黒田東彦の発言 (財務金融委員会)
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○黒田参考人 御指摘のとおり、国際開発金融機関というものは、平時は、貧困削減、開発支援ということで、比較的長期のプロジェクトをファイナンスするということが中心になっておりまして、教育であるとか医療であるとか、あるいは環境、交通、通信、電力といった大きなプロジェクトについて融資をするということが中心になっております。当然、融資期間というのも二十五年とか三十年とか、非常に長いものになっております。
御指摘の、リーマン・ショックのときに、私たまたまアジア開発銀行の総裁をしておりましたが、そのときには、御指摘のように、欧米の金融機関が破綻に瀕するということで、資金が全然アジアの方に来なくなったわけでございます。そこで、長期のプロジェクトをやるよりも、むしろ短期、中期の、政府の財政支援という形で、政府がいわゆる生活保護とか所得補償をする、あるいは景気対策をするというお金を貸す、それも、ゆっくり一年も二年もかけて審査しているのではなくて、急速に相手国政府と話して支援をするということをいたしました。
それから、非常に例外的なんですけれども、貿易金融も、アジアの場合、ほとんどドルなんですが、これが目詰まりして、貿易金融もままならなくなったということで、アジア開発銀行としては、余り、貿易金融のような六カ月から一年ぐらいの融資というのはやっていなかったんですけれども、域内の百ぐらいの地場銀行を相手に、貿易金融のためのお金を貸す、あるいは貿易金融のためのお金を、ドルを調達するときの保証をするという形で支援をいたしました。
そういう意味では、御指摘のように、今回のコロナウイルスに関して、仄聞するところによりますと、アジア開発銀行も六十五億ドルぐらい特別の資金を用意して、政府に対して医療とか景気対策をするためのお金を貸すというだけでなくて、民間の中小企業に対する支援、融資を行うということを発表しておりますので、そういう意味では、平常時のときとクライシスのときと対応は違いますけれども、やはり最もそのときに必要な資金を国際開発金融機関としては供給する。
その場合に必要なことはスピードだと思うんですね。早期に決定して、早期に実行して、直ちにそういう途上国に対する支援の効果が出てくるようにするということが重要だというふうに思っております。