大西健介の発言 (本会議)

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○大西健介君 国民民主党の大西健介です。
 私は、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表し、ただいま議題となりました政府提出の令和二年度予算三案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 新型コロナウイルスの感染が拡大を続けています。この間、国民の命と健康を守るため、私たちは、与野党の枠を超えて、加藤厚労大臣の予算委員会出席への柔軟な対応を含めて、協力できるところは協力するという姿勢を貫いてきました。その上で、政府の対策をチェックし、不備があると思われる点については積極的に提言を行ってきました。
 しかし、残念ながら、私たち野党のできることには限界があります。実際に行政を動かしているのは内閣であり、政権与党です。にもかかわらず、小泉環境大臣、森法務大臣、萩生田文部科学大臣が地元の会合を優先させて新型コロナウイルス対策本部会合を欠席し、会議自体も、やったふりではないかと疑いを持たれるほど短時間で終えて、会食を行うなど、全く緊張感がありません。
 まず、初動対応でも、水際対策に失敗したことは明らかです。
 中国国内での感染の広がりとその深刻さが報道され、多くの国が中国本土からの入国を禁止する状況になってもなお、我が国は入国拒否の対象を湖北省に限定していました。
 そして、集団感染を起こしたクルーズ船の対応には、国際社会からも厳しい目が注がれています。我々野党の警告を無視して、検査で陰性の乗客を下船させ公共交通機関で帰宅させましたが、二十三人は検査漏れだったことがわかり、下船した乗客からは、案の定、陽性が出てしまいました。
 感染経路がわからない事例が相次ぐ中、妊婦や子供を持つ親からは、保健所に言っても検査を受けさせてもらえないという悲痛な声が上がっています。政府は一日三千八百人の検査が可能になったと説明していますが、十八日から二十四日の検査実施件数は、一日平均約九百件にとどまっています。我々野党は、保険適用にして、保健所を通さずに病院から民間の検査機関に検査を依頼できるようにすべきと提案をしてきました。
 政府はマスクの着用やアルコールによる消毒を呼びかけていますが、現在、マスクも消毒液も店頭から姿を消し、入荷してもすぐに売り切れてしまう状況であり、ネット上では高額な転売も散見されます。これまで政府は、増産によりマスク不足は解消すると繰り返し説明をしてきましたが、家庭用だけではなく、病院や介護施設などで使う医療用のマスクも不足し、施設や院内に常備していたマスクが盗まれるなどの被害も発生をしています。
 二十五日に決定された新型コロナウイルス感染症対策の基本方針は、その中身も、国民に対するお願いばかりで、具体性がなく、今さら感が拭えません。
 昨日は、総理が唐突に、全国全ての小中学校、高校等について、春休みに入るまで臨時休校とするよう要請する考えを示しましたが、学校に通うお子さんを持つ家庭からは、子供たちの生活をどうするのか、学業はどうなるのか、不安の声が上がっています。
 全てが後手に回った対応に終始し、インバウンドの大幅な減少、サプライチェーンへの影響、経済活動の萎縮、消費マインドの冷え込みによる経済への影響も日に日に深刻さが増すばかりです。
 ところで、民主党政権では、二〇〇九年の新型インフルエンザの発生に対し、政府一丸となって取り組み、その後の大規模な流行やパンデミックを防ぐことができました。
 我々は、この経験から、インフルエンザに限らず、あらゆる新型の感染症に対応し、迅速に必要な措置を講じることを可能にする新型インフルエンザ特別措置法を制定しました。今回も、我々は、当初からこの法律の適用を主張し、行動計画を立てるべきと進言してきましたが、聞き入れられることはなく、結果的に国内各地で感染が広がってしまいました。このままでは東京オリンピック中止という事態さえ招きかねないという強い危機意識を共有し、この国難を乗り切らなければなりません。
 現職国会議員がIRをめぐる収賄容疑で逮捕されるという異例の事態を受けて、成長戦略の柱に掲げるIRの正当性が根底から問われています。この国難の中で、IR、カジノを強行している場合でしょうか。今、ここで一旦立ちどまり、カジノ利権をめぐる疑惑の全容解明を優先させるべきです。
 我々野党は、IR実施法の廃止法案を共同提出しており、日本にカジノが必要なのか、一から議論し直すことを求めます。
 東京地検特捜部は、中国企業500ドットコムから資金提供を受けたあきもと議員以外の五人の議員の立件を見送りました。その直前には、過去に前例のない、東京高等検察庁の黒川検事長の定年延長が閣議決定されました。
 審議の中で、一九八一年の国家公務員法改正で定年延長規定が新設された際は、検察官には適用されないとの政府見解があったことが明らかとなり、定年延長は違法の疑いが出てきました。
 二月十二日の委員会で、人事院は、解釈は現在も継承していると述べたにもかかわらず、翌日の本会議で安倍総理が解釈変更に言及したことを受けて、十九日の委員会では、つい言い間違えたと人事院が答弁を修正しました。
 解釈変更をめぐっても、必要な決裁はとったとする森法務大臣に対し、法務省は、当初、正式な決裁はとっていないと主張していましたが、森大臣の虚偽答弁を指摘されると、口頭で決裁を得たと突然主張を変更しました。
 官邸の門番、官邸の代理人、官邸の用心棒と呼ばれる黒川検事長を検察トップの検事総長に据えるために後づけで解釈を変更したとの疑念は深まるばかりです。法を守らなければならない法務大臣が口頭で一方的な解釈変更を行うことは、法治主義を踏みにじる暴挙です。
 官邸による過度な国家公務員人事への介入は、ほかでも行政をゆがめています。
