有村治子の発言 (財政金融委員会)
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○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。
本日私がいただいている時間は二十四分で、七問近い質問を考えておりますので、御準備いただきました答弁者の方は是非とも要点のみを簡潔にお答えいただきまして、質疑の往来スムーズになるようにお力を貸していただきたいと思います。御準備に感謝を申し上げて、御協力を仰ぎます。
早速本題に入ります。
今まさに世界を震撼させている新型コロナウイルス禍は、社会が抱える諸問題をあぶり出し、構造的な変化を加速させます。その主たる課題の一つが、発生源、感染症の発生源である中国がどのような言動をするのか、また、日本や世界が大国中国とどのように向き合うべきなのかという構造的問題であります。
新型コロナウイルスの感染源の真実を究明するために、オーストラリアが独立した専門家による中国での調査を求めました。時を同じくして、中国はオーストラリア産の食肉大手に対して禁輸措置をとりました。かつて、ノルウェーのノーベル委員会が中国の人権活動家劉暁波氏にノーベル平和賞を授与しました。その後、中国はノルウェー産のサーモンの輸入を止めました。南シナ海をめぐる権益を懸けて中国とフィリピンの対立が深まった際には、中国がフィリピン製のバナナの輸入を禁じました。カナダ当局が中国通信機器大手ファーウェイの副会長を逮捕したとき、このファーウェイは御案内のとおり次世代通信規格5Gのメーンプレーヤーであります、中国はこのときカナダ産の菜種と食肉の輸入を相次いで止めました。また、今朝の新聞によれば、香港問題で中国はアメリカからの豚肉と大豆の輸入を止めることを検討しているというふうに報じられています。
世界最大の人口規模を持つ中国を向こうに回すと、核や生物兵器あるいは化学兵器ではなく、食料までもが武器となり、国家として大変な交渉力を持つようであります。
先日、三月二十六日の本財金委員会で麻生大臣は、WHOについて、ワールド・ヘルス・オーガニゼーション改めチャイニーズ・ヘルス・オーガニゼーション、CHOと呼んだ方がいいのではという中国寄りのWHOを非難する国際世論の高まりを紹介されました。ちなみに、この動画はユーチューブなどで五十万再生回数を超える、そういう話題になっております。
このときの大臣の御答弁に触発されて、国際機関のトップ人事を調べてみました。配付資料の一を御覧ください。WHOを舞台に露呈した中国の影響力行使は、実は氷山の一角にすぎないことが見えてまいります。
表一が示すとおり、国連には十五の専門機関があります。残念ながら、日本人がトップを務める組織は二〇一五年以降皆無、ゼロの状態が続いています。そして、アメリカを始め各国が十五ある組織の一つの組織のトップを務めている中で、中国だけが複数、四つもの組織トップを占めておられます。選挙で選ばれる国連専門機関のトップは、特定の国の政治的意図から距離を置いて中立的な公正が求められる一方で、当然ながら、世界組織のトップですから、世界のルールを決めていく組織運営に関し大きな権限と発言力を持ちます、決定権を持ちます。その前には世界中のその専門分野の最先端の的確な情報が必ずトップに上がっていきます。
資料二を御覧ください。中国がトップを占めるITU、資料二の三段目でございます、ITU、国際電気通信連合では、サイバーセキュリティーに関する技術アドバイス、また無線の周波数、衛星軌道の管理を担当されています。サイバー攻撃を日常的に仕掛けてくる国として世界中の人々が記憶しているのはどちらの国だったでしょうか。また、資料が示すように、先進国がこぞって競う次世代通信規格5Gのルール作りをしているのがこのITUでございます。この5Gのメーンプレーヤーは中国のファーウェイであります。5GとITUの関係については、資料三に総務省資料として添付をしております。
実は、これらの国際組織に加えて中国がトップになることが予想されていた国際組織がありました。資料二の一番下の段です。WIPO、世界知的所有権機関です。この三月に選挙があったとき、大方の予想に反して、選挙ではシンガポールの候補が中国の候補に勝利して、今年十月から就任される予定であります。この選挙結果には、日本のみならず、知的財産をつくり出してきた多くの国々が安堵をされたのではないでしょうか。
麻生大臣が指摘されたように、中国、香港のマーガレット・チャン氏がWHOの事務局長に初めて就任してからのこの十数年の間で、国際機関における権益拡大の味をしめた中国が国際機関のトップの人事を急速な勢いで牛耳ってきました。しかし、国連専門機関のおよそ三分の一の組織のトップを一国が、しかも民主国家ではなく共産党一党支配の国が占めることが世界にとって果たして健全なことなのでしょうか。これ以上国連組織が赤く染まることには当然警戒感が出てまいります。
そして、この週末、アメリカがWHOからの撤退を表明しました。まさに、米国不在の間隙を縫って中国が更なる国連への侵食を図る、そういう不安定な構図がまたできつつあります。
そこで、外務省にお伺いします。
この現実を日本政府はどのように認識されますか、今後、日本はどのようなスタンスで国連及び国際社会と向き合われるのでしょうか、鈴木副大臣にお伺いします。