安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 逢坂議員にお答えいたします。
 東京大会の延期についてお尋ねがありました。
 東京大会の延期に伴い、例えば、競技会場の確保やボランティアを含めたスタッフの確保等の課題があるものと考えています。
 また、大会延期に伴う追加的経費については、まずは、大会組織委員会や東京都を中心にその内容の精査を進められるものと承知をしており、政府としては、その検討状況を注視してまいります。
 新型コロナウイルスとの闘いは長期戦を覚悟する必要がありますが、政府としては、来年夏に、人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして、完全な形で東京大会を実施する方針であり、こうした方針を国際社会も支持をしています。引き続き、IOC、大会組織委員会、東京都等との緊密な連携のもと、全力を挙げて取り組んでまいります。
 PCR検査についてお尋ねがありました。
 PCR検査については、一日九千件を超える検査能力を確保した上で、医師が必要と判断した場合に検査を実施することとしています。
 その際、医師が必要と判断したが、結果的に検査が行われていない事例について、医師会等を通じて個別に事実関係の確認を行っているところであり、その結果も踏まえて、必要な患者が確実に検査を受けられるように改善を行っているところです。
 加えて、これまで累次にわたって、医師が必要と認める検査を実施いただくよう周知しているところでありますが、東京都を含め、全相談件数に占める検査実施の報告件数が低い都道府県については、その背景や事情について改めてフォローアップを行うことといたします。
 森友学園についてお尋ねがありました。
 森友事案に係る決裁文書の改ざんについては、国民の皆様の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として大きな責任を痛感しております。
 また、真面目に職務に精励していた方がみずから命を絶たれたことについては、改めて御冥福をお祈りします。奥様にとっても、愛する方がみずからの命を絶たれたことで本当に大変な思いをされているのだろうと思います。改めて、お見舞いを申し上げるとともに、総理大臣としておわびを申し上げます。
 財務省においては、麻生大臣のもとで、捜査当局の協力も得て、事実を徹底的に調査し、改ざん前の決裁文書も明らかにするとともに、平成三十年六月に調査結果を取りまとめたものと承知しております。
 再調査については、麻生財務大臣より、手記と調査報告書の内容に事実的な違いがあるとは考えていないため、再調査を行うようなことは考えていないと答弁しているものと承知しております。
 いずれにしても、決裁文書の改ざんはあってはならず、今後二度とこうしたことのないよう再発防止を徹底していくものと考えております。
 政府の行う自粛要請と損失補償についてお尋ねがありました。
 お尋ねの自粛要請によって生ずる個別の損失に対する補償については、政府として、さまざまな事業活動の中で発生する民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償することは困難であり、また、直接の自粛要請の対象となっていない分野においても、売上げや発注の減によって甚大な影響が生じています。
 そのため、感染拡大により影響を受けた方々には、要請の有無にかかわらず、雇用や事業の継続を最優先に、あらゆる手だてを講じているところです。
 また、今は、感染拡大の防止、重症化の防止が最優先ですが、その後は、日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させるべく、甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済政策を打っていくため、来週、緊急経済対策を取りまとめ、前例にとらわれることなく思い切った措置を、財政、金融、税制を総動員して実行に移してまいります。
 この中で、中小・小規模事業者や個人事業主の方々が継続して事業に取り組めるよう、民間金融機関でも無利子の制度融資を受けることができる制度を整えるとともに、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者等に対しては、事業を持続するための新たな給付金制度を創設してまいります。
 緊急事態宣言と感染症法についてのお尋ねがありました。
 緊急事態宣言については、私権を制限する措置を行い得るため、国内の感染状況を注視し、専門家の意見も十分にお聞きしながら判断する必要があると考えております。
