崎田裕子の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(崎田裕子君) ありがとうございます。崎田裕子です。よろしくお願いいたします。今日は、こういう機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
 私は、このお出しをしましたレジュメを基に意見を申し上げさせていただきたいと思いますが、今回関連するエネルギーの法案に関しては、全体的なエネルギー基本計画の審議、そして再生可能エネルギーに関する審議、水素・燃料電池に関する審議、そして電力レジリエンスに関する審議、この辺に関係をさせていただいてまいりました。
 私は、これまで市民や地域の目線から、環境やエネルギーを大切にした持続可能な地域づくりを目指して歩んでまいりました。特に、私はジャーナリストとして仕事をしておりますが、単に伝える、発信するというだけではなく、環境カウンセラーとして実践を地域の方々とともに広げるということを重視してまいりました。
 具体的に申しますと、NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネットという長い名前なんですけれども、五月末まで理事長を務めておりましたが、今世代交代をいたしましたが、ここでは、市民が事業者や行政と連携をして地域づくりを進める全国の多様な動きを支援するような活動を長年続けてまいりました。
 私、もう一つは、自らの事務所があるのが東京の新宿という町なんですが、ここで環境NGOを運営し、公設の環境学習情報センターの指定管理者を務めております。温暖化対策や3R、自然共生など、こういう啓発するような事業を学校と連携をし、あるいは区民、事業者と連携して広く参加型で展開するというような事業を運営しております。私は、運営の責任、運営というか、指定管理の責任者として職員を派遣しております。
 このような取組を進める者として、今回の法案に関して意見を申し上げたいというふうに思っております。
 私は、気候変動対策を重視する視点と持続可能な地域づくりを目指す視点、そして安定供給の備えの視点、この三つの視点からお話をしたいというふうに思っております。
 まず、気候変動対策を重視する視点から申し上げますと、再生可能エネルギーの主力電源化と大規模自然災害対策というこの両者は車の両輪だというふうに感じております。
 昨年九月、台風十五号は本当に観測史上最大の風台風というふうに言われまして、関東地方で大規模な停電を起こしました。その直後の台風十九号は今度は記録的な大雨ということで、中部地方、関東から東北にかけて大規模な川の氾濫を起こし、各地で停電が発生いたしました。このように、地球温暖化による気候変動の影響と考えられる大規模な災害が年々増えてきているというふうに感じておられる方は多いと思っております。
 このような現実の中で、日本の目標として、二〇三〇年にCO2の排出量を二〇一三年度比マイナス二六%というのが今の目標なんですが、これで満足することなく、二〇五〇年度にはマイナス八〇%、そして、長期成長戦略で示しておられるように、二〇五〇年以降の早期に、日本もパリ協定が求めるCO2排出ゼロを目指すということは大変重要だと思っております。
 そのためにも、脱炭素社会を目指して再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、今回の再エネ特措法の改正、そして災害などの増加を見越した、大規模自然災害の増加を踏まえた強靱な電気供給体制の確立を目指す今回の電気事業法の改正、これは日本の今後を牽引する大切な車の両輪、大きな契機になるというふうに考えております。
 まず、再生可能エネルギーに関して申し上げますと、これまで価格を一定にして支える固定価格買取り制度というので応援してまいりました。もちろん、賦課金あります。暮らしの中では電力に費用がプラスされますけれども、再生可能エネルギーの促進のためということで社会は応援をしてきたというような流れがありますが、これをもう少し電力市場と連動して、電気の需要の多いときの発電にインセンティブを与えるという、この新しいプレミアム上乗せ制度、こういうものも今回入っております。こういうものに関して、再エネの急増に対応する送電網の費用をどういうふうに支えていくのかという制度も今回入っております。
 それだけでなく、太陽光パネルの廃棄時を見据えた費用もきちんと考えてくださいというふうになっていたはずですけれども、なかなか進んでいなかったということで費用の外部積立てを明確にするなど、急激に増やしてきた再生可能エネルギーを社会の中にしっかり定着させるということを大事にした様々な視点が入っており、こういう動きを総合的な視点で迅速に進めようとしておる今回の見直しの方向性には賛同したいというふうに考えております。
 次に、災害時の連携強化と情報発信に関してなんですけれども、先ほど申したように、非常に台風などあったわけですが、昨年の台風十五号の停電復旧後に招集された電力レジリエンスワーキンググループに委員として参加いたしました。お隣の大山先生が委員長を務めておられましたが、その中で、私も、送配電事業者はそれぞれが災害対応の備えをして、大規模停電の際は人員とか作業車を交換して派遣し合って協力しようという流れはできていたというふうに思います。
