小泉進次郎の発言 (予算委員会第六分科会)
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○小泉国務大臣 令和二年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について、その基礎となる環境政策の基本的な考え方を御説明します。
まず、私が環境大臣として強く感じていること、そしてこの御説明のテーマを一言で申し上げると、「環境先進国・日本の復権」です。国際社会において、日本のすぐれた数多くの取組が石炭批判の前にかき消されてしまっている中、国内外への発信のさらなる強化に力を入れていかなければなりません。そういった意味においても、今般石炭火力輸出支援の四要件の見直しについて議論を始めることで関係省庁と合意できたことは、環境先進国日本の復権に向けた新たな一歩であると思います。令和二年度予算は、こうした考えのもとで整理いたしました。
ことしは東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、日本が世界の注目を集める年です。我が国のすぐれた取組を広く発信する絶好の機会を生かすためにも、政策を前進させていく決意です。
初めに、気候変動対策について申し上げます。
気候変動は今や、国際的には気候危機と言われるほど重要な課題として認識されており、脱炭素社会の実現に向けた機運は明らかに高まっています。我が国は、昨年閣議決定されたパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略において、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指すと宣言しています。最近、安倍総理も国会答弁の中で、二〇五〇年も視野と言及されており、環境省としても、二〇五〇年も視野に、二〇五一年も含めできるだけ早期の脱炭素社会の達成を目指します。
実際に、我が国は二〇一四年度以降五年連続で温室効果ガスの排出削減を実現しており、昨年のCOP25でも国際社会に発信しましたが、こうしたすぐれた実績は石炭批判でかき消されてしまっています。この現状を変えなければなりません。世界に誇る日本のすぐれた脱炭素技術やフルオロカーボン排出抑制対策等の普及に向けた取組を強化し、我が国の取組が国際社会に効果的に伝わるよう、私もさまざまな場で発信してまいります。
また、地球温暖化の進展に伴い、今後、気象災害のリスクが更に高まることが予測されています。気候変動というファクターを防災に取り入れることはもはや必然となっており、気候変動掛ける防災の視点に立ち、自立分散型のエネルギーシステムの普及展開を始めとした緩和と適応の両面作戦を展開します。
さらに、自治体を始めとした政府以外のプレーヤーによる取組の支援、ESG金融の促進、再生可能エネルギーの主力電源化と省エネルギーの徹底等に取り組むとともに、技術、経済社会システム、ライフスタイルといったあらゆる観点からのイノベーションも促してまいります。
東日本大震災からの復興は、これまでも、これからも、環境省にとって最重要の課題です。引き続き、安心して生活できる環境を取り戻す環境再生に向けた取組等を、関係自治体の皆様と密に連携しながら着実に進めます。具体的な取組として、除去土壌等の中間貯蔵施設への搬入や減容、再生利用、指定廃棄物等の処理等に加え、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域内における家屋等の解体、除染についても、着実に進めます。また、放射線健康管理、リスクコミュニケーションの実施等を通じ、住民の皆様の不安の解消等を図ります。
さらに、福島県は、二〇四〇年ごろをめどに県内エネルギー需要量以上のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出す県を目指すとの目標を掲げています。環境の視点から地域の強みを創造、再発見する未来志向の取組についても、役割を果たしてまいります。
プラスチックごみ対策は、世界が取り組むべき喫緊の課題です。我が国は、昨年G20大阪サミットにおいて取りまとめた大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現に向けて、また、中国等の廃プラスチック輸入禁止措置等をチャンスとして、真の循環型社会を構築してまいります。そのためには、循環経済への移行を見据えた製品や社会システムの再設計が必要であり、これを新たな成長エンジンとしていくべく、まず、ことし七月からのレジ袋有料化をきっかけとして、ライフスタイル変革を進めるとともに、プラスチック資源循環戦略の具現化に向けて、本格的な検討、実施を進めます。また、循環型社会の根幹である三Rの強化、海岸漂着物の回収、適正処理、代替素材の開発等も引き続き推進します。
さらに、企業、自治体の先進的な取組、ESG投資、さらにアジアを始めとする国際的な資源循環を我が国から強力に進め、ことし五月に世界経済フォーラムと共催する東京循環経済ビジネスフォーラムにおいて、日本の誇る資源循環の取組を世界に発信してまいります。
気候変動の進展に伴う生息環境の急速な変化が生物多様性に深刻な影響を及ぼしつつあり、その保全と気候変動対策を掛け合わせた取組も世界では広がっています。そうした中、ことしは生物多様性条約のCOP15の開催年であり、今後十年の方針を決める重要な年です。我が国発のSATOYAMAイニシアティブ等の国際連携の取組を引き続き推進するとともに、新たな世界目標、ポスト二〇二〇生物多様性枠組の採択に向けた国際的な議論において、積極的に発信してまいります。
また、生物多様性が保全されていなければ、我々の経済社会活動を持続的に営むことはできません。経済界や消費者が生物多様性をみずからの問題として捉え、経済社会活動に生物多様性への配慮を組み込むという、いわゆる生物多様性の主流化は、COP15においても主要な論点の一つとなっています。我が国もこの課題に対して、さまざまなプレーヤーと連携して、主体的に取組を進めてまいります。
国内においても、ことしは国立公園への一千万人の訪日外国人受入れの目標年であり、国立公園満喫プロジェクトを引き続き推進するとともに、新宿御苑等の国民公園の魅力向上を図ります。さらに、CSF等の対策強化、ヒアリ等の外来種防除、適正な動物愛護管理等に取り組みます。
そして、環境省の原点である水俣病を忘れることなく、現在及び将来の世代が健全で良好な環境の中で安全な暮らしを営めるよう、今国会への改正法案提出に向けた準備を進めている石綿飛散防止対策はもちろん、公害健康被害対策、大気、水、土壌環境保全、化学物質対策等を進めてまいります。
原子力規制委員会については、厳格な原子力規制活動を支える安全研究の推進及び放射線モニタリング体制の強化を図るとともに、原子力の安全確保に係る人的基盤の強化等に取り組みます。
最後に、これらの施策を実行するための令和二年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について御説明します。
一般会計予算では総額三千五百三十七億円余を計上しております。
次に、特別会計予算につきましては、エネルギー対策特別会計に総額二千百四十五億円余、東日本大震災復興特別会計に復興庁所管予算として総額六千八百十二億円余を計上しております。
なお、委員のお手元に配付されております環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の主要施策については、お許しを得て、説明を省略させていただきます。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
ありがとうございます。