経済産業委員会

2020-05-21 参議院 全88発言

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会議録情報#0
令和二年五月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     須藤 元気君     勝部 賢志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         礒崎 哲史君
    理 事
                阿達 雅志君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                浜野 喜史君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                河井あんり君
                高橋はるみ君
                牧野たかお君
                宮本 周司君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                斎藤 嘉隆君
                竹内 真二君
                新妻 秀規君
                三浦 信祐君
                岩渕  友君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   参考人
       東京大学大学院
       情報学環教授   中尾 彰宏君
       東京大学未来ビ
       ジョン研究セン
       ター特任教授   鈴木 真二君
       東京都立大学大
       学院法学政治学
       研究科教授    伊永 大輔君
       駒澤大学名誉教
       授        福家 秀紀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特定高度情報通信技術活用システムの開発供給
 及び導入の促進に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○特定デジタルプラットフォームの透明性及び公
 正性の向上に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
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礒崎哲史#1
○委員長(礒崎哲史君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、須藤元気君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君が選任されました。
    ─────────────
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礒崎哲史#2
○委員長(礒崎哲史君) 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案及び特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、東京大学大学院情報学環教授中尾彰宏さん、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授鈴木真二さん、東京都立大学大学院法学政治学研究科教授伊永大輔さん及び駒澤大学名誉教授福家秀紀さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見をいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、中尾参考人、鈴木参考人、伊永参考人、福家参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきいただければと思います。
 なお、御発言の際は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず中尾参考人からお願いいたします。中尾参考人。
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中尾彰宏#3
○参考人(中尾彰宏君) 東京大学の中尾でございます。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、5G、ビヨンド5G、これは6Gとも呼ばれていますが、技術への期待ということで御説明をさせていただきます。お手元の資料を御説明いたします。
 冒頭、これ二ページ目になりますけれども、こちらに書いてございます五つのポイントが今日私から申し上げたいポイントとなります。
 まず一点目が、超大容量、超低遅延、超多数接続という特徴を持つ5Gは、我が国において国家の屋台骨となる強靱なインフラを支える最重要の技術であると認識をしています。
 二つ目、自営網のローカル5Gと地域に展開される公衆網の5Gは地域創生に寄与する重要な施策であって、特に規制緩和、利用周波数帯域の拡大、産官学連携による研究開発と社会実装の推進が必要であると考えています。
 三番目、安全保障の観点からも、国策として研究開発を支援して、国際的にも競争力のあるインフラ開発技術の確立が望まれると考えております。
 四番目、今日も皆さんマスクをしていらっしゃいますけれども、新型コロナウイルス感染症で大学でも遠隔通信の重要性が遠隔教育等で再確認された今、安心、安全かつ全国隅々まで行き渡る、堅牢で大容量の移動通信技術が必要であると考えます。
 最後ですけれども、二〇三〇年頃を目指して実現されると言われていますビヨンド5G、6Gに向けて、既に国際競争が始まっています。5Gからビヨンド5Gに至る研究開発の推進が必要であると考えております。
 それでは、この一つ一つについての根拠となる資料について御説明をしたいと思います。めくっていただきまして、三ページ目から御説明いたします。
 まず、これは皆さん恐らく御存じだと思いますけれども、5Gにおける無線通信の変革、これは目標値が五つ掲げてありますけれども、ピークデータ帯域で二十ギガbps、これは一秒間に二十ギガビットを伝送する速度になりますけれども、これが、基地局当たり伝送能力が確保されると、ユーザー一人当たりの体感速度は今の大体約十倍になりまして、百メガbpsとなると言われています。右側、移動体速度、時速五百キロで走るリニア新幹線の中でも使えるようにならないといけないと。それから一番右下ですが、低遅延、これは無線区間で千分の一秒、一ミリセックの遅延で伝送が行われるという目標値になっています。左下、単位面積接続数当たり百万デバイスが一平方キロ当たり接続できるという、こういった目標値がITU―Rで決められています。
 この真ん中のグラフは、中央が今のLTE、4Gと言われている通信の目標値でして、それに比べて一桁から二桁ぐらい目標値が大きく革新するというのが5Gの特徴となります。
 下のページ、四ページ目ですが、5Gにおけるこれらの目標値を達成するべき通信を使いまして、三つの代表的な通信クラスが定義されています。
 一つ目、大容量、二つ目、超信頼超低遅延、最後が超多数デバイスですけれども、先ほど御説明した目標値を照らし合わせますと、大容量でいいますと、先ほどの体感速度、それから超低遅延、それから超多数デバイス、デバイス数ですね、こういったものが言われております。ですので、一般に5Gと言われますと、大容量、超低遅延、超多数デバイスが接続というふうに言われているのは、この通信のKPI、目標値によって説明がされます。
 続きまして、次のページですけれども、このような5Gなんですが、日本では5Gの周波数の割当てが既に終わっておりまして、三月から既に商用化されております。この詳しいところは資料を見ていただければと思いますけれども、三・七ギガヘルツ帯、四・五ギガヘルツ帯に加えまして、二十八ギガヘルツ帯という、まあ一般にミリ波と言われているところが新しく使われるということになっています。
 次のページ。こういった周波数を使いまして、商用化に至る道筋が書かれています。
 過去三年間にわたりまして、二〇一七年、一八年は主に通信事業者を中心とした実証実験が行われてまいりました。ICTインフラの八つの課題を、領域を設定しまして、この中でいろいろな実証実験を確かめて、ユースケースを確認してまいりました。二〇一九年に地域に速やかに5Gを展開しようという閣議決定がございましたので、二〇一九年は、地域から出された利活用アイデアの実証が大きく行われました。こうした三年間の実証実験を踏まえた上で、今年の三月から5Gのサービスが開始している状況となります。
 次のページですけれども、5Gの実証実験の実施例はこのように全国津々浦々、いろいろな場所でいろいろな課題で実証実験が行われてまいりました。この一つ一つは今日御説明する時間がありませんけれども、私が取り組んだ三つの例について御紹介をいたします。
 それでは次のページですが、こちらは広島県の実験ですけれども、広島県ではカキ養殖が盛んに行われています。漁業従事者の労働力の負担削減に向けた取組の一つとしまして、カキ養殖におけるカキの生育状況を、そこまで船で行って確かめるのではなく、船に搭載した5G通信機に接続された水中ドローンを使いまして、自動でカキの生育状況を捉え、水中ドローンを低遅延で操作することによって、これを陸地にいます漁業従事者がリアルタイムで確認をできるというようなアプリケーションの検証を行いました。
