鈴木真二の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(鈴木真二君) 東京大学未来ビジョン研究センターの鈴木真二です。
 先ほど中尾先生からお話もありました、ドローンに関する、ドローン本体のお話を今日はさせていただければと思っております。
 お手元に資料があるかと思いますが、これに従いましてお話をさせていただきます。「ドローンによる「空の産業革命」への期待と課題 セキュアなドローンとその活用に向けて」ということでお話をさせていただきます。
 一枚めくっていただきますと、二枚目ですが、ドローンは小型の無人航空機ということになりますが、この無人航空機自体には非常に長い歴史があるわけでございます。その最初の大きな利用は、第二次世界大戦中に標的機、地上から飛行機を狙って撃つ場合の標的機としてこの遠隔操作の無人航空機というのが造られたわけであります。主にアメリカ、イギリスが中心でしたけれども、日本でも開発されたことがございます。戦時中に九千機ほど造られて、大きな産業にもなったということでございます。
 こうしたターゲットドローンは今でも利用されているわけでありますけれども、いわゆる産業利用、民間の利用という意味では、農薬散布に遠隔操作のヘリコプターが日本で初めて開発されまして、民生利用のドローンという意味では日本が世界に先駆けていたという状況がございます。
 昨今のドローンのブームは、こうした飛行機やヘリコプターのようなタイプではなくて、複数のプロペラをモーターで回すことによって自由に空を飛ぶいわゆるマルチコプターというものが、二〇一〇年にフランスのパロット社、二〇一二年に中国のDJI社から発売され、世界中に大きく広がったという状況がございます。これを支えている技術は、どちらかというとPCですとかスマートフォンの技術でありまして、軽量のバッテリー、リチウムイオンバッテリー、それから半導体センサー、CPUはもちろんですけれども、GPSによる位置捕獲技術、WiFi、ブルートゥースのような無線技術、こうしたタブレットとかスマートフォンの技術がベースになっており、その生産拠点は中国にあるという状況になっております。
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 このドローンが空の産業革命を開くということで期待されているのは、様々な産業分野で活用ができるということが期待されているということがございます。空撮の分野が当初から使われておりますけれども、上空から撮影が行えるということで、報道、番組、宣伝、こうしたものはもちろんですけれども、最近では、上空から撮影した写真を合成して地上の3Dモデルが安易に作れるということで測量とか点検に使われるようになってきており、さらには、警備、捜索といったような分野でも活用が始まっております。
 次に、このドローンを使って物を運ぶということが大きく注目されるようになってきております。物流はもちろんですけれども、災害時の緊急輸送、またケーブルの敷設、こういったところで既に活用が始まっているところであります。
 先ほどお話しした農薬散布は上空から物を落とすというミッションになりますけれども、農薬以外に消火剤をまくといったようなことでも活用が期待されております。
 次の中継は、まだ実用化は始まっておりませんけれども、通信の中継、また遠隔操作の無線の中継といったところで今後の活用が期待されております。右にちょっと小さな写真がありますけれども、ソーラーパネルを無人機に搭載して成層圏を長期間飛び続けることで中継基地としようというような試みが世界中で研究が始まっております。
 また、最後のサンプリングは、今、福島で放射線の計測等で既に使われているところでございます。
 次、お願いいたします。
 このドローンの技術は急速に拡大しているということが言えます。
 右にある表は、米国連邦航空局が発表した例であります。我が国ではまだドローンの登録制度が始まっておりませんので、どのぐらいの数が使われているかということを確実に把握することはできませんが、米国では二〇一五年に登録制度が始まり、百十万台が小型無人機として米国で使われているということが把握されました。そのほとんどはホビー用途でありますけれども、産業利用は四万台、それを操縦するドローン操縦士が二万人登録されました。米国FAAはこのとき五年後の予測値というのを出しておりますけれども、特に注目いただきたいのは、産業利用が十倍、それを操縦する人が十倍から二十倍必要になると、こういったデータを予測値として出しておりますが、現状のデータでもそれをほぼ裏付ける結果が出ております。
 我が国の状況ですけれども、これは右下がドローンを使うその売上高というのを記載しておりますけれども、非常に大きな伸びを示しており、それから今後も伸びるということが想定されております。大きな売上げはサービスというところになるわけでありますけれども、左にあります分野別のグラフを見ていただきますと分かるように、当初は先ほどお話ししましたような農業利用が多かったわけでありますけれども、今は点検というのが非常に拡大しつつあり、今後更に物流利用が期待できるということが予測されているところでございます。
 次、お願いいたします。
 こうしたドローンの利用が広がる一方で、事故や不正利用というのも目立つようになってきております。
 最初の事例は、ちょっと前の事例ですけれども、二〇一四年、湘南国際マラソンでドローンが墜落して、けがが起きた。また、二〇一四年、これは名古屋市のテレビ塔を夜空撮するドローンが墜落したということで、こうした事故が起きております。
 また、最近では、空港がドローンの飛行によって遮断される、閉鎖されるということが世界的に課題になっております。大きな事例としましては、二〇一八年十二月にロンドンのガトウィック空港で二、三日空港が閉鎖して非常に大きな経済的な影響を与えたと言われております。また、我が国でも昨年十一月、関空に着陸中のパイロットがドローンらしきものを発見し、一時間ほど運航が停止されたと、こういうことが起きております。
 ドローン、簡単に飛ばせるがゆえに、様々な事故や不正利用ということも起きてきているということが言えるかと思います。幸い、ドローンの墜落によって死者が起きるということはまだ発生しておりませんけれども、これは気を付けなければいけない事例かと思います。
