕は与党の問題だと思いますよ。与党はこれでいいんですか。十兆円の予備費を無責任に全部政府に委任してしまうという、そういう制度ですよ。
 私は、このことに関して与党から何の話も出てこないというのは、一体どうなっているんだろうというふうに思います。もちろん、野党としては、こういう仕組みについては重大な抗議をしようと思っていますけれども。
 さて、きょうは、大臣と議論しますので、大事な話から少しします。きょうは航空局との議論ですので、横田空域です。
 この横田空域について、これが日本の航空行政について、あるいはさまざまな点で障害になっているというのはいろいろな人が指摘をしていて、その都度、日本の大きな政治家では石原慎太郎さんが東京都知事のときにこの点について議論したんですけれども、結果的にはままなりませんでしたというふうに理解をしています。
 ところが、きょうは若い人もいますので、ぜひ読んでいただきたいんですけれども、この「僕は沖縄を取り戻したい」という千葉一夫さんのことを書いたノンフィクションです。これは宮川徹志さんというNHKのディレクターが書いた本です。ぜひ読んでもらいたいんですけれども、この千葉一夫さんというのは、沖縄返還交渉のときの北米一課長です。彼がいなければ沖縄返還交渉はできなかったろうというふうに言われているんです。
 私は今から三十年以上前にスリランカというところの大使館の書記官をしていましたけれども、そのときの大使が千葉一夫さんでした。本当は千葉一夫さんというのは外務省の事務次官になるだろうと言われていた人なんですけれども、いろいろな都合で、最後は、本省では中近東アフリカ局長、最後のポストは英国の大使だったんです。
 その千葉一夫さんがアメリカとの交渉を通じてずっと言い続けていたのは、アメリカ人というのは非常に合理的で、そして、交渉相手としては、タフネゴシエーターと言われている、あるいはハードネゴシエーターと言われている人を信頼する、何でもイエス、イエスと言っている人間は信用しない、激しい議論をして初めて国益は守られるのだということを彼らは痛いほど知っているので、そういう相手こそ本当の交渉相手にするんだということをずっと言い続けていました。この沖縄返還交渉のときに、千葉さんはまさしくハードネゴシエーターだったんです。
 アメリカは、沖縄の返還ということを、戦争によらない領土の返還というのは初めてだというふうに言われていましたけれども、そうです。そういうアメリカですから、アメリカと横田空域の返還について、あるいは解除について、ある一部分でもいいですけれども、私は真剣にやれば可能性は出てくるんだと思いますよ。
 横田空域があるために、CO2はたくさん使うわ、あるいは飛行機の羽田に対する乗り入れが制限されている。そこが解除されれば、飛行機の乗り入れももっと便数をふやせる。結果的にはアメリカの航空産業にプラスじゃないか。あるいは、CO2の削減の一部分をアメリカに譲ってもいいじゃないですか、その部分は。
 そのぐらいの交渉をすれば、アメリカという合理的な国は、ある意味では、アメリカ軍とだけ交渉しても、絶対それはアメリカ軍がうんと言わないですよ。でも、アメリカという国は、上院議員や下院議員が物すごく強い力を持っている、そういう国です。そういう国に働きかければ、それは空軍の権益を少し絞っても、今飛行機産業は大変な状況ですから、飛行機が売れるんだったらそっちの方をと考える人は出てきますよ。そういうことをやっていくのが私は政府の役割だと思うんです。
 これは必ずしも国土交通大臣だけの話じゃないと思うんですけれども、ぜひ内閣の一員として、しかも、航空産業、そういうものをつかさどっている大臣として、アメリカとそういう交渉をしてもらいたいと思います。
 日本はこれから、アメリカと中国、難しい二つの国を交渉相手にしていかなければならないと思うんですね。そのときアメリカと本当に、ハードネゴシエーターだ、本気になってぶつかってこられているということを示すそういう人たち、つまり、アメリカにとって本当の交渉相手だと信頼される人を私は政治家としてつくっていくべきだというふうに思います。
 大臣、御見解はどうでしょうか。

発言情報

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発言者: 荒井聰

speaker_id: 20756

日付: 2020-05-29

院: 衆議院

会議名: 国土交通委員会