山際大志郎の発言 (予算委員会)
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○山際委員 ありがとうございました。
中国に限らず、諸外国から日本の技術がある意味狙われるというのは、それは日本に力があるという証拠でもあるわけですね。ですから、これからつくっていく新しい国際秩序の中で、実はそれがキーワードになるんだろうなという気がいたします。
これは私見が入りまくっているパネルなので、そういう目で見ていただきたいんですが。
二十年前に、世界地図を描いて、経済の分野において大きな極をちょっと示してごらんと言ったら、左から二つ目にある中国は入っていなかったですね。大体、日米欧の経済三極で物事を決めていくというのが二十年前の常識だったですよ。
しかし、この二十年の間に、中国はGDPでも日本を抜いて世界第二位になりました。今回も、経済という意味において、サプライチェーンのリスクだけではなくて、さまざま世界経済に影響を与えた、本当に大きなプレーヤーとして中国というのはあるわけです。ですから、二〇二〇年の現在で経済の絵を描こうとすると、この四極、アメリカ、日本、中国、ヨーロッパ、EUという形になるんだろうと思うんですね。
これが、先ほども申し上げていましたように、デジタルトランスフォーメーションがどんどんどんどん進むと、経済と安全保障というものが切っても切れなくなったわけですね。
そうなりますと、今、経済、これはあくまでも経済という目で見てもらえるといいんですけれども、経済の中でいうと、日本を中心にして考えれば、日本とアメリカは今のところ、いろいろな意味で、ルールでもビジネスのモデルでも丸の関係だと言っていいと思うんですね。
では、中国と日本はどうですか。政府の皆さんの御努力もあって、まあ、見かけ上は、それは何か経済上問題があるというわけではないかもしれませんが、やはり、まだそのルールという意味においては、我々、共通のルールで動いていない部分がございます。ですから、まだ三角の関係と言っていいんだろうと思うんですよ。
日本とヨーロッパは、日・EUのEPAがこの間発効したように、その土俵がそろっていますから、これは丸と言ってもいい。
では、アメリカとヨーロッパはどうなんでしょうね。アメリカとヨーロッパは、まあ、伝統的にはそれほど悪くなかったのかもしれませんが、特にGAFAと言われるような、データを扱う企業が台頭してきたことによって、このデータ駆動型社会におけるそのデータの取扱いについては、相当ばちばちとぶつかっていますね。ですから、これからの世界を考えると、経済という意味においては、アメリカとヨーロッパは決して一枚岩ではないんですね。
一方で、中国とヨーロッパというのはどうなんでしょうね。これは、ヨーロッパの方々と話をすれば、みんな異口同音に言いますよね、彼らは、安全保障上の危機感というものを中国に対して持っていないですよ。我々日本のような危機感は持っていないです。したがって、自分たちにとって経済上プラスになるのであれば、中国とはできれば反りを合わせてビジネスをやっていきたいというのが本音ですね。ですから、相当アメリカが中国に対していろいろなことを言ったとしても、ヨーロッパの側からはね返されるというふうなことが起きています。すなわち、中国とEUとの間、ヨーロッパとの間というのは丸の関係なんですね。
これから国際社会の新秩序をつくっていこうと思ったときに、このままの関係でいいわけはないわけです。ですから、私たちは、アメリカとの関係を更に深めて、しかも進化させるということをしなきゃいけないと思うんですね。それをやり、かつ、中国との関係も、実務のレベルだけではなくて、政治のレベルも含めてもっと深めていく必要があろうと思います。そして、そのことによってアメリカと中国との関係というものが、今、経済戦争をドンパチやっていますけれども、しかし、それではお互いにとって利益はないということを、私たちがリーダーシップを持って、言ってみれば調整をするということが必要になってくることは間違いないわけです。
それで、先ほど梶山大臣からの御答弁に対して私が申し上げましたように、では、日本が調整役をやろうとしたときに本当に相手にしてもらえるか。この鍵を握っているのは経済以外ないですね。私たち日本の経済が強ければ、日本が世界の中で担っている役割が大きければ大きいほど、何かやろうとしたときに、日本の役割というものを無視しては進めない、これは何か戦略的不可欠性と呼ばれるみたいですけれども、日本は無視できない、日本は必要だ、そういう存在でい続けなくてはいけない。
先ほど総理から御答弁の中にありましたように、自由、民主主義、人権、法の支配、こういった基本的な私たちが是としている価値観を土台にして物事を進めていこうとしていくときにも、それにプラスして、日本は経済、そういう武器を持ちつつ、世界の調整に乗り込むのではないかというふうに思うんです。
この非常に難しいリーダーシップをとっていかなくてはいけない状況において、これからその役を中心的に担う総理にその御決意をお示しいただければと思います。