 次、お願いいたします。
 このように、ドローンは非常に簡単に飛ばすことができるゆえに産業利用が期待されているところではありますが、やはりきちんと管理をしなければいけないということで、世界的にその規制が整備されつつあります。
 我が国では、二〇一五年に首相官邸の屋上で不審なドローンが見付かったということを契機に航空法が改正されて、ドローンの管理が始まりました。これは、ドローンを飛ばすために、自由に飛ばせる空域と、許可申請、国土交通大臣の許可を得なければ飛ばすことができない空域の設定、そして、その飛ばし方のルール化ということがまずは行われたというところでございます。また、その翌年には、小型無人機等飛行禁止法により、重要な施設の周囲では飛行してはいけないという、いわゆる飛行禁止法というのが制定されました。
 一方で、ドローンには産業を開く、新しい産業を開くということが期待されておりますので、その活用のために環境整備をしていこうということで、官と民が協力してこれに取り組むという官民協議会が設置されまして、毎年ロードマップを作って発表しております。
 右にあるものは当初作られたものでありますけれども、初期の目標は二〇一八年にドローンで物流を行えるような環境整備をしようということで、これはまだ人がほとんどいない無人地帯でのドローン物流ということになりますけれども、二〇一八年にその目標が達成されました。
 今掲げられている新たな目標は、二〇二二年を目途に有人地帯でのいわゆる目視外飛行、いわゆる物流等で使えるようにということで、新しい法制度の準備を官と民が共同して行っているという状況でございます。
 次、お願いします。
 こうした状況の中、欧米では更なる規制強化と新たなインフラ整備というのが始まっているところでございます。
 右の絵にありますのは、FAA、アメリカの連邦航空局が今年から制度化しようということで準備をしているもので、ドローン登録制度はもう既に始まっているわけですけれども、上空を飛んでいるドローン、ナンバープレートを付けているわけなんですけれども、上空を飛んでいますとそのナンバーは把握できませんので、上空から電波を自ら発信して自らの所有者とそれから位置を知らせるという、いわゆるリモートIDというものの搭載が義務付けられようとしています。
 さらに、ドローンをコントロールする基地局とそれからインターネットを接続することによって、その飛行情報を共有することで安全な運航を行おうという運航管理システムですね、UTMと呼ばれておりますが、こういったものも義務付けようということで準備が進んでおります。
 その下にあります絵は、アメリカの航空宇宙局、NASAが描くドローンの運航管理システムでありますが、無人航空機と有人航空機が同じ空域を共有することによって安全に空を活用していこうということで検討が進んでいるところで、我が国でもNEDOのDRESSプロジェクトでこうしたシステム、またドローン本体の研究開発が進んでいるところでありますけれども、今後ともこうした研究開発体制を維持していくことが必要になります。
 ドローンの本体がインターネットに接続して使うという状況が今後生まれてくることになりますが、これは新たなセキュリティーの課題を生むということでもございます。
 次、お願いいたします。
 これは御参考までにリストアップしているものでありますけれども、米国では非常に、安全保障上の視点、またセキュリティーの高い利用ということに関しては、そのデータの流出ということに関して非常に神経をとがらせておりまして、様々な法案が提出されており、そして海外のドローンの使用に関する規制も始まっているところでございます。
 次、お願いいたします。
 このドローンの利用の際のセキュリティー上の課題というものにどういうものがあるかというのをここではリストアップし、その対応、対策ということも一例として示しております。
 まず、ドローンがインターネットに接続することによって様々なデータ、それから飛行の履歴、飛行ログといいますけれども、こういったものが流出する可能性がある。これについては、そうした重要な領域を飛ぶドローンに関しては飛行の特定、そしてデータ流出に関するセキュリティー対策と認証、データの暗号化、こういった技術や法制度、こういったものが求められます。
 また、ドローンは無線で遠隔操作を行いますので、外部からの電波妨害や乗っ取りを受ける可能性があるということで、これに対する対策ということをきちんと立てる必要があります。また、ドローン本体、また地上局にはCPUが搭載されますので、それらにマルウエア、ウイルスが組み込まれていないかということも確認が必要になります。
 そして、上空から撮影した様々なデータ等には個人情報が含まれますので、これらの管理をどうするかということ。そして、将来的には、先ほどのようなUTM、リモートIDに対するセキュリティー管理ということが求められるわけでございます。
 最後のページですが、今回の法案によってドローンセキュリティーに対する対策ということが確実なものになることによって、我が国でのドローン利活用が進むということを大変期待しているところでございます。
 最後の絵は、ドローンがどのように活用されるかというところを概念的に描いたものでございますが、まず農林水産利用というようなもの、そして、空撮利用は既に始まっているところでありますけれども、将来的には過疎地、離島への輸送、またインフラの点検、そして都市部では緊急事態時の輸送、そして、例えばAEDの輸送等の利用が期待されているところでございます。こうしたドローンの利活用によって、高齢化する社会、また災害時の対応ということを頑固なものにする、そして生活の利便性、地方の活性化を高めるということが期待できるわけであります。
 こうしたセキュアなドローンの開発、日本が本来得意とするところでございますので、小型無人機、ドローンの世界への提供ということも新しい産業として期待できるところでございます。
 以上で私の発言を終わりたいと思います。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 鈴木真二

speaker_id: 10004

日付: 2020-05-21

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会