 この例は、細かい点はこの下の方に書いてある説明をお読みいただければと思うんですが、特に強調したいのが赤字で書いてございますところでして、一次産業における遠隔監視、遠隔制御に、5Gそれからローカル5Gの大容量かつ低遅延通信の有用性を確認したということになります。
 次のページが、これが水中ドローンを活用した漁場遠隔監視の実証実験の様子ですけれども、まず最初、これスマートフォンの画面ですけれども、水中ドローンを操作しながら、遠隔操作をしながら遠隔監視を高精細の画像によって行うという例でして、この実証実験を通して漁業従事者からは、非常にこれで労力が削減できるという意見をいただいているところになります。
 その下が実際の漁場でして、こちらはNTTドコモと共同でやっている実験ですが、漁場のカキいかだの近くに5Gの移動局、それから陸地に基地局を設置しまして、ここで映像とそれからドローンの低遅延の制御を同時に行うという実験を行いました。
 それでは、続きまして、次のページですけれども、こうした5Gを使った取組、それから次のお話でもありますように、ドローンも使ってカキの養殖場を確認するといったスマート化が地方でかなり有益性を確認していただいたところになります。
 続きまして、二つ目の実験ですけれども、こちらは、今度は陸上になりますけれども、国内初の5Gドローンを用いた4K映像のリアルタイム伝送に成功したという実証実験になります。
 皆さん御存じのとおり、ドローンは高精細な映像を捉えることが可能ですけれども、これは全て録画でやっているところになります。これが5Gの大容量伝送を使いますとリアルタイムに伝送が行えまして、地上の物体を高精細な映像で確認をすることが可能になります。
 次のページを見ていただきますと、これは広島県の瀬戸内海に架かる橋を横断するサイクリングしまなみというイベントですけれども、これは四年に一回、八千人のサイクリストが参加するイベントになります。当然、こういった場所ではいろんな危険があるわけですけれども、公共安全のために、空からリアルタイムで高精細映像によってこの参加者の安全をモニタリングするというユースケースが考えられます。こちらの実験で、大規模イベントにて公共安全のために、5Gドローンによるリアルタイム高精細映像による遠隔監視の有用性を確認することができました。
 下の映像は、その実際、この画面には約三千名が映っておりますけれども、この会場にいる三千名のサイクリストを高精細映像によって確認をすることが可能となりました。
 最後の実験ですが、次のページ行っていただきまして、こちらは北海道の新冠町になります。
 こちらで競馬の軽種馬を育成しているんですけれども、今度は8Kのライブ映像を活用しまして、これもドローンで5Gから伝送する。それから、厩舎にいる馬、ここに二百五十頭ぐらいおりますけれども、それを5Gで東京都心にいながら確認をすることができる。これは、馬主さんは大体都市部に住んでいらっしゃる方が多いので、遠隔でこのような馬の様子を、健康状態を遠隔監視できるというのは有用なアプリケーションと考えられています。
 このように、地方産業での高精細映像遠隔監視にドローンと5G、ローカル5Gの大容量通信の有用性を確認したということになります。
 次のページが実際の馬の映像ですけれども、ちょっとこれはビデオで確認をされるとよく分かるんですが、馬の毛並みの一本一本、それから、下におがくずがまいてありますけれども、おがくずが風で舞う様子、ここまでが高精細な映像で確認ができます。これも非常に評判の良いアプリケーションということになります。
 以上、アプリケーション例、ユースケース例、特に地域創生に関わるところを御紹介いたしました。
 ここから少しローカル5Gについてお話をします。
 これまでは、公衆網の5G、通信事業者が行う5Gについての話でしたが、実際にこういった地域創生のための課題解決はローカル5Gが非常に有効であると考えられています。二〇一九年の十二月に制度化されました。こちらに挙げてある地域の企業、自治体、それから大学、我々のような様々な主体が、自らの建物それから敷地内でスポット的に柔軟に構築できる、しかも最新の5Gシステムが構築できるということで期待を集めています。
 その次のページにありますように、周波数は、キャリア、通信事業者が使っているところから少し上あるいは間の領域を使いまして、ここと干渉しない形で利用が可能となっています。
 こうした自営網のローカル5G、それから地域に展開される公衆網の5Gは、地域創生に寄与する重要な施策であると考えられまして、特にこの周波数帯域の利用拡大、それから規制緩和、産学官連携による研究開発と社会実装の推進が必要であると考えています。
 続きまして、次のページですけれども、こうした5G、それからローカル5Gの推進をしていくためには移動通信のインフラを整備しないといけないわけですけれども、この移動通信のインフラ機器市場の状況、ここでは未来投資会議の資料を引用しておりますけれども、左側が国内の携帯電話の基地局市場、右側が世界の移動通信のインフラ機器市場となります。
 左側を見ていただくと、富士通、NECといった国産企業が並んでおりますけれども、右側、世界で見ますと、富士通やNECのマーケットシェアというものは非常に小さくなってございます。このように、国産の企業が国家の屋台骨を支えるインフラの機器の市場をまだ世界では支え切れていないという点が挙げられます。国内でも、左側を見ていただくと、海外の列強がシェアを伸ばしているという状況になっています。
 安全保障の観点からも、国策として研究開発を支援しまして、国際的にも競争力のあるインフラ開発技術の確立が望まれると考えております。
 最後のページですが、これは冒頭の一枚のスライドと同じですけれども、一言で申し上げますと、この五つのポイントを意見として提出しまして、特定高度情報通信技術活用システムに関する法案、こちらを強く支持する次第です。
 以上、私からの意見となります。
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礒崎哲史#4
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。
 次に、鈴木参考人にお願いをいたしたいと思います。鈴木参考人。
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鈴木真二#5
○参考人(鈴木真二君) 東京大学未来ビジョン研究センターの鈴木真二です。
 先ほど中尾先生からお話もありました、ドローンに関する、ドローン本体のお話を今日はさせていただければと思っております。
 お手元に資料があるかと思いますが、これに従いましてお話をさせていただきます。「ドローンによる「空の産業革命」への期待と課題 セキュアなドローンとその活用に向けて」ということでお話をさせていただきます。
 一枚めくっていただきますと、二枚目ですが、ドローンは小型の無人航空機ということになりますが、この無人航空機自体には非常に長い歴史があるわけでございます。その最初の大きな利用は、第二次世界大戦中に標的機、地上から飛行機を狙って撃つ場合の標的機としてこの遠隔操作の無人航空機というのが造られたわけであります。主にアメリカ、イギリスが中心でしたけれども、日本でも開発されたことがございます。戦時中に九千機ほど造られて、大きな産業にもなったということでございます。
 こうしたターゲットドローンは今でも利用されているわけでありますけれども、いわゆる産業利用、民間の利用という意味では、農薬散布に遠隔操作のヘリコプターが日本で初めて開発されまして、民生利用のドローンという意味では日本が世界に先駆けていたという状況がございます。
 昨今のドローンのブームは、こうした飛行機やヘリコプターのようなタイプではなくて、複数のプロペラをモーターで回すことによって自由に空を飛ぶいわゆるマルチコプターというものが、二〇一〇年にフランスのパロット社、二〇一二年に中国のDJI社から発売され、世界中に大きく広がったという状況がございます。これを支えている技術は、どちらかというとPCですとかスマートフォンの技術でありまして、軽量のバッテリー、リチウムイオンバッテリー、それから半導体センサー、CPUはもちろんですけれども、GPSによる位置捕獲技術、WiFi、ブルートゥースのような無線技術、こうしたタブレットとかスマートフォンの技術がベースになっており、その生産拠点は中国にあるという状況になっております。
 次のページ御覧ください。
 このドローンが空の産業革命を開くということで期待されているのは、様々な産業分野で活用ができるということが期待されているということがございます。空撮の分野が当初から使われておりますけれども、上空から撮影が行えるということで、報道、番組、宣伝、こうしたものはもちろんですけれども、最近では、上空から撮影した写真を合成して地上の3Dモデルが安易に作れるということで測量とか点検に使われるようになってきており、さらには、警備、捜索といったような分野でも活用が始まっております。
 次に、このドローンを使って物を運ぶということが大きく注目されるようになってきております。物流はもちろんですけれども、災害時の緊急輸送、またケーブルの敷設、こういったところで既に活用が始まっているところであります。
