中尾彰宏の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(中尾彰宏君) 東京大学の中尾でございます。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、5G、ビヨンド5G、これは6Gとも呼ばれていますが、技術への期待ということで御説明をさせていただきます。お手元の資料を御説明いたします。
 冒頭、これ二ページ目になりますけれども、こちらに書いてございます五つのポイントが今日私から申し上げたいポイントとなります。
 まず一点目が、超大容量、超低遅延、超多数接続という特徴を持つ5Gは、我が国において国家の屋台骨となる強靱なインフラを支える最重要の技術であると認識をしています。
 二つ目、自営網のローカル5Gと地域に展開される公衆網の5Gは地域創生に寄与する重要な施策であって、特に規制緩和、利用周波数帯域の拡大、産官学連携による研究開発と社会実装の推進が必要であると考えています。
 三番目、安全保障の観点からも、国策として研究開発を支援して、国際的にも競争力のあるインフラ開発技術の確立が望まれると考えております。
 四番目、今日も皆さんマスクをしていらっしゃいますけれども、新型コロナウイルス感染症で大学でも遠隔通信の重要性が遠隔教育等で再確認された今、安心、安全かつ全国隅々まで行き渡る、堅牢で大容量の移動通信技術が必要であると考えます。
 最後ですけれども、二〇三〇年頃を目指して実現されると言われていますビヨンド5G、6Gに向けて、既に国際競争が始まっています。5Gからビヨンド5Gに至る研究開発の推進が必要であると考えております。
 それでは、この一つ一つについての根拠となる資料について御説明をしたいと思います。めくっていただきまして、三ページ目から御説明いたします。
 まず、これは皆さん恐らく御存じだと思いますけれども、5Gにおける無線通信の変革、これは目標値が五つ掲げてありますけれども、ピークデータ帯域で二十ギガbps、これは一秒間に二十ギガビットを伝送する速度になりますけれども、これが、基地局当たり伝送能力が確保されると、ユーザー一人当たりの体感速度は今の大体約十倍になりまして、百メガbpsとなると言われています。右側、移動体速度、時速五百キロで走るリニア新幹線の中でも使えるようにならないといけないと。それから一番右下ですが、低遅延、これは無線区間で千分の一秒、一ミリセックの遅延で伝送が行われるという目標値になっています。左下、単位面積接続数当たり百万デバイスが一平方キロ当たり接続できるという、こういった目標値がITU―Rで決められています。
 この真ん中のグラフは、中央が今のLTE、4Gと言われている通信の目標値でして、それに比べて一桁から二桁ぐらい目標値が大きく革新するというのが5Gの特徴となります。
 下のページ、四ページ目ですが、5Gにおけるこれらの目標値を達成するべき通信を使いまして、三つの代表的な通信クラスが定義されています。
 一つ目、大容量、二つ目、超信頼超低遅延、最後が超多数デバイスですけれども、先ほど御説明した目標値を照らし合わせますと、大容量でいいますと、先ほどの体感速度、それから超低遅延、それから超多数デバイス、デバイス数ですね、こういったものが言われております。ですので、一般に5Gと言われますと、大容量、超低遅延、超多数デバイスが接続というふうに言われているのは、この通信のKPI、目標値によって説明がされます。
 続きまして、次のページですけれども、このような5Gなんですが、日本では5Gの周波数の割当てが既に終わっておりまして、三月から既に商用化されております。この詳しいところは資料を見ていただければと思いますけれども、三・七ギガヘルツ帯、四・五ギガヘルツ帯に加えまして、二十八ギガヘルツ帯という、まあ一般にミリ波と言われているところが新しく使われるということになっています。
 次のページ。こういった周波数を使いまして、商用化に至る道筋が書かれています。
 過去三年間にわたりまして、二〇一七年、一八年は主に通信事業者を中心とした実証実験が行われてまいりました。ICTインフラの八つの課題を、領域を設定しまして、この中でいろいろな実証実験を確かめて、ユースケースを確認してまいりました。二〇一九年に地域に速やかに5Gを展開しようという閣議決定がございましたので、二〇一九年は、地域から出された利活用アイデアの実証が大きく行われました。こうした三年間の実証実験を踏まえた上で、今年の三月から5Gのサービスが開始している状況となります。
 次のページですけれども、5Gの実証実験の実施例はこのように全国津々浦々、いろいろな場所でいろいろな課題で実証実験が行われてまいりました。この一つ一つは今日御説明する時間がありませんけれども、私が取り組んだ三つの例について御紹介をいたします。
 それでは次のページですが、こちらは広島県の実験ですけれども、広島県ではカキ養殖が盛んに行われています。漁業従事者の労働力の負担削減に向けた取組の一つとしまして、カキ養殖におけるカキの生育状況を、そこまで船で行って確かめるのではなく、船に搭載した5G通信機に接続された水中ドローンを使いまして、自動でカキの生育状況を捉え、水中ドローンを低遅延で操作することによって、これを陸地にいます漁業従事者がリアルタイムで確認をできるというようなアプリケーションの検証を行いました。
 この例は、細かい点はこの下の方に書いてある説明をお読みいただければと思うんですが、特に強調したいのが赤字で書いてございますところでして、一次産業における遠隔監視、遠隔制御に、5Gそれからローカル5Gの大容量かつ低遅延通信の有用性を確認したということになります。