 先般、衆参両院からいただいた附帯決議では、「緊急事態宣言をするに当たっては、特に緊急の必要がありやむを得ない場合を除き、国会へその旨及び必要な事項について事前に報告すること。」とされており、皆様の御理解が得られるよう、どのように報告するかも含めて、しっかりと検討してまいります。
 また、御指摘の感染症法第三十三条については、感染症の病原体に汚染された疑いのある場所について、原則は消毒を行うところ、これによりがたい場合に、七十二時間以内の必要な期限に限って交通の制限、遮断を可能としているものであり、繰り返しこれを行うことはできないと解されています。
 第三十四条が規定する必要最小限とは、この措置が病原体の感染予防という目的に照らして必要最小限のものであることを明確化する趣旨の規定であり、そうした必要な範囲を超えた地域にまで交通の制限、遮断を拡大することはできないものと解されています。
 学校の臨時休業等についてお尋ねがありました。
 本年二月、政府が行った臨時休校の要請は、当時、一、二週間が瀬戸際との専門家の見解が示された切迫した状況下において、大人のみならず、子供たちへの感染事例も各地で発生し、判断に時間をかけるいとまはない中で、何よりも子供たちの健康、安全が第一である、学校において子供たちへの集団感染という事態は何としても防がなければならないとの判断から、私のもとで関係省庁が議論し、その後開催した対策本部において、臨時休業を行うよう要請することを決定したものであります。それに伴う公文書の作成、管理については、法令に基づき適切に対応してまいります。
 また、この要請に伴って生じたさまざまな課題に対しては、正規、非正規を問わない新たな助成金制度の創設など、保護者の休暇取得の支援を始め、放課後児童クラブ等の体制強化、学校給食休止への対応などの幅広い対策を実施し、きめ細かく対応してきたところです。
 また、タブレット等の活用やオンライン授業の実施については、一人一台のIT端末の整備の前倒しや端末の持ち帰りなどによる自宅での学習機会の向上などによって、教育分野における遠隔対応をこの機に一気に進めたいと考えています。
 家計や企業への支援策についてお尋ねがありました。
 この難局を乗り切っていただくことに重点を置いて、徹底的に下支えすることにより、雇用、家計、事業をしっかり守り抜いていく考えです。
 具体的には、現金給付について、さまざまな具体的な御指摘をいただきましたが、国民全員に一律で行うのではなく、困難な状況にある中小・小規模事業者や生活に困難を来すおそれのある方々に必要な資金をできるだけ早くお届けできるよう、具体策の検討を急ぎ、成案を得た上で、丁寧に説明してまいります。
 離職や廃業により住居を失うおそれがある方等に対しては、住居確保給付金により、安定した住まいの確保と就労の支援を行っています。
 国税や社会保険料について、原則として一年間は納付を猶予するとともに、延滞税、延滞金についても、免除、軽減措置を講じているところであり、地方税についても、徴収の猶予等を地方公共団体に要請してきたところです。今後、更に制度的対応も検討してまいります。
 奨学金についても、猶予制度等を整備しており、テナントの賃料についても、支払い猶予等の検討を関連団体に要請しています。
 雇用調整助成金については、四月から、解雇等を行わず雇用を維持する企業に対して、正規、非正規にかかわらず、中小企業は九〇%、大企業でも七五%に引き上げていきます。支給事務の迅速化や手続の簡素化などにも取り組んでまいります。
 資金繰り支援については、これまでも実質無利子無担保の融資など大胆な資金繰り支援策を講じてきたところですが、この無利子融資を民間金融機関でも受けられるようにいたします。
 また、返済猶予等の条件変更への対応については、各担当大臣から官民の金融機関に対して要請を行い、さらに、銀行法等に基づく報告徴求命令などの法令上の措置も講じたところです。
 このように、現状では、まず、この難局を乗り切っていただくことに重点を置いた対策が必要となると考えており、政府一丸となって、切れ目なく、きめ細かな対応に全力を挙げていく考えです。そうした目的に照らして、どのような政策が最も効果的かという観点から、さまざまな御意見も踏まえながら、今後、緊急経済対策の取りまとめに向けて、御指摘の一括交付金も含め、具体的に検討を進めてまいります。
 入国者に対する待機要請と医療処置の場所の確保についてお尋ねがありました。