 先ほどお話しした農薬散布は上空から物を落とすというミッションになりますけれども、農薬以外に消火剤をまくといったようなことでも活用が期待されております。
 次の中継は、まだ実用化は始まっておりませんけれども、通信の中継、また遠隔操作の無線の中継といったところで今後の活用が期待されております。右にちょっと小さな写真がありますけれども、ソーラーパネルを無人機に搭載して成層圏を長期間飛び続けることで中継基地としようというような試みが世界中で研究が始まっております。
 また、最後のサンプリングは、今、福島で放射線の計測等で既に使われているところでございます。
 次、お願いいたします。
 このドローンの技術は急速に拡大しているということが言えます。
 右にある表は、米国連邦航空局が発表した例であります。我が国ではまだドローンの登録制度が始まっておりませんので、どのぐらいの数が使われているかということを確実に把握することはできませんが、米国では二〇一五年に登録制度が始まり、百十万台が小型無人機として米国で使われているということが把握されました。そのほとんどはホビー用途でありますけれども、産業利用は四万台、それを操縦するドローン操縦士が二万人登録されました。米国FAAはこのとき五年後の予測値というのを出しておりますけれども、特に注目いただきたいのは、産業利用が十倍、それを操縦する人が十倍から二十倍必要になると、こういったデータを予測値として出しておりますが、現状のデータでもそれをほぼ裏付ける結果が出ております。
 我が国の状況ですけれども、これは右下がドローンを使うその売上高というのを記載しておりますけれども、非常に大きな伸びを示しており、それから今後も伸びるということが想定されております。大きな売上げはサービスというところになるわけでありますけれども、左にあります分野別のグラフを見ていただきますと分かるように、当初は先ほどお話ししましたような農業利用が多かったわけでありますけれども、今は点検というのが非常に拡大しつつあり、今後更に物流利用が期待できるということが予測されているところでございます。
 次、お願いいたします。
 こうしたドローンの利用が広がる一方で、事故や不正利用というのも目立つようになってきております。
 最初の事例は、ちょっと前の事例ですけれども、二〇一四年、湘南国際マラソンでドローンが墜落して、けがが起きた。また、二〇一四年、これは名古屋市のテレビ塔を夜空撮するドローンが墜落したということで、こうした事故が起きております。
 また、最近では、空港がドローンの飛行によって遮断される、閉鎖されるということが世界的に課題になっております。大きな事例としましては、二〇一八年十二月にロンドンのガトウィック空港で二、三日空港が閉鎖して非常に大きな経済的な影響を与えたと言われております。また、我が国でも昨年十一月、関空に着陸中のパイロットがドローンらしきものを発見し、一時間ほど運航が停止されたと、こういうことが起きております。
 ドローン、簡単に飛ばせるがゆえに、様々な事故や不正利用ということも起きてきているということが言えるかと思います。幸い、ドローンの墜落によって死者が起きるということはまだ発生しておりませんけれども、これは気を付けなければいけない事例かと思います。
 次、お願いいたします。
 このように、ドローンは非常に簡単に飛ばすことができるゆえに産業利用が期待されているところではありますが、やはりきちんと管理をしなければいけないということで、世界的にその規制が整備されつつあります。
 我が国では、二〇一五年に首相官邸の屋上で不審なドローンが見付かったということを契機に航空法が改正されて、ドローンの管理が始まりました。これは、ドローンを飛ばすために、自由に飛ばせる空域と、許可申請、国土交通大臣の許可を得なければ飛ばすことができない空域の設定、そして、その飛ばし方のルール化ということがまずは行われたというところでございます。また、その翌年には、小型無人機等飛行禁止法により、重要な施設の周囲では飛行してはいけないという、いわゆる飛行禁止法というのが制定されました。
 一方で、ドローンには産業を開く、新しい産業を開くということが期待されておりますので、その活用のために環境整備をしていこうということで、官と民が協力してこれに取り組むという官民協議会が設置されまして、毎年ロードマップを作って発表しております。
 右にあるものは当初作られたものでありますけれども、初期の目標は二〇一八年にドローンで物流を行えるような環境整備をしようということで、これはまだ人がほとんどいない無人地帯でのドローン物流ということになりますけれども、二〇一八年にその目標が達成されました。
 今掲げられている新たな目標は、二〇二二年を目途に有人地帯でのいわゆる目視外飛行、いわゆる物流等で使えるようにということで、新しい法制度の準備を官と民が共同して行っているという状況でございます。
 次、お願いします。
 こうした状況の中、欧米では更なる規制強化と新たなインフラ整備というのが始まっているところでございます。
 右の絵にありますのは、FAA、アメリカの連邦航空局が今年から制度化しようということで準備をしているもので、ドローン登録制度はもう既に始まっているわけですけれども、上空を飛んでいるドローン、ナンバープレートを付けているわけなんですけれども、上空を飛んでいますとそのナンバーは把握できませんので、上空から電波を自ら発信して自らの所有者とそれから位置を知らせるという、いわゆるリモートIDというものの搭載が義務付けられようとしています。
 さらに、ドローンをコントロールする基地局とそれからインターネットを接続することによって、その飛行情報を共有することで安全な運航を行おうという運航管理システムですね、UTMと呼ばれておりますが、こういったものも義務付けようということで準備が進んでおります。
 その下にあります絵は、アメリカの航空宇宙局、NASAが描くドローンの運航管理システムでありますが、無人航空機と有人航空機が同じ空域を共有することによって安全に空を活用していこうということで検討が進んでいるところで、我が国でもNEDOのDRESSプロジェクトでこうしたシステム、またドローン本体の研究開発が進んでいるところでありますけれども、今後ともこうした研究開発体制を維持していくことが必要になります。
 ドローンの本体がインターネットに接続して使うという状況が今後生まれてくることになりますが、これは新たなセキュリティーの課題を生むということでもございます。
 次、お願いいたします。
 これは御参考までにリストアップしているものでありますけれども、米国では非常に、安全保障上の視点、またセキュリティーの高い利用ということに関しては、そのデータの流出ということに関して非常に神経をとがらせておりまして、様々な法案が提出されており、そして海外のドローンの使用に関する規制も始まっているところでございます。
 次、お願いいたします。
 このドローンの利用の際のセキュリティー上の課題というものにどういうものがあるかというのをここではリストアップし、その対応、対策ということも一例として示しております。
 まず、ドローンがインターネットに接続することによって様々なデータ、それから飛行の履歴、飛行ログといいますけれども、こういったものが流出する可能性がある。これについては、そうした重要な領域を飛ぶドローンに関しては飛行の特定、そしてデータ流出に関するセキュリティー対策と認証、データの暗号化、こういった技術や法制度、こういったものが求められます。
 また、ドローンは無線で遠隔操作を行いますので、外部からの電波妨害や乗っ取りを受ける可能性があるということで、これに対する対策ということをきちんと立てる必要があります。また、ドローン本体、また地上局にはCPUが搭載されますので、それらにマルウエア、ウイルスが組み込まれていないかということも確認が必要になります。
 そして、上空から撮影した様々なデータ等には個人情報が含まれますので、これらの管理をどうするかということ。そして、将来的には、先ほどのようなUTM、リモートIDに対するセキュリティー管理ということが求められるわけでございます。
 最後のページですが、今回の法案によってドローンセキュリティーに対する対策ということが確実なものになることによって、我が国でのドローン利活用が進むということを大変期待しているところでございます。
 最後の絵は、ドローンがどのように活用されるかというところを概念的に描いたものでございますが、まず農林水産利用というようなもの、そして、空撮利用は既に始まっているところでありますけれども、将来的には過疎地、離島への輸送、またインフラの点検、そして都市部では緊急事態時の輸送、そして、例えばAEDの輸送等の利用が期待されているところでございます。こうしたドローンの利活用によって、高齢化する社会、また災害時の対応ということを頑固なものにする、そして生活の利便性、地方の活性化を高めるということが期待できるわけであります。
 こうしたセキュアなドローンの開発、日本が本来得意とするところでございますので、小型無人機、ドローンの世界への提供ということも新しい産業として期待できるところでございます。
 以上で私の発言を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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礒崎哲史#6
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。
