梶山弘志の発言 (経済産業委員会)
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○国務大臣(梶山弘志君) おはようございます。
令和二年度の経済産業省関係予算案について御説明を申し上げます。
初めに、新型コロナウイルス感染症については、目下の最重要課題と認識しており、国内の感染拡大防止に政府一丸となって取り組みます。経済産業省としては、とりわけ影響を受けやすい中小・小規模事業者の皆様を始め、事業者の現場の声にしっかりと耳を傾け、必要な対策を迅速に行ってまいります。
足下の感染症への懸念のみならず、米中の覇権争い、ブレグジットなどの課題が日本を取り巻き、デジタル化への対応、少子高齢化等による人手不足、エネルギー制約、そして何よりも原子力災害からの福島復興など、乗り越えるべき課題が山積しております。
こうした課題に対処するために、福島の復興再生、デジタル経済の進展への対応、自由で公平な通商、貿易、イノベーションを生み出す環境整備や人口減少時代に対応した地域・中小企業政策を進めます。また、エネルギー安全保障の強化、消費税率引上げに伴う対応等を進めていきます。
このため、令和二年度経済産業省関係予算案は、一般会計三千五百八十九億円、エネルギー対策特別会計七千四百八十一億円、特許特別会計千六百四十九億円、合計一兆二千七百十九億円を計上しました。また、復興庁計上の東日本大震災特別会計のうち二百七十三億円が経済産業省関連予算として計上されております。
これに加え、臨時特別の措置として、消費税率引上げに伴う対策に二千七百五十三億円、防災・減災、国土強靱化対策に三百四十億円を計上しております。
令和二年度予算案について主要な柱に沿って御説明いたします。
第一の柱は、福島の復興再生です。
安全かつ着実な廃炉・汚染水対策と原子力災害からの福島の復興は、経済産業省の最重要課題です。廃炉・汚染水対策については、引き続き、中長期ロードマップに基づき、安全確保最優先、リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ、地域、社会とのコミュニケーションを一層強化しながら進めていきます。
今月、双葉町、大熊町、富岡町において、帰還困難区域とされてきた一部地域の避難指示を初めて解除しました。また、双葉町の避難指示解除準備区域も解除しました。これにより、全ての居住制限区域と避難指示解除準備区域が解除されました。引き続き、地元企業の事業再開や新たな事業展開を後押しするとともに、福島イノベーション・コースト構想を着実に実現していきながら、ロボットやドローン、水素を始めとした先駆的な取組を行う地域社会を実現します。
第二の柱は、デジタル経済の進展への対応です。
令和の時代には、AI、IoTなどのデジタル技術やデータが更なる経済成長と社会課題の解決を可能にします。
5Gの活用など、デジタル経済の更なる進展を見据え、データ連携を通じた新たな産業やサービスの創出のために必要な共通技術仕様、アーキテクチャーを設計する体制を創設します。また、AI技術の活用によるビジネスモデルの構築や、AI、ロボット、センシング、自動走行技術等の開発、実証を推進します。
さらに、ネット上で簡単に補助金申請ができるシステムの構築など、官民のデジタル化を推進するとともに、中小企業を含めたサイバーセキュリティーの確保等を推進します。
第三の柱は、自由で公平な通商、貿易、国際的な気候変動対策です。
米中の対立や英国のEUからの離脱など、日本を取り巻く世界の経済社会情勢は不確実性を増しています。そのような中で、自由で公平な通商、貿易を進めるため、経済協力関係の深化やインフラの海外展開を推進するとともに、重要技術に関する情報収集や管理体制等を強化します。
また、地球規模の課題である気候変動対策を途上国も含めて実効的な形で進めるには、環境と成長の好循環の実現が不可欠です。国際共同研究等を通じ、革新的環境イノベーション戦略に掲げた、産業革命以来増加を続けてきたCO2を減少へと転じさせるビヨンド・ゼロを可能とするイノベーションを実現します。
第四の柱は、新たな成長モデルの創出を支える基盤の整備です。
大改革を実現する人づくりを進めるため、文理融合型、課題解決型の教育や、AI等を活用した教育を推進します。
また、民間予防ビジネスの拡大によって、予防・進行抑制型の健康・医療システムへの転換を進めます。そのため、事業化支援やヘルスケアデータの標準化等を進め、優れた民間予防・健康サービスの創出を促進します。
イノベーションを生み出す環境整備として、若手研究者を発掘、育成するとともに、J―Startup企業を始めとしたスタートアップへの支援を実施します。また、AIチップの開発など、革新的な基盤技術に関する研究開発を推進します。
地域経済においては、すばらしい技術を持った事業者が後継者不在により廃業するケースが頻発しております。こうした事態に対応するため、事業引継ぎ支援センターによるマッチング支援の強化などを進めます。
さらに、後継者候補がいても、個人保証が障害となり、事業承継を断念するケースがあります。個人保証の慣行は今の世代で断ち切るとの決意を持って、事業承継時に個人保証を不要とする信用保証制度を新たに創設し、専門家による確認を受けた場合に保証料を最大ゼロまで軽減するなど、事業引継ぎの促進、円滑化を図ります。
中小・小規模事業者が、高齢化や人手不足、人口減少などの構造変化に加え、働き方改革や賃上げなどの制度変更を乗り越えて躍進できるよう、企業間のデータ共有を伴う設備投資など、複数企業の連携などにより生産性を向上させる取組を支援します。
また、地域未来牽引企業等への研究開発や販路開拓を支援するとともに、大阪・関西万博や地域コンテンツを通じたインバウンド拡大を推進します。
第五の柱は、日本経済の土台となるエネルギー安全保障の強化です。
安全、安定、安価なエネルギー供給を実現しつつ、パリ協定を踏まえた脱炭素化の取組を推進することが責任あるエネルギー政策に取り組む上で極めて重要です。徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの主力電源化に加え、CO2を燃料や原料として再利用するカーボンリサイクルや水素社会の実現に向け、世界に先駆けた革新的技術の開発普及を促進します。さらに、原子力については、安全最優先で再稼働を進めるとともに、人材、技術、産業基盤の維持強化に取り組みます。
また、資源、燃料の安定供給を確保するため、石油、天然ガス、金属鉱物の供給源多角化に向けたリスクマネー供給の強化や、メタンハイドレート等の海洋資源を含む国産資源開発を推進します。
以上、御説明した事業に加え、令和二年度予算案においては、次の臨時特別の措置を講じます。
令和元年十月一日、消費税率は一〇%になりました。経済産業省としては、需要平準化のため、キャッシュレスポイント還元事業を令和二年六月まで実施するとともに、インバウンド観光などの新たな需要を取り込もうとする商店街の取組を支援します。
令和元年は、八月末の九州豪雨、九月の台風十五号及び十月の台風第十九号と、大規模な自然災害が立て続けに起きました。こうした災害への対応も踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づいた、ガソリンスタンドや製油所などにおける自家発電設備の導入などを進めます。
以上が令和二年度経済産業省関係予算案の概要でございます。
委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。