 次のページが、これが水中ドローンを活用した漁場遠隔監視の実証実験の様子ですけれども、まず最初、これスマートフォンの画面ですけれども、水中ドローンを操作しながら、遠隔操作をしながら遠隔監視を高精細の画像によって行うという例でして、この実証実験を通して漁業従事者からは、非常にこれで労力が削減できるという意見をいただいているところになります。
 その下が実際の漁場でして、こちらはNTTドコモと共同でやっている実験ですが、漁場のカキいかだの近くに5Gの移動局、それから陸地に基地局を設置しまして、ここで映像とそれからドローンの低遅延の制御を同時に行うという実験を行いました。
 それでは、続きまして、次のページですけれども、こうした5Gを使った取組、それから次のお話でもありますように、ドローンも使ってカキの養殖場を確認するといったスマート化が地方でかなり有益性を確認していただいたところになります。
 続きまして、二つ目の実験ですけれども、こちらは、今度は陸上になりますけれども、国内初の5Gドローンを用いた4K映像のリアルタイム伝送に成功したという実証実験になります。
 皆さん御存じのとおり、ドローンは高精細な映像を捉えることが可能ですけれども、これは全て録画でやっているところになります。これが5Gの大容量伝送を使いますとリアルタイムに伝送が行えまして、地上の物体を高精細な映像で確認をすることが可能になります。
 次のページを見ていただきますと、これは広島県の瀬戸内海に架かる橋を横断するサイクリングしまなみというイベントですけれども、これは四年に一回、八千人のサイクリストが参加するイベントになります。当然、こういった場所ではいろんな危険があるわけですけれども、公共安全のために、空からリアルタイムで高精細映像によってこの参加者の安全をモニタリングするというユースケースが考えられます。こちらの実験で、大規模イベントにて公共安全のために、5Gドローンによるリアルタイム高精細映像による遠隔監視の有用性を確認することができました。
 下の映像は、その実際、この画面には約三千名が映っておりますけれども、この会場にいる三千名のサイクリストを高精細映像によって確認をすることが可能となりました。
 最後の実験ですが、次のページ行っていただきまして、こちらは北海道の新冠町になります。
 こちらで競馬の軽種馬を育成しているんですけれども、今度は8Kのライブ映像を活用しまして、これもドローンで5Gから伝送する。それから、厩舎にいる馬、ここに二百五十頭ぐらいおりますけれども、それを5Gで東京都心にいながら確認をすることができる。これは、馬主さんは大体都市部に住んでいらっしゃる方が多いので、遠隔でこのような馬の様子を、健康状態を遠隔監視できるというのは有用なアプリケーションと考えられています。
 このように、地方産業での高精細映像遠隔監視にドローンと5G、ローカル5Gの大容量通信の有用性を確認したということになります。
 次のページが実際の馬の映像ですけれども、ちょっとこれはビデオで確認をされるとよく分かるんですが、馬の毛並みの一本一本、それから、下におがくずがまいてありますけれども、おがくずが風で舞う様子、ここまでが高精細な映像で確認ができます。これも非常に評判の良いアプリケーションということになります。
 以上、アプリケーション例、ユースケース例、特に地域創生に関わるところを御紹介いたしました。
 ここから少しローカル5Gについてお話をします。
 これまでは、公衆網の5G、通信事業者が行う5Gについての話でしたが、実際にこういった地域創生のための課題解決はローカル5Gが非常に有効であると考えられています。二〇一九年の十二月に制度化されました。こちらに挙げてある地域の企業、自治体、それから大学、我々のような様々な主体が、自らの建物それから敷地内でスポット的に柔軟に構築できる、しかも最新の5Gシステムが構築できるということで期待を集めています。
 その次のページにありますように、周波数は、キャリア、通信事業者が使っているところから少し上あるいは間の領域を使いまして、ここと干渉しない形で利用が可能となっています。
 こうした自営網のローカル5G、それから地域に展開される公衆網の5Gは、地域創生に寄与する重要な施策であると考えられまして、特にこの周波数帯域の利用拡大、それから規制緩和、産学官連携による研究開発と社会実装の推進が必要であると考えています。
 続きまして、次のページですけれども、こうした5G、それからローカル5Gの推進をしていくためには移動通信のインフラを整備しないといけないわけですけれども、この移動通信のインフラ機器市場の状況、ここでは未来投資会議の資料を引用しておりますけれども、左側が国内の携帯電話の基地局市場、右側が世界の移動通信のインフラ機器市場となります。
 左側を見ていただくと、富士通、NECといった国産企業が並んでおりますけれども、右側、世界で見ますと、富士通やNECのマーケットシェアというものは非常に小さくなってございます。このように、国産の企業が国家の屋台骨を支えるインフラの機器の市場をまだ世界では支え切れていないという点が挙げられます。国内でも、左側を見ていただくと、海外の列強がシェアを伸ばしているという状況になっています。
 安全保障の観点からも、国策として研究開発を支援しまして、国際的にも競争力のあるインフラ開発技術の確立が望まれると考えております。
 最後のページですが、これは冒頭の一枚のスライドと同じですけれども、一言で申し上げますと、この五つのポイントを意見として提出しまして、特定高度情報通信技術活用システムに関する法案、こちらを強く支持する次第です。
 以上、私からの意見となります。

発言情報

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発言者: 中尾彰宏

speaker_id: 24062

日付: 2020-05-21

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会