 次に、伊永参考人にお願いいたします。伊永参考人。
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伊永大輔#7
○参考人(伊永大輔君) おはようございます。東京都立大学に所属しております伊永大輔と申します。
 本日は、法案審議における貴重な申述の機会をいただきましたので、デジタルプラットフォームをめぐる規制の必要性やその在り方について、私の専門である独占禁止法、競争政策の観点から意見を申し上げたいと思います。
 まず、私の現状認識について述べさせていただきます。
 デジタルプラットフォーマーと呼ばれる巨大IT事業者によるデータの独占が社会的関心を集め始めたのは二〇一七年頃からでした。これは、この時期、我が国において既存業種の垣根を越えたデジタル経済が一層進展したことへの反動、反作用でもありました。技術革新に支えられた新しいビジネスモデルの進展は、既存の事業者にとって競争上脅威となる反面、国民全体に広く便益をもたらす点で社会に大きなメリットももたらしたと言えます。
 デジタルプラットフォームは、都心よりも地方で、大企業よりも中小企業に、よりその恩恵をもたらします。例えば、これまで広告宣伝や営業担当部門に十分な人員や資金を回すことができなかった中小企業であっても、インターネットを通じて日本中あるいは世界中の消費者を相手に商売を展開することが可能になりましたし、小さな地域市場で事業活動をしていた企業は、良い製品、サービスをつくれば、地域を超えて販売網を拡大できるというメリットを享受できるようになりました。今や日常生活に不可欠なインフラの一つとして存在するデジタルプラットフォームは、社会的にも重要な役割を果たしていると言えます。
 このようなデジタルプラットフォームの良い面をくじくことなく、最大限その機能、能力を発揮し続けてもらうというのがこの分野における規制の基本的視座だと私は考えています。
 一方、デジタルプラットフォームには負の側面もあります。昨年十月に公表されました公正取引委員会の実態調査によりますと、年々市場が拡大しているオンラインモールやアプリストアにおいて多くの競争政策上の問題が報告されております。例えば、規約を一方的に変更された上で手数料を引き上げられたり、新しい決済システムに移行させられたりといった事例や、検索結果や手数料などについて自社や関連会社を優遇した運用がなされたといった事例を始め、様々な問題が表面化してきているところだと認識しています。
 こうした事例が生じている背景には、プラットフォーム事業者間の競争が活発でないとか、取引が不透明でブラックボックス化しているであるとか、取引先事業者との間に情報格差があって力の不均衡が生じているとか、そのような指摘がなされているところであります。
 このような事態に対し、公正取引委員会も積極的な独占禁止法の執行に力を入れております。二〇一七年のアマゾンジャパンに対する最恵国待遇条項をめぐる事件を始め、二〇一八年にアップルのアイフォン携帯電話の契約をめぐって、あるいは本年の楽天による送料無料化などについて、独占禁止法上の懸念を解消させる措置をとらせてきたと承知しております。
 他方、公正取引委員会による行政処分は、通常、裁判所による司法審査の対象となるものであり、厳格な法運用がなされております。そのため、法執行において柔軟な対応が取りにくく、事件の調査にはどうしても時間も人も掛かってしまいます。プラットフォームという多数の当事者を結び付けて取引を行うビジネスモデルにおいて、独占禁止法を適用する上でも多くの事実関係を調査する必要があり、一筋縄ではいかないことが多いことは想像に難くありません。
 それでは、独占禁止法以外の法律で規制することは可能かという点につきましても、市場構造全体が劇的に変わるようなデジタル経済の実装に対し、これまでどおり規制の枠を当てはめようとしてもうまくいくとは限りません。デジタルプラットフォームは、既存の事業概念の枠を超えて活動を展開しておりますので、事業法では対応できないことが多く、現在のところ有効な規制は独占禁止法以外に余り存在していないと言えます。
 そのため、独占禁止法を中心とした事後規制によって一つ一つ事例を積み重ねてルールを形成していくというのが基本となるわけですが、一方で、それだけでは今困っている事業者、消費者に対して十分に対応できないという現実が残ります。そこで必要となるのが、公正な競争に悪影響を与える行為を事前に抑止するとともに、先進的な取組を促進するといった規制の枠組みになると思います。
 本法案でも示されておりますこの規制枠組みは、特定デジタルプラットフォームに対し、契約条件の開示や変更の事前通知を義務付けたり、自主的な手続、体制の整備を行うよう義務付けたりしており、こうした義務を契機として先駆的な取組の促進を図ることが規定されております。
 EUにおきましても、この夏に施行が予定されておりますオンライン公正透明化規則で同様の規制枠組みがございまして、本法律案が実現すれば、日EUで規制の歩調がそろうことになります。
 また、事業者の創意工夫を最大限尊重しつつ消費者の利益を確保するためには、より柔軟な形でのルール形成も重要な役割を果たすことになると考えております。
 具体的には、モニタリングレビューという事業者による報告とその評価を通じた官民の継続的なコミュニケーションによって、具体的にどのような形で問題となっているかが共有され、その問題に対して自発的な解決に向けた取組を行うよう促す枠組みが本法律案に盛り込まれております。
 オンラインモールやアプリストアの運営事業者に対し定期的な報告を求め、その評価を通じた問題解決を行うというのは、デジタルプラットフォーマーの自主的、自発的な取組を促しつつ、更なる改善を求めるという成果を得るための現時点における最善策ではないかと考えております。これは、動きの速いデジタル市場を規制当局がしっかりと把握する上でも有効な枠組みでもあります。多方面からの情報収集により把握した問題、課題をプラットフォーマーと共有しながら、自主的な課題解決を見出し、これを他のプラットフォーマーにも広げていくという好循環を取引慣行に組み込んでもらうためです。
 もとより、優れたビジネスモデルとは、ユーザーや取引相手の権利を尊重し、その価値を真摯に受け止めることができたその先にあることは明らかです。こうした信頼を勝ち取ろうとする企業姿勢を評価し、具体的な取組を加速させることは、ユーザーの自主的かつ合理的な選択を確保し、公正な取引環境を実現する上でも重要な意味を持ちます。プラットフォーマーにとっても、デジタル経済における競争は、透明な取引条件に基づき、契約トラブルを未然に防止しつつ、ビジネスモデルへの安心感、信頼感を高める具体的対応を後押しするものが望ましいはずです。
 私は、こうした取組を積極的に促すに当たっては、法律に違反するかどうかといった単線的、一方的な捉え方をするよりは、法令遵守は当然のこととして、それとは別に、多様なユーザーの価値観に応えていくといった双方向の複線的な考え方が有効な場面ではないかと思っています。
 巨大IT事業者が率先して信頼できる透明な取引慣行を築くことによって、現在は不信感が募っているデジタルプラットフォームをより公正で透明な競争環境に変えていくことは、ユーザーや取引事業者に選ばれるプラットフォームになっていくためにも重要なことです。そのように考えますと、現時点ではモニタリングレビューを通じた共同規制が一つの有効策として機能していくことが期待されると考えております。
 最後に、デジタルプラットフォームをめぐる規制の在り方について、二点申し上げておきたいと思います。
 一点目は、プラットフォームを介した取引の透明化は、取引事業者にとって取引するかどうかの選択肢を実質的なものにするために必要なことでありますが、それと同時に、デジタルプラットフォーマー当事者にとっては、競争者に取引先事業者を奪われないよう、自らがより良い選択肢となるための不断の努力を促すという点が重要だということです。取引透明化によって独占禁止法違反を未然に防ぐだけではなく、プラットフォーム間の競争を活性化する効果が生まれることを過小に評価すべきではないと考えています。
 プラットフォーマーに対する競争の圧力は、様々な苦情や紛争の迅速な解決につながるだけではなく、取引先事業者との相互理解を促進するインセンティブをもつくり出します。また、プラットフォームは、モールの規模やアプリの品ぞろえによって多数のユーザーを引き付けるというネットワーク効果を重要視していますので、プラットフォーム間の競争が活発化すれば、今よりもユーザーの選択肢も広がりを持つようになるという副次的な効果も期待されます。
 このような競争の持つプレッシャーがデジタルプラットフォーム分野において非常に重要な役割を果たすことになると考えています。
 二点目は、取引の公正化についてです。
 取引先事業者からの搾取といった濫用行為が不公正であることについては多くの賛同を得られると考えておりますが、こうした搾取濫用もデジタルプラットフォームの問題として常々報告がされているところです。搾取濫用を直接規制することはもちろん重要ですけれども、取引の透明化、情報の開示を通じて、取引上、搾取しにくくする方向にも働くという点も指摘しておく必要があろうかと思います。デジタルプラットフォーマーも社会的評判からは無縁ではいられず、搾取の事実は根拠ある悪評として取引先事業者から敬遠されるもととなるからです。
