塩川鉄也の発言 (内閣委員会)
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○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、個人情報保護法改正案に反対の討論を行います。
昨年、リクナビが就活生の閲覧履歴等から内定辞退率を算出し、採用企業に販売していた問題が社会に強い衝撃を与えました。このような中で提案された本案ですが、審議の中で、この改正により今後リクナビ問題のような事例は起きないと政府は答弁できなかったのです。
また、政府は、違法、不当な行為を助長、誘発するおそれがある方法での個人情報の利用禁止や、個人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合に利用停止請求権を認めること等を追加したことで、個人の権利を拡大したと説明します。しかし、そのおそれとは何か、基準を一切示しませんでした。本案では、個人情報の消去、利用停止権、いわゆる忘れられる権利からはほど遠いもので、実質的に個人の権利利益が守られるものになっておらず、反対です。
また、本案にはさらなる個人情報の利活用を進める新制度が盛り込まれています。新設の仮名加工情報は現行の匿名加工情報よりも加工水準が低く、法律上の保護の対象である個人情報と規定されるものも含まれます。にもかかわらず、仮名加工情報であれば本人の同意なしに利活用を可能としており、権利侵害があった場合でも利用停止すら求めることができず、保護の対象とならないのです。個人情報の保護が伴わない利活用は、プライバシーの侵害のおそれが高まるものであり、認められません。
安倍政権は、この間、各種法制定により個人情報の利活用に邁進し、個人情報をもうけの種にした成長戦略を行ってきました。経団連や新経連の、正当な事業活動を阻害する、現行制度のもとでの自主的対応で十分であるといった要望を優先し、国民が求める個人の権利保障はないがしろにしてきたのです。
ペナルティーを見ても、EUのGDPRは数十億円とまさに桁違いであり、日本が極端に貧弱であることは明白です。しかも、これらグローバルな日本企業がEU向けにサービスを提供する場合は、当然GDPRを遵守しているわけで、全く身勝手な要望と言わざるを得ません。
GAFAなど巨大IT企業は、利用者データを集積し、プロファイリング、スコアリングすることで、ターゲティング広告などに利用する等、巨万の富を上げています。このような緩い保護、事業者への甘い規制では、巨大IT企業から個人の権利利益を守ることはできません。
個人情報は個人の人格尊重の理念のもとに慎重に取り扱われるべきものであり、プライバシーを守る権利は憲法が保障する基本的人権です。今最も必要なのは、忘れられる権利も含め、本人が個人情報をコントロールできる仕組みにすることです。
以上、申し述べ、討論を終わります。