清水忠史の発言 (本会議)
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○清水忠史君 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。(拍手)
今、新型コロナウイルスの爆発的感染を阻止し、医療崩壊をとめるために必要なことは、外出の自粛、休業要請と一体の補償を行い、検査体制の強化と医療現場への本格的財政支援を行うことであります。このための方策と補正予算をつくることに政治の責任が問われているこの状況下で、なぜ国家戦略特区法の改正なのでしょうか。急がなければならない理由はどこにもありません。
もともと、スーパーシティー構想に係る本法案は、二〇一八年の第百九十六国会に提出されて以来、これまで三度、審議入りしないまま取り下げられ、出し直しを繰り返してきた、いわくつきの欠陥法案であります。コロナ問題の渦中に審議をする必要はありません。ましてや、たった五時間の委員会審議で採決するなど、余りにも乱暴なやり方だと言わなければなりません。
そもそも、国家戦略特区制度は、官邸主導で規制緩和を推進する仕組みであり、国民の暮らしと安全にかかわるルールを特定企業の利益のために緩和するものです。
この官邸主導の仕組みが安倍政権のもとで国家を私物化する道具とされてきたことは、加計学園問題を見ても明らかです。政権に近い特定の人物や事業者を優遇する総理案件で強引に規制緩和を推し進めるような制度は、即刻廃止すべきです。
しかも、本法案は、内閣府から派遣された職員が区域会議に参加してまとめた基本構想をまずは総理が承認する仕組みを入れることで、各省の審査を簡略化させ、同時一体の審査によって、総理大臣によるトップダウンの仕組みを更に強化するものです。
本法案が進めようとするスーパーシティー構想は、先端的技術を活用し、さまざまなサービスを提供しようとするものです。最大の問題は、住民の権利や個人のプライバシー保護がないがしろにされることです。
スーパーシティー構想で先行するカナダのトロント市では、道路や信号機など、ありとあらゆる場所に人、物の動きを把握するセンサーを設置し、ビッグデータを利活用する計画を進めていました。しかし、データが匿名化されても、複数のデータを組み合わせることで、行動が予測できたり、人が分類され、不公平な扱いや差別を生んだりする可能性が十分にあるといった住民の不安や批判が高まり、大混乱しました。
委員会の審議を通じても、個人情報の収集や利活用の内容と、住民にとってのメリット、デメリットが事業計画にも書き込まれず、こうした問題が発生することが明らかになりました。
しかも、事業計画立案の前提として住民合意を求めながら、その方法については明確に定められていません。住民の合意なしに、強引に進められかねないのでございます。
さらに、車の自動運転やドローンによる配送の実証実験をするための地域限定型サンドボックス制度は、安全性を監督する所管省庁の規制の仕組みを形骸化させるものです。区域会議において技術実証区域計画が策定され、総理認定を受ければ、道路運送法や航空法など、住民の安全を守るための許可は不要となり、一括して許可があったとみなされてしまいます。
車の自動運転の実証実験では、交通事故の危険があり、海外では既に人身事故も起こっています。安全性を監督する監督官庁の権限をなくし、規制緩和を住民の安全性に優先させる仕組みの導入を認めることはできません。
以上、反対理由を申し述べ、討論といたします。(拍手)