根本匠の発言 (東日本大震災復興特別委員会)
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○根本(匠)委員 大変力強いお言葉、本当にありがとうございます。これからもぜひ頑張っていただきたいと思います。
復興庁は各省庁から人材を集めている。大臣のもとに、これからも司令塔として復興庁の皆さんには誇りを持って仕事をしてもらいたいと思います。
次に、風評被害対策について申し上げたいと思います。
福島はいまだに風評被害が残っている。風評被害をいかに克服するか、これが大きな課題であります。
風評対策は、これまでも関係省庁を束ねてリスクコミュニケーションなど対策に努めてきました。来年で復興十年目、帰還困難区域の再生、福島のさらなる復興、次の十年に向けてこれまでの風評対策を総点検し、改めて取組を強化する必要がある。根源的な問題として、空間線量や食品の基準値の意味が正しく理解されていない、伝わっていない、風評被害の一因にもなっているのではないかと思います。
震災直後に除染の基準となる空間線量や食品の基準値を決めた。十年がたった今、改めて基準となる空間線量あるいは食品基準値の考え方、この時点で改めてその考え方を専門的に評価、判断してもらいたいと思います。復興の区切りの十年目に向けて、リスコミの強化の観点から正しい理解、対応が必要だと考えます。
復興大臣就任後、私はすぐに、放射線、放射能の影響などについてできるだけわかりやすく、正しく理解してもらおうと思い、各省庁、特に専門家の意見も聞いて、放射線リスクに関する基礎的情報をまとめました。その中で、ICRPの考え方、事故直後あるいは事故が収束した段階、それぞれの段階に応じた考え方も示しています。その意味で、事故直後に講じた措置については、当時の考え方、そしてその後の推移を含めて総点検し、現段階の評価や考え方を改めて整理をすべきではないかと思います。
二つの問題を提起したいと思います。
除染などの実施基準となる空間線量の考え方と食品基準値の考え方。この九年間で、放射性物質のメカニズムを含め、科学的知見は相当蓄積された。科学的知見に基づいて正しい理解を求めていく。科学的エビデンスに基づいて、科学的、合理的な政策につなげていく。コロナ対応でも問われているのは、科学と政策、科学的エビデンスに基づく政策だと私は思う。
除染の基準となる空間線量については、年間の被曝線量を一ミリシーベルトと置き、一定の生活パターンを想定し、安全サイドに立って個人が受ける線量を推計し、一時間当たり〇・二三マイクロシーベルトとしています。年間一ミリシーベルトの目標、これはあくまでも長期的な目標であって、健康へ影響するかしないか、危険か危険ではないかの境目ではありません。ガラスバッジで実際の線量を測定すると、〇・二三マイクロシーベルトは実は一マイクロシーベルト程度だと専門家が報告をしています。
国連科学委員会によれば、年間五ミリシーベルト以上の地域に世界では一千万人が住んでいる。食品中の放射性物質の基準値についても、事故直後、一般食品で五百ベクレル、一年後の二〇一二年四月に百ベクレルに引き下げられました、キログラム当たり。民間事業者の中には、引き下げた基準を更に下回る実施基準を設けているところもある。
資料に「ベクレルの嘆き」という資料をお配りしてあります。この記事によれば、食品に含まれる放射性セシウムの許容線量を厳しくした際の厚生労働大臣の小宮山洋子氏は、暫定基準の年間五ミリシーベルトでも安全は確保されていたが、安心してもらうために年間一ミリシーベルトにしなければならなかった、最後は私の政治判断だと述べておられます。
一ミリシーベルトは、食品の国際基準を策定しているコーデックス委員会の資料に沿ったものとされておりますが、食品の基準値を設定するに当たっては、もう一つの要因として占有率という考え方がある。占有率とは、我々が食べるものの中で、放射性物質を含む食品の割合。
日本が食品の基準値を設定するに当たって参考としたコーデックス委員会では、この占有率は一〇%。一〇%の背景は、世界各国の主食の平均輸入率が一〇%であり、汚染された地域のみから主食を輸入していると仮定したものであります。これに対して、日本は、食料自給率を約五〇%として、国内の食品その全てが汚染されている、言いかえれば、日本全土が汚染されているという前提で占有率を五〇%としました。
この点について、私は当時から疑問を持っておりました。なぜなら、二〇一二年の四月一日なら、原発事故によってどれだけの放射性物質が日本のどれだけの地域に広がっていたのか、当時であっても既に確認されておりました。日本は原発事故を起こした国だからという理由で、日本国内の食品の全てが放射性物質を含むと仮定すること、特定の地域の事象を国全体に広げて国内の占有率を一〇〇%とすることは、果たして科学的、合理的か、論理が飛躍しているのではないか、今でも私は率直に言って疑問です。
このある意味厳し過ぎる基準で、いまだに福島県では原木シイタケの出荷が制限されている。山菜もほとんど百ベクレルを超えるものはありませんが、一つでも百ベクレルを超えるものが出たら出荷制限。山の幸を売り物にする中山間地域の道の駅、山の幸が、山の恵みが売れない。山林も制限がかかっている地域もある。豊かな山が生かせない。質の高い福島の牛肉も、震災前に比べ二割程度下がっていると聞きます。一次産業はいまだに大きな打撃を受けている。私は政策判断の基本は科学がベースにあるべきだと思う。コロナ問題もまさに科学的エビデンスに基づいた政策をどう打ち出すかが問われている。
ここで質問します。
放射線審議会の事務局たる原子力規制庁に聞きたい。放射線審議会で、空間線量と個人線量の関係、あるいは食品基準値の検証作業を進めたと聞いておりますが、どう検証されたのか伺いたいと思います。