 菅官房長官の懐刀と呼ばれる和泉首相補佐官は、官邸の人事権をかさに着て、日本医療研究開発機構の幹部を呼びつけ、みずからが寵愛する内閣官房健康・医療戦略室の大坪次長の言うことを聞くよう恫喝したと言われています。
 さらには、和泉首相補佐官と大坪厚労省官房審議官の四回の海外出張には公私混同の疑いさえ指摘をされています。安倍政権の公私混同と税金私物化が官僚にまで蔓延しているのは国家的危機です。
 安倍政権の公私混同と税金私物化の象徴が、税金を使って自身の支援者を接待したとされる桜を見る会の問題です。
 首相推薦枠で招待者が膨れ上がったことは明らかであり、功績がある方を招待しているとしながら、功績どころか、ジャパンライフを始めとする悪徳商法の幹部や関係者が招待をされていて、そして消費者被害の片棒を担いだことは、決して許されるものではありません。
 桜を見る会前夜祭では、会の収支を収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反や、会費を超える飲食を提供した公職選挙法違反の疑いがあり、市民団体が刑事告発をしています。
 安倍総理は、ホテルが領収書を出し、集めたお金はそのままホテルに渡しているので収支は発生しないと説明してきましたが、ホテル側は、一三年以降に開いた宴席について、明細書を主催者に発行しなかったことはない、宛名が空欄の領収書を発行したことはない、代金は全て主催者にまとめて払ってもらう、主催が政治家や政治関連団体の場合でも例外としたことはないと回答しており、総理の説明と矛盾しています。
 総理が領収書と明細書を公表すればこの問題は終わるのに、最後まで示されることはありませんでした。
 また、総理の答弁を一部否定する回答をしたホテルに対し、自民党幹部がもう使わないと発言したとの報道がありましたが、これが事実ならば、言語道断の恫喝と改めて抗議したいと思います。
 さらに、辻元委員の質問に対して、安倍総理が自席から、意味のない発言だとやじを飛ばしたことは、一国の宰相として自覚を欠く言動であり、立法府への冒涜です。いま一度猛省を促したいと思います。
 今回の予算審議を通して感じたのは、一つのうそを守るために十のうそが必要になるということであり、上に立つ者がうそをつくと、つじつまを合わせるために、上の者を守るために、それを支える多くの人がうそをつかなければならなくなるということです。今回、答弁修正を迫られた人事院の松尾給与局長の苦しそうな表情を、私は忘れることができません。
 また、安易な答弁修正や虚偽答弁がまかり通れば、国会審議そのものが成り立たなくなることを指摘しておきたいと思います。
 今回の予算審議において、公文書管理という極めて重い職責を担い、安倍政権の看板政策である地方創生を担当する北村大臣は、官僚の助けがなければ満足に答弁することができず、たびたび審議が停滞をしました。にもかかわらず、有名になり、ありがたいという、みずからの責任を自覚しない大臣の言葉には、あいた口が塞がりません。
 さらに、棚橋予算委員長は、与野党の理事が協議をしている間も速記をとめず、円滑に審議が行えない場面が多々ありました。野党の貴重な審議時間が浪費され、一方的で不公平な委員会運営が行われ続けたことについて、改めて抗議しておきたいと思います。
 日本経済は、消費税増税や台風の影響により、二〇一九年十―十二月期は、年率で名目マイナス四・九%、実質マイナス六・三%と惨たんたる状況です。昨日のニューヨーク市場は株価が史上最大の下げ幅となり、きょうの東京市場では日経平均株価が急落をしています。
 今後、新型コロナウイルスによる影響が重くのしかかることは確実で、日本経済の先行きは予断を許さない状況です。
 私たちは、こうした事態を重く見て、最低限、予算の組み替えを行うべきと提案をしました。
 先ほど指摘した疑惑まみれのIR事業を進めるためのカジノ管理委員会の経費や、効果が不確かなマイナンバーポイント還元事業は削減し、新型コロナウイルス対策の予算を計上すべしと建設的な提案を行いました。
 そもそも、令和二年度予算は、過去最大の百二・七兆円もの歳出を計上する一方、極めて楽観的な経済成長率を前提に税収を見積もり、さらに、平成三十年度決算剰余金を特例的に使ってようやく公債発行を〇・一兆円だけ前年度より減っているように見せかけた粉飾予算です。
 たとえこのような予算であっても、私たちは、国民の生命を守り、日本経済を支えるため、最低限見直すべき点を示したのです。しかし、政府・与党は、野党の提案を一顧だにせず、動議を否決いたしました。コロナウイルス対策の予算を一円も含まない予算案をこのまま通そうとすることに、私はどうしても理解ができません。
 国会での答弁は、つい言い間違えて簡単に修正したり、山をかけて答えるような軽いものではありません。国会での質疑は、ぶつかり稽古ではなく、真剣勝負です。もっと真剣にやっていただきたい。
 自民党政権でかつて厚生労働大臣を務めた舛添要一氏が、きょう、ツイッターでこう投稿しました。「感染症よりも怖いものは政治だ。新型コロナウイルスは人を殺すが、政治の失敗はもっと多数の人を殺す。」「ポピュリズムの幻影に気づき、パンデミックの恐怖を認識した有権者は、感染症対策と経済を両立できない安倍政権に引導を渡すかもしれない。」
 荀子に、水は舟を載せ、また舟を覆すという言葉があります。これまで安倍政権を支持してきた国民が、安倍政権を転覆させるかもしれません。
 安倍政権がお友達の意見だけに耳を傾け、国民の声に聞く耳を持たないならば、それにかわる政権を一刻も早く打ち立てなければならないという強い決意を申し述べ、私の反対討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 大西健介

speaker_id: 25767

日付: 2020-02-28

院: 衆議院

会議名: 本会議