安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 塩川鉄也議員にお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症に関する情報提供についてお尋ねがありました。
新型コロナウイルス感染症の対応に当たっては、政府対策本部のもとに専門家会議を設置し、これまで累次にわたり、最新のデータを踏まえた科学的な知見に基づく現状分析や見解をお示ししてきたところです。
国民の皆様の不安を解消するためには、こうした情報をわかりやすく正確な形で発信していくことが極めて重要です。
これまでも、私みずから記者会見を行い、感染予防策や、患者の発生状況、今後の政府の対応方針など、国民の皆様に丁寧に呼びかけるとともに、関係閣僚も、私の指揮のもと、適切なタイミングで報道発表等を行っており、今後も引き続き、私自身が先頭に立って、国民の皆様の不安を払拭するため、正確な情報発信に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の感染者の急増に備えた医療提供体制についてお尋ねがありました。
マスクを始めとする感染症防護具や消毒液については、国内企業に対して、国内生産体制の強化や輸入の拡大を働きかけてきたところですが、全国の医療機関に必要な量を確保できるよう、さらなる増産を支援するなどの取組を進めてまいります。
また、感染拡大防止と同時に、国内で感染者数が大幅にふえたときに備え、重症者対策を中心とした医療提供体制を強化することは喫緊の課題と考えております。
御指摘のピーク時の入院患者数等は現在集計中ですが、治療のために必要な病床としては、現時点において、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、二万五千床を超える病床を確保しております。
また、重症者の治療に必要となる人工呼吸器についても、現時点で八千個を超える台数を確保しているところであり、引き続き、三月二十八日に決定した基本的対処方針に基づき、感染者の急増に備え、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備等を実施してまいります。
加えて、基本的対処方針においては、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
新たに編成する補正予算案では、対策の第一の柱として、医療提供体制の整備を掲げることとしており、このような取組も含め、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を早急に進めてまいります。
PCR検査、保健所の体制拡充、抗体検査についてお尋ねがありました。
PCR検査については、受診に当たって、まず、帰国者・接触者相談センターに御相談いただくことが原則となりますが、同センターを経由しないケースであっても、医師が必要と判断すれば民間の検査機関に直接検査依頼を行うことも可能となっております。
保健所においては、新型コロナウイルス対策で業務が増大している中、その業務が継続できるよう、一部の業務について外部委託を可能とし、必要となる非常勤職員に係る経費を助成するなど、必要な支援を行っているところです。
また、抗体検査については、現在、その有用性や使用方法を含め専門家と検討を行っている段階であり、現時点で大規模な抗体検査をできる段階にはありませんが、実用化に向け、その研究開発について国としても引き続き支援を行ってまいります。
新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関等への支援についてお尋ねがありました。
感染拡大防止と同時に、国内で患者数が大幅にふえたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題です。
病床確保の支援としては、今後国内で感染者数が大幅にふえたときに備え、病床をあけておくための経費として、一床当たり定額の補助を行っております。
また、地域医療構想については、効率的で質の高い地域医療提供体制の確保を目指して取り組むものであり、地域の医療機関が担うべき役割などを機械的に決めるものではありません。
公立・公的医療機関等については、ほとんどの感染症病床を担い、感染症対策で重要な役割を果たしていると承知をしており、このような機能や役割も含め、地域で必要とされる医療提供体制の議論を深めていただきたいと考えております。
また、医療、介護、障害者福祉サービスを行う事業者に対しては、一時的に人員の基準を満たすことができない場合にも報酬を減額しない等の特例を設けているほか、利用抑制による減収等に対しては、雇用調整助成金や無利子無担保を内容とする経営資金融資による支援を行っております。
引き続き、医療、介護、障害者福祉サービスが適切に提供されるよう、必要な支援を行ってまいります。
経済的損失をこうむる事業者等に対する損失補填等についてお尋ねがありました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、経済も大きな影響を受けており、事業者の皆様の経営にも大変な打撃となっております。
こうした中にあって、政治に課された最大の使命は、何とか事業を継続していただき、また、しっかりと雇用を守っていくことであり、そのために最大限の努力を、できることは全て行っていく所存であります。
既に、雇用調整助成金制度の大幅な拡充や、中小・小規模事業者への実質無利子無担保融資を含む強力な資金繰り支援など、必要な対策を直ちに実行してきました。
また、経済団体等を通じて、企業の皆様に対して、解雇、雇いどめ、採用内定の取消しを防止するため、雇用調整助成金の活用を含め、最大限の経営努力を行うこと等もお願いをしたところです。
