岩井茂樹の発言 (資源エネルギーに関する調査会)

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○岩井茂樹君 非常に理性的な対応というか、しっかりと改善をしていくというそんなお答えで、大変有り難いと思います。
 私自身は、福島第一原子力発電所事故による社会的、経済的影響の甚大さを考えれば、不遡及の原則の例外として既設の原発に新規制基準をバックフィットし、厳重な事故防止対策を求めること、これは妥当な判断だと実は思っています。しかし、問題は、追加された法律の条文にバックフィットの適用範囲や条件が一切書かれていないこととか、国民に対して説明責任が少し果たされていないのではないかということだと思います。
 アメリカの上院には環境公共事業委員会、下院にはエネルギー商業委員会がNRCの監視権限を有しておりまして、過度な規制変更などを抑制する機能を果たしていると伺っています。
 過去に、アメリカ原発、IPECがニューヨーク市に近いという理由で運転停止を求められ、運転許可を得るためには、少なくとも認知されたリスクを軽減するために非常に高価なバックフィット設備を設けなければならなくなった事案に関して、確率論的リスク評価、PRAを実施することにより、多くの高価なバックフィットを行ってもリスク軽減の効果は僅かであることが明らかとなり、過大なバックフィット設備を設けなくてもよくなりました。結果、より実質的なリスク軽減の効果がある、経済的に妥当性を持った改造対策が特定され、結果的には、事業者は実質的に効果の薄い支出を節約するとともに、リスクが改善されたという事案もあるそうです。
 今御紹介したように、海外の原子力法制でバックフィットを導入している例は米国やドイツなどで見られ、米国の場合は、バックフィットを適用する範囲をコストベネフィット評価によって判断をし、場合によればその適用範囲を限定することもありますし、ドイツの場合は、バックフィットに要する費用は国が負担することとされているのが特徴だとも伺っています。
 独立性は守りながらも、孤立することなく、国際的な視点も考慮し、諸外国の事例も参考に我が国の制度設計を是非よろしくお願いいたします。
 さて、IRRSについて少し触れたいと思います。
 今少し触れましたけれども、日本の原子力委員会、NRAは、独立性の高い三条委員会であるがゆえに、国内でそれを監査する仕組みが少し希薄なのかなと個人的には思っています。
 その代わりの役目の一端を果たしたのが国際原子力機関、IAEAの総合的規制評価サービス、IRRSでした。原子力規制委員会においても、二〇一六年一月に、IRRSのミッションにより原子力及び放射線安全に係る日本の規制の枠組みがレビューされ、日本の規制の枠組みに対して今度は十三項目の勧告及び十三項目の提言がなされ、今年、つい最近ですけれども、二回目のミッションであるフォローアップミッションを受け入れられたと伺っています。
 そして、つい先日、IAEAによりこのミッションに関する最終報告書が提出されたと認識していますが、本日は、報告書提出前の今年の令和二年一月二十一日に行われた、IRRSのフォローアップミッションに関する記者会見の内容を踏まえて質問いたします。
 この記者会見の中では、このミッションのチームリーダーのラムジー・ジャマール氏は、NRAに対し、現在、産業界とコミュニケーションが非常に重要とされている中、NRAは豊富な交流ができているとは思えない、コミュニケーション不足だ、産業界で行われている様々な改善に関して規制当局はそれほど十分に理解していないことが多い、より実行力のある規制当局として規制活動をするためには、様々な産業界で行われている技術的な革新であるとか改善、それから知見に接していなければならない、このように言及をされております。
 今の話も踏まえて、IRRSが指摘している日本の原子力規制委員会と産業界のコミュニケーション不足について、その受け止めを教えてください。

発言情報

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発言者: 岩井茂樹

speaker_id: 17305

日付: 2020-05-27

院: 参議院

会議名: 資源エネルギーに関する調査会