赤羽一嘉の発言 (国土交通委員会)
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○赤羽国務大臣 令和二年七月豪雨及びGoToトラベル事業につきまして報告をさせていただきます。
初めに、令和二年七月豪雨による被害状況と国土交通省の対応状況について報告をさせていただきます。
まず、このたびの豪雨災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
今回の豪雨災害は、大量の水蒸気が流れ込み続け、線状降水帯が発生するなど、長期にわたり各地で記録的な大雨となり、球磨川にかかる道路橋、鉄道橋の多数流失など熊本県等に甚大な被害をもたらすとともに、その後も、九州から東北の極めて広い範囲で次々に大きな被害をもたらしており、現在も最上川水系の複数箇所において浸水が発生しているところであります。
私も、被災地である熊本県、福岡県、岐阜県へ足を運びましたが、このうち熊本県では、球磨川の急流が狭隘部付近で四メートルもの洪水となっておりました。津波が襲ったかのような想像を絶する惨状を目の当たりにし、線状降水帯による豪雨のすさまじさを痛感するとともに、被災者、被災地の再生に向けた決意を新たにしたところであります。
また、これまでの治水対策を抜本的に見直し、上流・下流、本川・支川の流域全体を俯瞰しながら、国、県、市町村といった流域のあらゆる関係者が協働して取り組む抜本的な流域治水を着実に進めていく必要性を改めて認識をいたしました。
今回の豪雨災害に対し、国土交通省では、一日も早い復旧復興を目指し、省を挙げて全力で対応しております。
まず、人命最優先の観点から、海上保安庁の航空機等により二十二名の方々の救命救助活動を行いました。
堤防決壊や一万ヘクタール以上もの浸水に対し、全国から派遣した延べ七千名を超えるTEC―FORCEが、緊急的な仮の堤防づくりや、排水ポンプ車による排水活動などの災害応急対策を進めてきました。施設の被災調査を行い、その結果は、激甚災害の早期指定にも寄与しております。
今回の豪雨では、被災により道路の寸断が数多く発生いたしました。特に熊本県の八代市―人吉市間の国道二百十九号等の被災は広範囲に及んでいます。まずは、国道と並行する県道を組み合わせて一本の啓開ルートを確保するべく、八月上旬の完了を目指し応急復旧を進めております。
さらに、流失した橋梁十カ所を含む国道二百十九号や熊本県道等の百キロメートルについて、さきの国会で成立した改正道路法に基づき、国が災害復旧事業を代行し、迅速な復旧を目指してまいります。
河川につきましては、とりわけ被災が著しい球磨川における今回の水害を検証の上で、令和元年東日本台風の際に策定した七水系の緊急治水対策プロジェクトと同様に、再度災害を防止するハード、ソフト一体となった抜本的な治水対策を検討してまいります。また、球磨川の九つの支川の復旧を、国が県にかわって権限代行により行うことといたします。
鉄道施設も大きな被害を受け、多くの路線で運転見合せが発生いたしました。特に橋梁が流失したJR肥薩線と久大線、くま川鉄道湯前線は、復旧までに長時間を要する見込みとなっております。一日も早い復旧を目指すとともに、バスによる代替輸送など、地域住民の生活の足の確保を進めています。
また、八代海等に膨大な流木が流れ込み漂流し、海岸にも漂着しており、これらの回収等を進めております。
九州以外の地域におきましても各地で甚大な被害が生じております。このうち岐阜県では、国道四十一号の復旧事業と連携することで、JR高山線を早期に復旧いたしました。さらに、国道四十一号についても、八月末ごろの交通解放をめどに復旧を進めてまいります。
その上で、何よりも重要なことは、一日も早く被災者の方々の生活となりわいを再建することです。
七月十三日には、安倍総理から全閣僚に、被災者支援対策パッケージを取りまとめるよう指示があったところであり、現在、国土交通省としても最終的な検討、調整を行っているところでありますが、避難所におられる被災者が早期に帰宅でき、あるいは新たな住まいで暮らしを再開できるよう、二次災害の防止対策や住まいの確保を進めてまいります。
また、ホテル、旅館、バス事業者などの皆様は、新型コロナ禍で大変な状況に置かれている上に、今回の災害に見舞われました。中には、熊本地震や平成三十年七月豪雨も加えて三重苦となっている方々も多くおられます。