フリーランス、個人事業主の方々を始め、仕事が減ることなどにより、収入が減少し、生活に困難を来している御家庭の方々に対しては、返済免除も可能な小口資金支援、税や保険料、公共料金の支払いの猶予などの取組も進めています。
さらに、今は、感染拡大の防止、重症化の防止が最優先ですが、その後は、日本の経済を再び確かな成長軌道へと回復させていくべく、甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済政策を行っていかなければならないと考えており、来週、緊急経済対策を取りまとめ、前例にとらわれることなく思い切った措置を、財政、金融、税制を総動員して実行に移してまいります。
その際、今回、特に影響の大きいイベント産業の振興等についても対策を講じてまいります。
また、緊急経済対策の中では、雇用の維持と事業の継続の観点からは、中小・小規模事業者や個人事業主の方々が継続して事業に取り組めるよう、民間金融機関でも無利子制度融資を受けることができる制度を整えるとともに、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者等に対して、事業を持続するための新たな給付金制度を創設することとしております。
このような、前例にとらわれない思い切った対策を総動員し、いざ感染の拡大が抑制され、そして社会的な不安が払拭された段階では、一気に日本経済をV字回復させていく所存であります。
新型コロナウイルス対策の財源確保についてお尋ねがありました。
先般成立をした令和二年度予算に含まれた事業規模二十六兆円に及ぶ総合経済対策をできる限り早期に執行することで、景気を下支えしてまいります。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大により、日本経済全体にわたって極めて甚大な影響が生じており、そのマグニチュードに見合った強大な経済対策を実行していく考えです。
そのために必要な財源については、国債の追加発行も含め、今後検討し、しっかり確保してまいります。
なお、御指摘の税財政措置は、いずれも我が国の経済を成長させ、また、安全保障を確保していくために不可欠なものであり、見直すことは考えていません。
消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
消費税については、急速に高齢化が進む我が国にあって、若者からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障を構築するためにどうしても必要な財源と考えています。
今般の新型コロナウイルス感染症の経済への甚大な影響に対しては、そのマグニチュードに見合うだけの、リーマン・ショック時の経済対策の規模を上回る規模の緊急経済対策を、財政、金融、税制を総動員して策定することとしていますが、その施策は効果があるものでなければならないと考えています。
このため、政府としては、今、大変厳しい状況の中でも、何とか事業を継続していただき、地域の雇用と国民生活をしっかりと守り抜いていくために、こうした方々に対する現金給付制度の創設を含め、思い切った対策を講じるとともに、感染拡大が抑制された段階を見据え、甚大な影響を受けている旅行、運輸、外食、イベントなどにフォーカスした短期集中で大胆な需要喚起策などを講じることで、大変な状況にある方々に直接手が届く効果的な支援策を実施していく考えです。
東京大会の延期の判断についてお尋ねがありました。
東京大会については、私とIOCバッハ会長との電話会談において、私から、アスリートのことを第一に考え、おおむね一年程度の延期を提案し、その後、関係者の協議を経て、来年七月二十三日からの開幕が決定されたところであります。
東京大会の完全な形での実施に向けて、日本のみならず、世界的に見て、新型コロナウイルス感染症の終息に向けためどを立てていく必要があります。
このため、先般開催されたG7やG20で、私から、まずは現下の事態を収束させるため、国際社会とともに治療薬やワクチンの開発に全力を挙げて取り組むことを強く主張し、合意を得たところであります。
政府としては、こうした取組をあわせて行うことを通じて、世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客の皆さんにとっても安全で安心な大会を目指し、人類が新型コロナウイルスに打ちかったあかしとして、東京大会を完全な形で実施できるよう、今後とも、IOC、大会組織委員会、東京都等と緊密な連携のもと、開催国としての責任をしっかりと果たしてまいります。
緊急事態宣言の発動要件とその損失補填についてお尋ねがありました。
緊急事態宣言は、改正特措法に基づき、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある事態が発生したと認めるときに、政府対策本部長である私が行うこととなっております。
その際、緊急事態宣言の判断に当たっては、専門家で構成される基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で、総合的に判断することとしております。
その上で、仮に緊急事態が宣言された場合には、御指摘のとおり、私権が制限される措置をとる可能性があることから、決定に至った背景等も含め、私から国民の皆様に御説明する場を設けるなど、政府として、できる限りわかりやすく丁寧な説明を行うこととしております。
また、土地や施設の使用など緊急事態措置に伴う経済的な補償については、法にのっとり適切に対応することは当然ですが、同時に、経済全体の状況も踏まえた十分な経済対策を実施してまいります。(拍手)
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