 激しく移り変わるデジタル市場に公正な競争条件を整備することは容易ではありませんが、取引条件やそのプロセスを透明化すること自体が公正につながる要素を多く含んでいるということを踏まえますと、このような透明化した取引方法が商慣習として定着するということは公正な競争環境への大きな一歩となります。
 本法律案をきっかけとして、我が国においては、巨大IT事業者が積極的に優れた取引慣行を形成しようとすれば、それが業界のスタンダードとして市場に埋め込まれ、多くのプラットフォーム事業者が自発的に行うようになる可能性があります。こうした一つのムーブメントを引き起こすためには、まずはオンラインモールとアプリストアにおける巨大IT事業者を巻き込むところから始めることにも理由があると考えております。
 以上になります。
 御清聴いただき、どうもありがとうございました。
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礒崎哲史#8
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。
 次に、福家参考人にお願いいたします。福家参考人。
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福家秀紀#9
○参考人(福家秀紀君) 駒澤大学名誉教授の福家でございます。
 本日は、法案の審査に当たり意見を述べる機会を与えられたこと、大変光栄に存じます。
 早速、お手元にある資料に沿って説明させていただきたいと思うんですけれども、一枚紙でどんな項目について触れるか、参考資料の方で市場の現状、幾つかデータをまとめておりますので、こちらに併せて御覧いただければと思います。
 まず、デジタルプラットフォームの現状認識なんですけれども、この法案の規律対象としているのは両面市場におけるデジタルプラットフォームであると理解をしております。デジタルプラットフォームには出品事業者と一般利用者という二つのタイプの顧客が存在をして、プラットフォームは、この両者の間の間接的なネットワーク効果を利用してビジネス展開をしているのではないかと思います。
 この資料については、昨年、シカゴ大学、ここはどちらかというと市場原理主義の立場に立って規制緩和政策を推奨してきた経済学者が多いのですけれども、その重鎮の一人であるスティグラーという先生が設立した研究センターも、この市場は先行してビジネス展開をした事業者による寡占化、独占化の傾向が強いということから、一定の規制が必要であると提言しております。事実、プラットフォーム市場におきましてはGAFAの影響、GAFA、アメリカのIT四社ですけれども、グローバルに大変大きいものがございます。
 参考資料の表紙の次に表一というのがございますけれども、事業規模、これはもう日本の楽天とかヤフーに比べて比較にならないほど大きいと。しかも、収益性、まあ収益性を見る資料はいろいろありますけれども、売上高営業利益率で見てみますと、アルファベットは二一・一%、アップル二四・六、フェイスブック三三・九というふうに、まあアマゾンは小売業ですのでこれほど高くはないんですけれども、非常に高い収益性というものを誇っております。
 アマゾンは、ついでに触れさせていただきますと、アマゾンウェブサービスというクラウドのサービスで営業利益の六割を稼いでいる、こういう構造になっているわけでございます。
 したがいまして、次のページに表の二というので営業キャッシュフローを挙げておりますけれども、いずれも非常に潤沢なキャッシュフローを持っています。楽天と比較しますと、楽天はこれらに比べると数%にすぎないわけです。
 これだけ豊富なキャッシュフローを何に使っているかというのが、一つが、次のページにございますGAFAの研究開発費です。アルファベットが二兆八千億、アップル一兆七千億、フェイスブックは一兆四千億というふうに、日本で最大のRアンドD費用を使っているトヨタですら一兆一千億ですので、これをはるかに上回る研究開発費を使用しておるということで、もうこれらの企業は、今あるサービスに加えて、いろんな分野の企業を買収する、あるいは新規分野の技術開発を進める、こういうことで更に有利な地位に立ってきているわけでございます。
 というふうに考えていきますと、なかなか、我が国の大手のプラットフォーム事業者といっても、これに対抗するのは大変難しいんではないかということで、表の四、次のページにありますけれども、スマートフォンでは日本のメーカーはもう影も形もないと言っていいかと思うんですね。表の五がクラウドの世界シェアですけれども、これで見ても、アマゾン、マイクロソフトあるいは中国のアリババ集団といったところがシェアを占めていて、日本の企業はここに出てこない。
 こんなことでございますので、特に法案で目指すべきは、特定の企業を指定するわけではないんですけれども、GAFAといったような米国のIT企業が非常に強い市場支配力を持っている、こういう市場支配力から出品事業者あるいは一般利用者をいかに保護するのかということを考えていくことが重要ではないかと思います。
 もちろん、楽天の送料無料化問題ありますように、我が国の市場において一定の影響力があるプラットフォームの規制、必要ですけれども、私の問題意識としては、こういう米国の主要なIT企業が革新的なサービスの提供で消費者の利便の向上、これに寄与したことは非常に評価したいと思うんですけれども、他方では、具体的な市場支配力の濫用とか国際的な税逃れ、あるいは、フェイスブックは極端ですけれども、個人情報の悪用、あるいはアマゾンとかウーバーに見られますように、ギグワーカーの活用といった形で労働者の使い捨ても、成長にあるということは否定できないと思うんです。
 このように考えますと、本法案が立案されたということは非常に貴重なことだということで評価には値すると思いますけれども、具体的な中身についてやはり足りないところがあるんではないかということで、あと七項目ほど申し上げたいと思います。
 二番目が、項目にあります規律対象の明確化と拡大ということなんですけれども、この法案の定義だと両面市場を対象にしているということだと解されるんですけれども、この定義では、参考資料の一番最後にアマゾンの直販比率という資料がございますけれども、これは、アマゾン自身がサイトで販売しているものと、ファーストパーティービジネスと称していますが、それからマーケットプレイス、他社の商品を扱うというこの二つに分かれるんですけれども、近年、マーケットプレイスでの取扱いが増えてきておりますけれども、アマゾンは基本的には直販を中心にしたサービスであったわけですね。これは、この法律でいうと、両面市場に当たらないから網の目から漏れているんではないかというふうに考えられます。
 EUにおきましては、オンラインの仲介サービス事業者、ここでいうプラットフォーム事業者と並んでオンライン検索事業者も規制対象になっているということで、グーグルの検索サービスなんかも射程に入れているわけですけれども、日本はこれが入らないのではないかと考えると、規制対象が非常に狭いんではないかと。その拡大、明確化を図っていく必要があるんではないかというふうに考えております。
 法案では、売上総額などから見て、大規模なオンラインモール、アプリストアを政令で特定デジタルプラットフォームとして指定するということで、報告などについて詳細な規律が規定されていますが、この政令がどうなるかということにもよるんですけれども、余りに大きいところで切ると規制対象が少なくなり過ぎるし、逆に、小さいところまで入れますと届出などの義務に加えていろんな義務が課せられているので過剰な負担になるんじゃないか。
 この法案では内外無差別に適用するとされておりますけれども、じゃ、売上高ってどうなるんだろうと。日本の売上高が、アマゾンのように公表されているものもありますけれども、把握が困難なものもあると。EUなどは、基本的にはEU向けにサービスを提供している事業者の全世界での売上高ということから規制を考えておりますので、こういったことも考えられようかというふうに思うわけです。
 同時に、どこまで届出義務を課すかということにも関わるわけですけれども、小規模な海外の事業者も全て日本向けにサービス提供していればここに届出義務があるんだというふうに考えるのもいささか非現実的という、この両面、二つの側面があろうかと思います。
 三番目に、具体的な禁止行為、それから罰則の問題ですけれども、基本的に共同規制の考え方に沿って取引の透明性、公正性の向上を図るという考え方のようですが、そのために、取引条件などの情報の開示と自主的な手続、体制の整備、それから運営状況のモニタリングというのが規律の三つの柱になっているかと思いますが、開示すべき項目は挙げても、そこで何が禁止されているのかということは明確になっておりません。EUではそれを具体的にかなり書き込んでおりますので、同じ共同規制といってもかなり濃淡があるのではないか、それでいいのかなというのが問題意識です。
 イノベーションが期待される分野、流動的な市場だと、それはそのとおりなんですけれども、かといって、基本的に禁止しなければいけない行為、これは存在すると思うんですね。
 昨年の公正取引委員会の報告書においても競合商品の取引拒絶だとかいろんなことが指摘されておりますけれども、こういう問題行為は禁止するんだということを明示しておく必要があるんではないか。事業者の自主性に任せるというのは、いささか抑止効果の面で限界があるように思います。GAFAのように、市場でもう大きな地位を占めてしまった企業に対してこれが効果があるかというのはいささか疑問に思っております。
