安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場伸幸議員にお答えをいたします。
冒頭、御指摘をいただきました新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、政府一丸となって全力を挙げてまいります。
公文書管理についてお尋ねがありました。
政府としては、平成三十年七月に公文書管理の適正化に係る総合的な施策を策定し、決定した全ての施策について、これまで着実に実行に移しているところです。
他方、今般発覚した行政文書の保管や廃棄における不適切な取扱いも踏まえ、独立公文書管理監を中心とした各府省におけるチェックの強化など、政府を挙げて、公文書管理のさらなる徹底方策について検討していく予定です。
現在、政府においては、文書管理の電子化に向けた取組を加速させているところであり、御指摘の法案の方向性と共通する部分もありますが、いずれにしても、公文書管理の憲法での位置づけや具体の法案の取扱いについて、国会及び各会派において御議論いただくべきものと考えております。
憲法改正についてお尋ねがありました。
日本維新の会が憲法改正について具体的な考え方を示し、憲法審査会において建設的な議論を呼びかけておられることに、まずもって敬意を表したいと思います。
憲法審査会の運営については、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきます。
その上で、お尋ねですのであえて申し上げれば、憲法改正は、国会が発議し、最終的には主権者である国民の皆様が国民投票で決めるものです。それゆえ、憲法審査会において憲法改正についての議論を重ね、国民の皆様の理解を深めていくことが私たち国会議員の責任ではないかと考えています。
憲法改正のスケジュールについては、期限ありきの事柄ではないものと考えておりますが、さきの参議院選挙や最近の世論調査を通じて示された憲法改正に対する国民的意識の高まりをしっかりと受けとめていただき、憲法審査会の場において、国民投票の改正はもとより、憲法改正の中身について、与野党の枠を超えて活発な議論が展開されることを強く期待しております。
なお、これまで二度衆議院を解散し、国民に信を問うことで、幼児教育、保育の無償化など、大きな改革を実現してまいりました。現時点では解散は頭の片隅にもありませんが、今後も、政治を前に進めていく上で信を問うべきときが来たと考えれば、解散・総選挙を断行することにちゅうちょはありません。
中東地域での自衛隊の情報収集活動の地理的範囲についてお尋ねがありました。
我が国は、米国と同盟関係にあり、同時にイランと長年良好な関係を維持するなど、中東の安定に関係する各国と良好な関係を築いています。これを生かし、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けて、さらなる外交努力を行うこととしています。自衛隊による情報収集活動については、外交努力と調和を図りながら取り組む必要があります。
また、いずれの国も、広大な海域を自国のアセットのみによりカバーすることは困難です。自衛隊による情報収集活動についても、船舶の通航量や関係国の取組の状況等を踏まえて、効率的に実施することが必要です。
このような基本的な考え方のもと、自衛隊の情報収集活動の地理的範囲について、政府として検討を行った結果、ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域において日本関係船舶の航行が集中する分離航路帯は主にイラン、オマーンを含む沿岸国の領海内であること、もとより領海における船舶の安全な航行の確保には領海に主権を有する沿岸国が大きな役割を有していること、また、領海内における情報収集活動は沿岸国から無害通航に該当しないと主張され得ること、ペルシャ湾及びホルムズ海峡の情報については米国や沿岸国を含む関係各国との連携を通じて一定の情報収集が可能であると見られることを総合的に勘案し、ペルシャ湾、ホルムズ海峡においては自衛隊の情報収集を行わないこととしたものであります。
また、この地域での船舶の航行の安全確保及びそのための沿岸国の役割の重要性については、私自身、昨年十二月のイランのローハニ大統領との会談や、今月十一日から十五日までのサウジアラビア、UAE、オマーンを訪問した際に説明を行い、理解を得てきているところです。今後も、こうした努力を継続していきます。
自衛隊の中東派遣についてお尋ねがありました。
現時点において、日本関係船舶の防護を要する状況にはありませんが、不測の事態の発生など状況が変化する場合において、自衛隊によるさらなる措置が必要と認められる場合には、迅速な閣議手続により、海上警備行動を発令して対応することとなります。
その上で、公海上における外国籍船の防護については、国際法上、一般的には当該船舶への排他的管轄権を有する旗国がその責任のもとに行うべきとの旗国主義の考えに基づき対処することが基本です。
その上で、日本関係の外国籍船の防護について自衛隊がとることができる措置は、個別具体的な状況に即して判断する必要がありますが、例えば、我が国がこうむる法益侵害と比例する形で、状況に応じて呼びかけや近接といった、実力の行使を伴わない措置等をとることは考えられます。こうした措置は国際法上の旗国主義の原則を踏まえたものでありますが、日本関係の外国籍船の防護についても、適切に実施できるよう対応してまいります。
海上警備行動の発令に関しては、現場の部隊の対処に遺漏なきよう迅速に閣議決定を行うとともに、現場指揮官が適切な判断を行うことができるように、現場で想定される状況への対処のための教育訓練の実施を含め、政府全体で連携して実効性のある対応をとり得るよう万全を期してまいります。
また、今般の活動は現行の法令に基づいて実施可能であり、特別措置法の制定を含む新たな立法措置は必要ありません。なお、海賊の取締りといった場合を除き、旗国主義は国際法上の原則であり、仮に新規立法を行う場合でも、国内法で変更できるものではありません。
自衛官の危険手当の創設などの処遇改善についてお尋ねがありました。
海外派遣を始め、任務に当たる隊員に対しては、それぞれの任務遂行の困難性や危険性などの特殊性を考慮した各種手当を支給しております。
今般の中東に派遣される隊員に対しても、乗組手当、航空手当、航海手当などの各種手当のほか、任務遂行の困難性や危険性などの特殊性を考慮した海上警備等手当を支給することとしたところであります。
政府としては、引き続き、任務遂行の困難性や危険性などを踏まえつつ、厳しい任務に当たる隊員の処遇を確保するために必要な措置を講じてまいります。
大阪都構想についてお尋ねがありました。
大阪都構想については、大阪府と大阪市において、大都市地域特別区設置法に基づく特別区設置協議会が設置され、構想実現に向け協議が行われているものと承知しております。
大都市地域特別区設置法は、大阪都構想の検討等が進められている中、平成二十四年に議員立法で成立したものであり、特別区設置の対象となる市町村は、人口二百万人以上の指定都市、又は一つの指定都市及び同市に隣接する同一道府県内の市町村の総人口が二百万人以上のものとされています。
大阪都構想の実現については、同法の手続に従って、地域の判断に委ねられているものであり、関係者間の真摯な議論を期待しています。
全世代型社会保障についてお尋ねがありました。
人生百年時代の到来を迎え、高齢者を始めとする意欲ある皆さんに就業の機会を確保し、支え手をふやしていくことは、社会保障制度の安定のための重要な柱です。全世代型社会保障制度への改革は、こうした働き方改革を中心に据えながら、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進めるものです。
こうした改革の検討に当たって必要なデータについては、全世代型社会保障検討会議などの場において提示してきたところですが、引き続き、御党の御提案を含め、社会保障改革全般にわたる国民的議論に資する観点から、積極的なデータの提供に努めてまいります。
事業者との接触ルールについてお尋ねがありました。
IRの推進に当たっては、国民的な理解が大変重要です。
現在、国土交通省において、IR整備法に基づく基本方針について、関係省庁との協議に加え、今月発足した高い独立性を有するカジノ管理委員会や国会での御議論も踏まえつつ、丁寧に策定作業を進めているところです。
議員御指摘のいわゆる接触ルールの策定についても、基本方針に盛り込むことを検討してまいります。(拍手)