そのことを十分に勘案し、地域住民の交通手段の確保や、観光需要の喚起等に向けた対策などの支援策についても着実に実行してまいります。
引き続き、自治体とも連携し、地域に寄り添いながら、復旧復興に全力で取り組んでまいります。
次に、七月二十二日より開始をしておりますGoToトラベル事業について御報告いたします。
観光産業は、宿泊業、旅行業のみならず、貸切りバス、ハイヤー、タクシー、レンタカー、フェリー、飲食業や物品販売業など、裾野が広く、地域経済を支え、全国で約九百万人の雇用を生んでいる重要な産業でありますが、新型コロナウイルス感染症発生直後より、大変深刻なダメージを受けてきているところでございます。
特に宿泊業、旅行業並びにその関連業につきましては、四月以降は休業に近い状態が長く続き、雇用の維持のみならず、経営の維持すらも厳しい状況にあります。一刻も早く失われた旅行需要を取り戻さなければ、地域において従業員の解雇などを生じさせることも危惧されております。
観光関連業界や各地の関係者の皆様からは、こうした死活的に厳しい状況に鑑み、GoToトラベル事業をできるだけ早く、特に、多客期である夏休みを支援の対象としてもらわなければ、いよいよ資金繰りが厳しくなるとの痛切な声も寄せられておりました。
また、四十以上の道府県で展開されてきた独自の観光キャンペーンが大変好評を博しており、中には即日で旅行商品が完売する地域もございました。こうした状況から、国民の皆様におかれましては、コロナ禍の影響を受けつつも、旅行再開への期待並びに地元の観光業を守らなければならないとの熱い思いがあると重く受けとめております。
国土交通省といたしましても、こうした声を踏まえ、また、感染症の専門家の方々からの御意見を踏まえた政府全体の方針のもと、GoToトラベル事業の開始時期について検討を進めてきたところでありますが、本事業に参加する観光関連産業と旅行者の双方が互いに着実に感染症拡大防止策を講じることを前提に、七月二十二日から本事業を開始することを七月十日に公表した次第でございます。
その後、東京都において新型コロナウイルス感染症の拡大が継続する傾向が見られたことを受けて、七月十六日に、安倍内閣総理大臣、菅内閣官房長官、西村新型コロナウイルス感染症対策担当大臣、そして私の四者において検討した結果、当面、東京都を目的地としている旅行と東京都に居住している方の旅行を除いて、七月二十二日から本事業を開始するとの案をまとめ、新型コロナウイルス感染症対策分科会において御議論をいただき、御了解をいただいたところでございます。
次に、GoToトラベル事業の具体的な実施方針について申し上げます。
政府の基本的な考え方としては、感染拡大防止と社会経済活動の段階的再開を両立させていくこととしています。国土交通省といたしましても、本事業の実施は、これを契機としたウイズコロナの時代における安全で安心な新しい旅のスタイルを普及、定着させるための大いなる挑戦であると認識をしております。
このため、感染拡大防止のための具体策として、まず、旅行業者、宿泊業者に対し、本事業への参加条件として、チェックイン時に旅行者全員に検温と本人確認を実施すること、旅行者に発熱がある場合や風邪症状が見られる場合には週末も含め保健所の指示を仰ぎ適切な対応をとること、浴場や飲食施設などの共用施設の利用については人数制限や時間制限などを設け三密対策を徹底することなどを遵守するとともに、各事業者において、これらの参加条件を実施している旨を対外的に公表するよう、参加登録申請の際に求めることといたしております。
なお、これらを実施していないことが確認された場合には、登録を取り消すこととしております。
また、旅行者に対しましては、旅行商品の申込みや宿泊施設のチェックイン時などに、旅行前には検温等の体温チェックを実施し発熱がある場合や風邪症状が見られる場合には旅行を控えること、旅行中は新しい旅のエチケットの実施を徹底し三密が発生する場や施設等には行かない、利用しない等の事項を周知徹底することとし、これらの実施に御協力をいただけない場合には、本事業による支援を受けられないこととしております。
国土交通省といたしましては、引き続き、ウイズコロナの時代における安全で安心な新しい観光の確立、定着を目指し、感染の状況や新型コロナウイルス感染症対策分科会の御意見を踏まえた政府全体の方針に従いながら、本事業の適切な実施に努めてまいります。
以上でございます。