 ただし、実際には、仕様が違う工具とか設備、これをそういう派遣、集まった様々な会社の職員の皆さんがきちんと生かし切れたか、工具、設備、人材、全てを生かし切れたのかという、こういう現実の課題も見えてきたというふうに感じております。
 今後、地震も含めて大規模災害の多発を念頭に、送配電事業者の皆さんが連携して災害時連携計画を策定するということ、今回のこの義務化は大変意義があることと考えております。
 今後、被害状況や復旧の予定など、社会への適切な情報発信、これに関してはなかなかまだうまくいっていなかった事例もありますので、こういう情報発信をどういうふうに社会にちゃんと伝えていくかという、こういうところから、きちんと事業者が迅速に計画を作り、取り組んでいただければ有り難いというふうに思っております。
 また、仮復旧に係る費用を事前に積み立てる相互扶助制度や、災害復旧に必要な電気の使用状況の情報収集を可能にすること、そして電源車の燃料を迅速に調達する仕組みなど、実際の災害復旧での苦い経験を踏まえた審議の下に出てきた内容だというふうに考えております。是非、今後の災害復旧時に迅速に生かしてほしいというふうに考えております。
 次に、持続可能な地域づくりの視点から申し上げたいと思います。
 今回の法案には、分散型電力システムの定着に向けた内容も多く含まれております。地域づくりの視点からもこの改正案を評価したいというふうに考えております。
 環境、経済、社会課題を統合的に解決する持続可能な社会づくり、地域社会づくりというのが大変期待されているわけですが、特にその解決には地域資源を活用することが重要というふうに考えております。その際、どこの地域にも、例えばエネルギー資源となる太陽光、風力、水力、木質バイオマス、家畜ふん尿、廃棄物エネルギー、地熱発電、温泉など、個性豊かな資源があると思います。このような地域資源から生成した再生可能エネルギーを活用して地域経済の活性化を実現する、そして、そのエネルギーを活用して、例えば地域で少子高齢化など社会課題を解決するためのコミュニティー交通の電源に活用するなど、再生可能エネルギーの地産地消の動きも多くの地域で始まっていると感じております。
 今回、ふだんは系統と接続し、災害時は独立運営を行うマイクログリッドの実証事業、そういうものも北海道から沖縄まで多様な再生可能エネルギーの生産地域で始まっているというふうに感じております。そのほか、分散型電源を束ねて提供するアグリゲーター、こういう存在もきちんと位置付けるなど、災害時に力を発揮するということを評価しておりますけれども、この分散型電源の発展に非常に重要な視点が入っており、今回の分散型電源の導入促進を目指した様々な視点も重要なことだというふうに考えております。
 三番目といたしまして、安定供給の備えの視点から、この法案に関して意見を申し上げたいと思います。
 災害などを経験し、停電を経験すると、ふだん当たり前のように電気を使っていることの便利さが身にしみます。日本はエネルギー資源の自給率が先進国の中でも非常に少ない国であるということも、日常生活の中で思い出すことはほとんどありません。
 けれど、日本にとって重要なエネルギー資源の供給先での有事の際はどうするのか。そういうことに関しては、国が前面に立ってまず考え、行動できるように、制度の上で担保しておくというのは当然のことと考えております。ですから、今回、災害時の発電用の燃料調達とともに、エネルギー資源の確保に向けたJOGMEC法の改正というのも入っておりますが、重要な判断だと受け止めております。
 最後に一言。東京二〇二〇大会の持続可能性に関して一言申し上げたいというふうに思っております。
 私は、この東京二〇二〇大会組織委員会の外部専門家として、大会の持続可能な運営計画作りに参画してまいりました。SDGsの実現ということを明確に発信しながら準備を続けてまいりましたが、新型コロナウイルス対応で一年延期になりました。この期間を活用して、より質の高い成果を目指してほしいというふうに願っております。
 持続可能性の面からいって、例えば都市鉱山メダルプロジェクトのように、全国から使用済みの携帯電話などの小型家電を集めて金、銀、銅メダルを再生金属一〇〇%で作り上げる資源管理の取組もあります。
 そのほか、新しい施設には再生可能エネルギー一〇〇%で運用する設備を導入をするということを明確に定めているなどありますけれども、福島の太陽光で発電された再生可能エネルギーを水素としてためて、作るときも使うときもCO2を出さないCO2フリー水素として選手の送迎用の燃料電池自動車あるいはバスなどに活用する。それだけではなくて、選手村地区を水素社会のモデル地区として開発するなど、将来のエネルギー活用のショーケースとなるよう多様な取組を進めております。
 こういうような流れの中で、今、一人一人、私たち市民もエネルギーをもっと身近に感じていくということが重要だと思いますが、この電力システム改革という大きな動きの中で、そういう一人一人の役割も感じながら、そして持続可能性、持続可能な未来に向かって社会全体が大きくかじを切っていくという、こういう時代を共に歩んでいくことが大切だというふうに思っております。今回の法案がそのようなきっかけになるのではないかというふうに願っております。
 どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: 崎田裕子

speaker_id: 34190

日付: 2020-06-04

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会