 ということで、大手のプラットフォーム事業者がこの法案の規律に従うか。罰金という面を見ましても、EUなどは競争法違反に対してグーグルに累計で一兆円近くの制裁金を科しているわけですけれども、これほどの規模の企業にとっては、この日本の法案に示されているような罰金というのは痛くもかゆくもないんじゃないかというような気がいたします。
 事実、その次に考えなきゃいけないのは、一般利用者の保護に関する規律の明示ということでございまして、これはもう細かいところは省かせていただきますけれども、マスクの販売だとか、いろんなところでいろんな行為が問題視されているわけで、こういったことを禁止するという面で一般利用者を保護していくということが必要なんじゃないかと思います。
 五番目は、先ほども申し上げましたけれども、GAFAなど海外の事業者に対する規律、これ本当に有効に働くんだろうかということですね。プラットフォーム事業者が守るべき指針が第七条で示されて、国内管理者の選定も義務付けられているわけですけれども、これ本当に守られるんだろうかという疑問がございます。
 それから、六番目は個人情報の保護。もうこれはあらゆる機会に強調されておりますけれども、プラットフォームというのは出品者、消費者の個人情報を収集、分析して商品販売、広告販売に活用するという仕組みでありますので、ここに一つの枠をはめておくということが必要なんだろうと思います。
 こう申し上げている私も、アマゾンなんかは非常に便利なので愛用しているわけですけれども、これ、利用規約というのがございますね。利用規約にいろんなこと書かれているわけですけれども、これに承諾しないとそのサービス自体が利用できないという仕組みになっておりますので、このことを考えていく必要があるんじゃないかと思います。
 七番目は、ギグワーカーなど、アマゾンやウーバーですけれども、これ、個人事業者とされて、何か事故があったときにも、ウーバーなんかはこれは無視している、個人の責任だと言っているようなことがありますから、そこを保護していく必要があるんじゃないかと。
 最後は、やはりこういったものをトータルで考えていくためには、一つの独立したデジタルプラットフォームを対象にした規制機関を設立をして、それからプラットフォームと事業者あるいは消費者との間の紛争の解決も図っていくというのも一つのアイデアではないかなというふうに私は考えます。
 ということで、今のデジタルプラットフォームの現状というものを考えますと、やはり一定の規制、これは明確化していくことが必要なんじゃないかということを私としては強調させていただいて、陳述を終えさせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
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礒崎哲史#10
○委員長(礒崎哲史君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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阿達雅志#11
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志でございます。
 本日は、参考人の皆様、大変貴重なお話をありがとうございました。
 早速、質問に入らせていただきたいと思います。
 特定デジタルプラットフォームの透明化法案について、ただいま福家参考人の方から、この法案の射程距離、射程範囲ですかね、これが非常にある意味限定をされたプラットフォーマーと事業者、BツーBの中の、しかもアプリの部分、アプリストアとオンラインモール、基本的にはこの透明化に限った問題だという御指摘をいただきました。また、伊永参考人も、お話の中で、今回このルール、まずはオンラインモールとアプリストアの透明化から始めることには理由があるという形で、やはりこの法案がある意味非常に限られたもので、その大きな中でのデータの独占活用についてのルール、あるいはプラットフォーマーの優越的地位についてのルールそのものにまでは踏み込んでいないんだという、こういう御指摘、お二人からあったというふうに思うんですけれども。
 そこで、ちょっとお二人にお聞きしたいのは、先ほど福家参考人のお話にもありましたとおり、海外では既にプラットフォーマーというのは、相当現在の独占禁止法でいろいろな問題指摘がされていると。それに比べて、日本では、公正取引委員会がこういう海外の大手のプラットフォーマーを海外並みのレベルで今まで追及をしたことがない、調査したことがない、やはりここに大きな根本的な問題があるんじゃないか。
 なぜ日本の独禁法は、同じような行為をしていても、海外では独禁法が使われるのに日本では使われないのか、これについてちょっと御意見をお二人からいただけるでしょうか。
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礒崎哲史#12
○委員長(礒崎哲史君) それでは、まず伊永参考人から御答弁お願いいたします。
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伊永大輔#13
○参考人(伊永大輔君) 御質問ありがとうございます。
 今御指摘がありましたように、EUでは、かなり以前から巨大ITに対してかなり積極的な競争法の運用をやってきております。競争法というのはEUにおける独占禁止法になりますが、かなり積極的に行ってきていると承知しております。これは、EUがデジタル単一市場ということで、域内の市場というのを一つのまとまった境目のない市場として構成していきたいという強い思いの表れの一つというふうに理解しておりますが、いずれにしましても、非常に積極的な運用をしているのは間違いないと思います。
 翻って、我が国について考えてみますと、アマゾンそれからアップルなどに対して問題を解消させる措置は行ってきているものの、EUほど峻烈な制裁を科していないという点で、その点については差があるということも承知しております。
 一方で、EUの方の運用というのは実はかなり時間が掛かっていて、やはり制裁金、多額の制裁金を科すにはそれなりの証拠であるとか事実関係の精査が必要になってきますので、非常に時間を掛けて調査をしております。他方、日本の処理の仕方というのは、被害が拡大しないようにスピード感を持って処理をするということに重点を置かれたやり方であろうと思います。
 いずれがいいかというのは賛否両論あろうかと思いますけれども、視点の置き方が大きく異なりますので、なかなかその両者を比べることは難しいと思います。
 ただ、日本の独占禁止法の運用も、ルール形成というところは大事かと思いますので、迅速な執行というのを重視しながらも、デジタル市場におけるルール形成を独占禁止法によって果たしていくという点を強く意識した運用が必要だという点では、委員に賛成するところであります。
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礒崎哲史#14
○委員長(礒崎哲史君) 次に、福家参考人、お願いいたします。
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福家秀紀#15
○参考人(福家秀紀君) なかなか、公正取引委員会を評価するほど私はその分野の研究はしていないわけですけれども、一言で申し上げると、いささかEUは、アメリカの企業に対しても積極的にこれを規制していこうという姿勢がうかがわれるわけですね。
 これは、一つはやはり、先ほど伊永参考人の方からもお話あったように、EUを一つの市場として競争力を付けていこうというのが基本にあるからだろうと思うんですが、日本の場合は、やはり日米関係といいますか、これは私の推測になるかもしれませんが、ここを重視していくということになると、アメリカの企業と正面切って対決になるような取扱いはしたくないし、そのための法的な基礎というものもできていないと。
 仮に、幾つか公正取引委員会でも、アマゾンとか、取引について取り上げられてきていますけれども、もう罰則は、先ほども申し上げた、本当に彼らから見ると、GAFAから見るとスズメの涙なんですね。ということは、もう先行して何かビジネスを展開した方が有利だという仕組みになっているので、このためにも、こういうデジタルプラットフォームの透明化、こういういわゆる法案は公正性も含めて非常に有効だと思うんですけれども、それを更に機能させるためには一定の罰則の強化ということも不可欠ではないかというふうに考えております。
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阿達雅志#16
○阿達雅志君 どうもありがとうございました。
 このデジタルプラットフォーマーに対するいろんな規制というのは、多分これから、これで最後ということではなくて、また引き続きいろんな議論がなされていくと思いますので、今のお話もしっかりと参考にさせていただきたいと思います。
 それでは、中尾参考人に、5Gについてちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 中尾参考人の特に提言的に書かれている中で、今後の研究開発の必要性、社会実装の推進の必要性ということで、そういう中で、安全保障の観点からも、国策として研究開発を支援し、国際的に競争力のあるインフラ開発技術の確立が望まれると、こういうふうに御説明があったわけですが、一方で、御説明の中で、移動通信インフラ機器市場の状況ということで見ると、日本のベンダーというのは、この5Gベンダーということでいっても存在感が余りにもない。非常にこの機器の部分では、ハードウエアという部分ではもう若干勝負があったなという感も受けるわけです。