 我が国国内への感染者の流入及び感染拡大を防止する観点から、一部地域からの入国者に対し、検疫所長の指定する場所で十四日間待機し、空港等からの移動も含め、国内において公共交通機関を使用しないことを要請することとしております。
 十四日間の待機場所については、検疫時に申告いただいた自宅やホテル等を検疫所長が待機場所として指定することとしておりますが、当該場所への移動手段も含め、出国前に各自御準備いただくことを厚生労働省のホームページや在外公館を通じてお願いしております。
 ただし、事前に待機場所や移動手段がどうしても用意できず入国された方については、空港近隣の宿泊施設等に関する情報を提供すること等により支援を行っています。
 また、国内で患者数が大幅にふえた場合の対応として、三月二十八日に決定した基本的対処方針においては、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
 御指摘の宿泊施設や五輪選手村をどのように活用するかは、一義的には各自治体の判断が優先されますが、国としても、自治体と連携を密にし、積極的な支援を行ってまいります。
 新型コロナウイルスによる経済への影響と対策、予算の執行等についてお尋ねがありました。
 令和元年度予算の執行については、現在、年度末を経過したばかりであり、現時点で確たることを申し上げることは難しいですが、例えば、令和元年度補正予算は、事業規模二十六兆円に及ぶ総合経済対策を実行するためのものですが、相当部分の執行が今年度に繰り越されているものと見込まれ、これを確実に実施していくことで景気を下支えしてまいります。
 一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界全体で経済活動が縮小しており、我が国の景気にも甚大な影響を及ぼしており、先行きについてもこうした厳しい状況が続くものと見込まれます。
 甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済対策とそれに伴う補正予算を、感染終息が視野に入った段階も視野に入れたものとして取りまとめ、切れ目なく政策を実行してまいります。その規模は、世界の協調をリードする我が国としては、リーマン・ショック時の経済対策を上回る、かつてない規模のものとしたいと考えています。
 その中でも、マスクについては、政府として生産設備への投資を支援するなどの取組を進めてきた結果、電機メーカーのシャープがマスク生産を開始するなど、先月は通常の需要を上回る月六億枚を超える供給を行ったところです。今月のさらなる増産を支援し、月七億枚を超える供給を確保する見込みです。
 このうち、サージカルマスクについては、優先的に医療機関に提供するとの考え方のもと、来週までに合計三千万枚の配布を終える予定であります。
 また、全国の高齢者施設や障害者施設、小学校、中学校には、必要な量の布マスクの配布を現在行っております。
 その上で、来月にかけて、更に一億枚を確保するめどが立ったことから、来週決定する緊急経済対策に、洗うことで再生利用可能な布マスクの買上げを盛り込むこととし、全国で五千万余りの世帯全てを対象に、一住所当たり二枚ずつ配布することとしました。補正予算成立前にあっても、予備費の活用などにより、再来週以降、感染者数が多い都道府県から順次配布を開始する予定です。店頭でのマスクの品薄が続く現状を踏まえ、急拡大するマスクの需要の抑制を図り、国民の皆様の不安解消に少しでも資するよう、速やかに取り組んでまいりたいと考えております。
 今後とも、事態の進展に伴い、必要な政策をちゅうちょなく講じてまいります。
 政府・与野党連絡協議会についてお尋ねがありました。
 政府・与野党連絡協議会は、これまで二回開催され、各党から、新型コロナウイルス感染症に対する感染拡大防止対策や経済対策を始め、さまざまな御意見をいただいているところです。
 このような国難とも言える新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、国民の命と健康を守り、国民生活や経済への影響を最小限に食いとめることは国家として最重要課題であり、協議会で各党からいただいた御提案についても、政府として、しっかり受けとめながら、この難局を乗り越えるために全力で対応してまいります。(拍手)
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発言情報

speech_id: 120105254X01420200402_021

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2020-04-02

院: 衆議院

会議名: 本会議