高橋克法の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○高橋克法君 発言の機会をありがとうございます。自由民主党・国民の声の高橋克法です。
 この調査会では、二月十二日と十九日に、参考人から、子どもをめぐる諸問題と外国人をめぐる諸問題に関して説明をいただきました。私からは、子供の貧困に関して意見を申し述べます。
 自分の出身である栃木県に、子供、若者支援を二十年以上続けている友人がおります。彼は、子供の貧困は二種類あるんだと言います。それは、経済的貧困と心理的貧困である。経済的貧困は比較的目に見える貧困であります。心理的貧困は、家族がいない又はいても無視されている、話す相手がいない、誰にも頼れない、つまり孤立無援状態で、我々からは余り見えない貧困であります。
 彼と行動を共にしてきまして、経済的貧困と心理的貧困、両方を解決して初めて子供の貧困が解決すると思っております。特に、目に見えない心理的貧困の解決は重要なことだと考えています。参考人の話にもありましたが、心理的貧困を解決する上で大切なのは、子供たちに学校や家以外で安心していられる場を提供することであると思います。そこが勉強をする場でも、御飯を食べられる場でも、自分の悩みや不安を話せる場でも何でもいいんだと思います。その子が、ここがいい、安心できると思える場こそ居場所になると考えています。
 自分は、小さな町の町長を十五年間やってまいりました。町長時代の平成十五年にひよこの家という施設をつくりました。この施設は、不登校と呼ばれている子供たちに対して文部科学省が行っていた学校復帰を前提とする適応指導教室という全く機能していない文科省の施策に対するアンチテーゼとして私はつくりました。どこで学ぶかではなくて何を学ぶかが一番大切なんだという考え方の下に、学校復帰を前提としない、まずは子供たちが安心して心を休ませる、自分らしい自分を発見する、社会的に自立していくことを第一の目的とする。
 そして、この施設は、公設の形を取っておりましたが、実質的には運営をNPO法人に担っていただきました。このひよこの家ですが、平成二十八年末に施行された教育機会確保法の一つのモデルだったと思っています。
 全国的に見ると、このような居場所提供はNPO法人がほとんど担っています。しかし、NPO法人はほとんどの団体で資金難という現状があります。それぞれの地域で志ある方々が懸命に汗を流していらっしゃいますが、本来の活動の前に資金調達という問題に労力を取られてしまっている。一方で、行政の側には、彼らのような情熱や問題意識、どこまでも子供たちに寄り添う意欲を持った職員は残念ながら少ない。ひよこの家のように実質的な公設民営、官民協働で行うことこそ彼らの能力を存分に発揮していただけることであると考えたからであり、官と民とのそれぞれの良い部分を発揮し合えると考えたからでありました。
 そのような考え方を前提にすれば、児童相談所の在り方を考え直す時期に来ていると思います。児童相談所の設置数を大幅に増やし、その地域で活動しているNPO法人などの民との協働の仕組みをつくる。そこに居場所支援、学習支援、DV支援などの様々な機能を持たせる。その場所は、別に子供たちのものだけというわけではなく、虐待児童の保護、DV被害者の保護、老後の居場所支援などを行う。様々な人にとっての居場所を地域に一つ官民協働でつくる必要があると私は思っています。
 こうなりますと児童相談所という名前を変えた方がいいのかもしれませんが、つまり、現在の児童相談所をその地域の居場所にできないかという思いがあります。このような居場所があればSOSを出しやすいかもしれませんし、気が付きやすいかもしれないし、救える命が必ずあるんだと思っています。
 官で場所を確保すれば、金銭的な負担が減り、さらには活動費の支援もすることができる。民は関わりやすくなります。彼らの志や能力を存分に発揮してもらう仕組みにもつながると思います。
 かつてNPO法ができたときに第三の公共という概念が提唱されましたが、もっともっと行政と多くのNPO法人等の協働の仕組みがこれからの社会には必要になってくる、そのように確信しております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 高橋克法

speaker_id: 27123

日付: 2020-05-27

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会