 そういう中で、これは中尾参考人がほかのところでもお書きになっていたことですけれども、最近のこの通信ネットワークの議論の中で、ソフトウエア化、これが非常に進んできて、逆にこういうハードの部分というのはどんどんホワイトボックス化して、かつてのような専用機器がハードとソフト両方を備えているというよりは、ハードウエアサイドはむしろ汎用性があるホワイトボックス化して、そこにソフトウエアを乗っけていくんだと。特に、中尾参考人が今までいろいろ開発をされてこられたSDN、ソフトウエア・ディファインド・ネットワークだとか、NFVだとか、あるいはスライシングの技術、あるいはエッジコンピューティング、こういったところで、実際には基地局、それからコアネットワークのソフト化というのも今どんどん進んでいると。
 こういう、ハードのところでは負けているけれどもソフトの部分が5Gでは大事だという中で、中尾参考人がお考えになるその研究開発への支援ということ、これ、具体的にはどういう分野でどういう形の支援、これがいいというふうに思われるのか、御意見をお聞かせください。
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中尾彰宏#17
○参考人(中尾彰宏君) 阿達先生、どうも御質問ありがとうございました。
 私が今日提示した資料の中にはソフトウエア化についてはあえて書かせていただいていないんですが、今御指摘があったように、今後、日本企業が世界のインフラ機器のマーケットを取っていくに当たって、ソフトウエア化と言われている、ネットワークの機器をソフトウエアによって汎用機器上に構成していく技術、ここには非常に期待が持てると考えています。
 これは、ハードのその基地局を注力しなくてもいいということでは決してないんですけれども、ただ、このような差が付いてしまっている状況の中で起死回生の一手を出すとすれば、ソフトウエア開発のところに注力をするというのは、戦略上非常に重要なことではないかと考えています。
 特に今年の冒頭でアメリカが、米国がソフトウエア、5Gにおけるソフトウエアに注力をするべきという戦略を掲げておりますが、これも全く同じような、米国から見ましても、欧州それから中国のハードウエア機器が市場を席巻している状況ですので、同じように考えているところであります。
 特に、今回の法案でも指摘がありますけれども、オープン性を持ったネットワークの機器の開発を進めなくてはいけないと。このオープン性というのは非常に重要でして、これまで例えば基地局全体をハードウエアで構成しないと打っていけなかったところ、各コンポーネントですね、構成要素を、インターフェースを、例えばオープン・レディオ・アクセス・ネットワークという、オーランという仕組みがございますけれども、インターフェースさえ守っていけばこれ国際市場に打って出ることができます。
 これは、ハードでもソフトウエアでも両方それは適用できる考え方なんですけれども、特にソフトウエア化、先ほど御指摘のあったSDN、NFV、ここはまだ競争が始まったばかりというところがありますので、日本の研究開発としては、ハードとともにこのソフトウエアを使ったソフトウエア化の方向性、これに注力をして、特に大学の持つ知見、これを用いて産学官連携で進めていくべきと考えています。
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阿達雅志#18
○阿達雅志君 どうもありがとうございました。やっぱりこのソフトウエアをしっかり大学で研究している、これをその実装のところへ持っていくというのが非常に大事だというお話だというふうに理解をいたしました。
 一方で、このビヨンド5G、6Gのところでも同じように研究開発の推進が必要であるというふうに御指摘をいただいているんですが、このビヨンド5Gということでいくと、今6Gに関して、光半導体を使うとかフォトニクスで、これはインテルと、それからNTT、それともう一社がソニーですかね、こういう三社がIOWNという形でやったりですね、むしろ、ここになるとハードの部分も必要なのかなと、その点が5Gの研究開発と6Gでちょっと違うのかなというふうに思うんですけれども、6Gについてはハード、ソフト両方での研究開発という、こういう理解でよろしいんでしょうか。
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中尾彰宏#19
○参考人(中尾彰宏君) 御質問ありがとうございます。
 これから、ビヨンド5G、6Gの研究開発の方向性というものは、これは総務省でも経産省でも議論がされていくところではあるんですけれども、まず、我が国が持っている技術的なところの強み、これを生かす形で進めるのが、ここが肝要であると考えています。
 御指摘のように、無線であるとか光通信、NTTを中心としたIOWN構想というものが、オール光という構想がありますけれども、これは、例えば大容量であるとか低消費電力、こうしたところに寄与するハード屋の技術ではあるんですけれども、今後はハード、ソフト関わりなく、日本が持てる強みである技術、ここをフルに活用して、一気にこの戦略を立てて進めることが肝要であると考えています。
 ですので、ハードだけではなく、まあハードが強調されて報道されていたりするかもしれませんが、あらゆる強みを持つ技術の面で我が国が研究開発を推進すると考えています。
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阿達雅志#20
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 終わります。
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斎藤嘉隆#21
○斎藤嘉隆君 共同会派、立憲民主党、斎藤嘉隆です。
 四人の先生方、今日は貴重なお話をありがとうございました。
 お話を聞いた上で、それぞれの先生方にできれば時間の範囲内で一問ずつお聞きをしたいというふうに思います。
 まず、中尾先生にお伺いをしたいというふうに思います。
 これまでの技術開発の歴史から見ると、正しいかどうかは分かりませんけれども、技術開発の、技術の進歩にセキュリティーが付いてこない、こういう状況があったんではないかなというふうに思っています。5Gでいろんなことが可能になる反面、例えば、遠隔地からシステムの中枢に何らかの方法で侵入をして、IoTを使ってロボットを動かして何かテロのようなことをするとか、そういったこともこれまで以上に可能になってくるのではないかなというような思いをしています。
 ローカル5Gにしても、各地で小規模で行われる取組であって、これは更にセキュリティーの壁ということを考えると、もっと低くなるのではないかなと、そんな思いもしているんですけれども、この5Gにおけるセキュリティーについて、先生の御見識をお伺いをしたいというふうに思います。
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中尾彰宏#22
○参考人(中尾彰宏君) 斎藤先生、御質問ありがとうございました。
 今まさにおっしゃるとおり、ローカル5Gは非常に期待をしている技術ではあるんですけれども、これ使い方を間違えれば、これはほかの技術とも同じなんですけれども、一般に、一般の事業者が使えるようになった、仕切りの低くなった技術にはセキュリティーの考慮は必須だと考えています。これは、ローカル5Gのその施策がパブコメに出されたときも私から意見招請で書かせていただいたところになります。
 ですので、ここは、いろいろなセキュリティーというのは、大体技術が出てきてからそこの脆弱性をついた形で出てきますので、どうしても後付けにならざるを得ないと思うんですが、5Gは、ローカル5Gは特にですけれども、特にカスタマイズをして使うことが可能な技術となっています。
 これはどういうことかと申し上げますと、先ほど阿達先生から御質問がございましたように、ソフトウエアを駆使して例えばローカル5Gの基地局を構成する、これは柔軟な構成ができるんですけれども、そこには、地域課題に合った形、例えばセキュリティーが非常に必要である、我々の分野でいいますと遠隔教育であるとか遠隔会議、技術開発、こうしたところでセキュリティーが必要なものに関しては、セキュリティーを特に堅牢にしたようなカスタマイズをした基地局構成というものがつくれる、こういった長所の面がございますので、そうしたところを合わせて研究開発をしていくことが重要ではないかと考えています。
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斎藤嘉隆#23
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 じゃ、続いて、鈴木先生にお伺いをしたいというふうに思います。
 今、ドローン技術の話、大変興味深く聞かせていただきました。素人考えですけれども、やはり将来的には空飛ぶ車もできて、革新的に技術の進捗があるのかなというふうにも思っています。仮にそんな社会が到来をするとすると、ドローンと航空機というのの境界がかなり曖昧になってくるんだろうなというふうに思うんです。
 そんなときに、私の立場でいうと、様々な規制が、今現状でいうと、政府の中を見ても、国交省の航空局であったり、あるいは総務省であったり、今後経産省もこういったことにかなり加わってくるんだろうというふうに思いますけれども、その縦割り行政というか、そういったことがこの将来のサービスとか技術の進捗に逆に言うと悪影響を及ぼす可能性があるのではないかなということを個人的に危惧をしているんですが、こんな点について先生は御懸念を持っていらっしゃるのか、あるいは、持っていらっしゃるとすると、その課題解決のためにどのような方策が考えられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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鈴木真二#24
○参考人(鈴木真二君) ありがとうございます。
 御指摘のように、このドローン、それから空飛ぶ車、新しい空の産業ができてきているという中で、従来のその規制というか法体系がやはり各省庁ごとに分かれているということで、それを連携してやっていかなきゃいけないということはおっしゃるとおりでございます。
 ドローンに関しては、幸いといいますか、新しい技術であるということで、当初から国交省、経産省、総務省、その三省が一緒になってドローンを使うためのその環境整備をしていこうということで、しかも、民間と一緒になってそれを取り組もうという官民協議会というものがつくられまして、そこでの議論の中からいろんな新しい制度というのがつくられてきているということで、私は、これは省庁の壁を越えた新しい取組として非常に、最初からそういうことができたということは良かったんではないかというふうに思っております。
 ただ一方で、これからこのドローンを使っていろんな事業を展開しようといったときに、やはり今、飛ばすことに関しては連携がかなりできてきているんですけれども、事業化しようといったときにはそれぞれのやはり省庁の法規制がありますので、そこを一つずつ解決していかなければいけないんですけれども、それもやっぱり一緒になって、どこかでやったことがこっちでも参考になるとか、一緒に考えていくということも必要かと思いますので、これからは利用を拡大する、利用を定着させる、社会実装なんて呼んでいますけれども、そういう際にも、個別に取り組むのではなくて、連携してやっぱり課題を洗い出して、そのための対応を検討していくというようなところを連携してやっていくような仕組みが必要なのではないかと考えております。
 以上です。
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斎藤嘉隆#25
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 じゃ、伊永先生にお伺いをします。
 デジタルプラットフォーム、これ、小規模事業者とか、とりわけ地方で強固で広範な販売網を持たない事業者にとってもう死活問題というぐらい重要な、何というか、存在になっているというふうに思いますが、逆に、一方的な契約条件の変更などがされた場合に、事業者としてはやっぱりなかなか声を上げづらいと、これは指摘をされているとおりだというふうに思います。
 今回の法案を見ると、契約の開示や勧告がありますけれども、これではなかなか、今のこの力関係の中で、今申し上げたような課題が解消できないのではないかなというふうに思っています。独禁法の枠組みなんかを見ても、従来の、何というか、物の取引なんかを見ても、証拠の収集ということが極めて困難であります。それがますます、より困難になるのではないかなというふうに思います。
 参考人のお話で、これらの対応策の執行方法としてモニタリングレビューなど、オンラインモールやアプリストアの運営事業者に定期的な監査、報告を行うことも考えられるというふうに資料をいただいておりますけれども、実際、運営事業者からの自主的な報告とか、刻々と変わる技術とか、細かい情報という点で明らかに劣っているんではないかなと思われるこの行政機関の監査が実効的に機能するんでしょうか。この点、いかがお考えでしょうか。
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伊永大輔#26
○参考人(伊永大輔君) 御質問どうもありがとうございます。おっしゃられる問題というのは、今後の課題として重要な点だと思います。
 まず、そのデジタルプラットフォーマーが行っているそういう搾取的な行為について、本法案で本当に有効に規制できるのかという点ですけれども、私は、やっぱり程度が激しいものについては独占禁止法で直接やると。この場合、優越的地位濫用という行為類型になるわけですが、独占禁止法上違反してしまうと課徴金という形で金銭的な制裁も科されることになります。そういった形で、程度のひどいものについてはまず独占禁止法を公正取引委員会が厳格に運用するというのが非常に大事になってくると思います。そうした厳格な運用の裏で、これ規制の影と言いますけれども、そういった規制があることを前提に取引透明化法を運用するという補完関係にあるというふうに理解しています。
 つまり、モニタリングレビューによってきちっと報告しない、それから報告において指摘されても改善しないというようなことがありましたら、これは要請、公正取引委員会に違反行為がありそうだということの要請をして、公正取引委員会が具体的な審査に入るという形での補完、それから、独占禁止法というのの厳格な運用を背景とした、それによって今ここでちゃんと対応しておいた方がいいですよという形での、規制の影という、その両者が補完し合って運用されていくものというふうに思っています。
 先生御指摘のように、なかなかそのGAFAに対して一筋縄ではいかないと。交渉も要請も一筋縄ではいかないというのはもう目に見えていますけれども、その意味でも対象を絞って、現在問題として多く報告されているところに人材なりなんなりを投入して、その部分でしっかりと対応していくと。そこで知見を蓄えて、新たに第二歩目を踏み出していくという方法には理由があるんじゃないかなというふうに考えております。
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斎藤嘉隆#27
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 じゃ、最後に、福家先生にお伺いをしたいというふうに思います。
 先生から唯一御言及があって、説明が余り詳しくなかったのでもう少し詳しくお聞きをしたいんですが、ギグワーカーについてです。
 ネット上で労働をやり取りする人々の保護が今回の法案を見ても十分図られていないんではないかという、そういう問題点が指摘をされています。今般、このコロナ感染拡大によって、自宅で仕事をする人とか、先ほどもありました、ウーバーイーツの問題もありましたけれども、ネットを介して労働をやり取りをする、そういった方も増えたし、これからも増え続けていくんではないかというふうに思っています。
 参考人の考える問題点、また今回の法案に何らか視点として組み込むべき点、こういったことについて御示唆をいただきたいと思います。
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福家秀紀#28
○参考人(福家秀紀君) 御質問ありがとうございます。
 ギグワーカーの問題については、いろんなことが発生しているかと思うんですけれども、例えばアマゾンの場合ですと、従来は大手の配送業者に委託をして配送するということだったんですけれども、自前の配送網が整備されてきたので、末端は個別の、個人に配送を依頼するというような形をどんどんどんどん取ってきているわけですね。
 そのときに、じゃ、この方たちは個人事業主なのか労働者なのかということで、保護される範囲が極端に異なってくると思うんですね。海外では、ウーバーなんかも労働者だという前提に立って保護していくという考え方のところもありますし、それが今のところ完全に定着しているかというと、そうでもないところもあるわけで。
 となると、これは、これからもどんどん、委員御指摘のように、こういう働き方というのは増えてくると思うんですね。それを、一つは、やっぱり契約関係をきちっと見ていくというのと、労働者としての保護をしていくと、この二つあると思うんですけれども、やっぱり境目が非常に曖昧なので、やっぱり働く方は非常に弱い立場に立っているので、契約条件も勝手に変更されるわけですよね。問題になっているようなところでも、今まで一個当たり幾らだったというのを、あしたからはもうこれを引き下げますというようなことが出てきているわけです。
 ですから、個別にギグワーカー、これはどっちなんだということはなかなか境目は判断が難しいんですけれども、契約の面それから労働法の面、両方からアプローチをしていかないと、規律の谷間に落ちてしまう方が出てくるんじゃないか。だから、境目のところについては両方で考えられるようにしておく必要があるんじゃないかというふうに私は考えております。
 以上でございます。
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斎藤嘉隆#29
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 終わります。
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