安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山下芳生議員にお答えいたします。
桜を見る会についてお尋ねがありました。
桜を見る会については、昭和二十七年以来、内閣総理大臣が、各省庁からの意見等を踏まえ、各界において功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、日頃の御労苦を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものです。
同会の招待者については、提出された推薦者につき、最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところですが、当該プロセスに私は一切関与しておりません。
他方、桜を見る会については、長年の慣行の中で行われてきたところでありますが、招待者の基準が曖昧であり、結果として招待者の数が膨れ上がってしまった実態があると認識しています。
こうした運用を大いに反省するとともに、国民の皆様からの様々な御批判を踏まえ、来年度の開催を中止にするほか、今後、私自身の責任において全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行ってまいる所存です。
桜を見る会の推薦等についてお尋ねがありました。
私の事務所においては、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始めとして、幅広く参加希望者を募ってきたところです。
他方で、御指摘の都内観光ツアーについては、私の事務所によれば、希望する方に対して旅行会社の紹介等を行っていたとのことですが、ツアー自体の主催、企画はあくまで旅行会社であったとのことであります。
次に、私の事務所から推薦を行った者で招待されなかった例もあったものと承知しておりますが、これは内閣官房が確認した結果であると聞いております。
なお、長年の慣行で与党にも推薦依頼を行っているところですが、自民党内の推薦の経緯等については政府として掌握はしておりません。
IRについてお尋ねがありました。
副大臣も務めた現職の国会議員が逮捕、起訴されたことは誠に遺憾です。かつて副大臣に任命した者として事態を重く受け止めておりますが、御指摘の事案については、捜査中の刑事事件に関わる事柄であることから、詳細なコメントは差し控えます。
IR推進法及びIR整備法は国会審議で議論が積み重ねられた上で成立したものであり、政府としては、これらの法律に基づき、必要な準備を進めるのが基本的な立場です。
議員提出された法律案の取扱いについては、国会においてお決めになるべき事柄と承知しておりますが、IRは、カジノだけではなく、国際会議場、展示場や大規模な宿泊施設を併設し、家族で楽しめるエンターテインメント施設として観光先進国の実現を後押しするものと考えております。
もとより、IRの推進に当たっては、国民的な理解が大変重要であり、今月発足した高い独立性を有するカジノ管理委員会や国会での御議論も十分に踏まえて、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
消費税の減税等についてお尋ねがありました。
各税目の税収は時々の経済社会の変化を踏まえつつ改正を行ってきた結果を反映したものですが、所得税や法人税の税収が減少した背景には、制度改正要因に加え、バブル期以降の資産価格の下落等、経済情勢の要因もあることに留意が必要です。
昨年十月の消費税率の引上げに当たっては、低所得者への配慮として軽減税率制度を実施することとしたほか、幼児教育、保育の無償化や年間最大六万円の年金生活支援給付金等の社会保障の充実を行っており、消費税が、弱者から吸い上げ、大企業と富裕層を潤すとの御指摘は当たりません。
今回の消費税率の引上げは、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためにどうしても必要なものです。他方、御指摘の総合経済対策は、相次いだ災害からの復旧復興や海外発の下方リスクに対し万全の対応を取るためのものであり、また、税収についても、海外経済の減速等を要因とした減額補正となったものです。
なお、法人税や所得税については、これまで、法人税の課税ベースの拡大による財源確保、所得税の最高税率の引上げ、金融所得課税について税率を一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところであり、今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果を見極めるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討する必要があると考えています。
雇用についてお尋ねがありました。
いわゆるフリーランスなど雇用によらない働き方の保護の在り方については、内閣官房において関係省庁と連携し、一元的に実態を把握、整理した上で、全世代型社会保障検討会議の最終報告に向けて検討を進めます。
最低賃金については、政権発足以降の七年間で全国加重平均で百五十二円引き上げました。今年度は現行方式で過去最高の上げ幅となっています。
引き続き、中小企業・小規模事業者が賃上げしやすい環境を整備することと相まって、地域間格差にも配慮しながら、より早期に全国加重平均千円を目指して引上げを図ってまいります。
派遣労働については、正社員を希望する方にはその道が開けるようにするとともに、派遣という働き方を積極的に選択する方については、正社員との不合理な待遇差を解消し、どのような雇用形態であっても納得できる待遇を受けられるよう、同一労働同一賃金の実現に向けた取組を進めてまいります。
また、議員が残業代ゼロ制度として言及されました高度プロフェッショナル制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択できる、高い交渉力を有する高度専門職に限って自律的な働き方を可能とする制度であり、その前提として、健康をしっかりと確保するための措置を使用者に義務付けています。
引き続き、制度の運用に万全を期すとともに、事業場への監督指導などを通じ、長時間労働が是正されるよう努めてまいります。
我が国の外交及び自衛隊の中東派遣についてお尋ねがありました。
昨日の衆議院本会議にて志位議員に対してお答えしたとおり、ソレイマニ司令官の殺害に関しては、我が国は直接の当事者ではなく、詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから、法的評価について確定的なことを申し上げることは差し控えます。
その上で申し上げれば、現時点において、米国、イラン双方とも、これ以上のエスカレーションを回避したい意向を明確にしており、米・イラン間で武力の行使が行われている状況ではないと認識しています。
こうした中、中東に対する日本の外交的関与は、イランからも、先般訪問したサウジアラビア、UAE、オマーンからも高く評価されており、対米従属外交との指摘は全く当たりません。
政府としては、中東地域の緊張の高まりを踏まえ、日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化することが一層必要と考えます。
地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けた粘り強い外交努力とともに、自衛隊による情報収集態勢を強化し、日本関係船舶の安全をしっかりと確保していくとの方針に変更はありません。
在日米軍駐留経費についてお尋ねがありました。
トランプ大統領とは様々な課題について率直な意見交換を行っていますが、外交上のやり取りであり、この場でその内容を明らかにすることは差し控えます。
現行の在日米軍駐留経費負担特別協定は二〇二一年三月末まで有効であり、新たな特別協定に関する交渉は始まっておらず、結果を予断することは差し控えます。
いずれにせよ、政府としては、現在、在日駐留経費は日米両政府の合意に基づき適切に分担されていると考えています。
普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思います。
日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせ、検討を重ねた結果、現在の辺野古に移設するという方針であります。
先般、御指摘の工期等についての検討結果が出ましたが、辺野古移設に向けて着実に工事を進めていくことこそが普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながるものです。これからも地元の皆様と対話を積み重ね、御理解を得る努力を続けてまいります。
尖閣諸島及び香港情勢についてお尋ねがありました。
昨年十二月の習近平国家主席及び李克強総理との首脳会談では、これらの問題についてしっかりと提起しました。
尖閣諸島については、東シナ海の安定なくして真の日中関係の改善なしとの考えに基づき、中国側の対応を強く求めました。尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海における一方的な現状変更の試みについては、これまでも累次の機会に日本の強い懸念を伝えてきており、引き続き冷静かつ毅然と対応してまいります。
香港情勢については、大変憂慮しており、国際社会も関心を持って注視している旨指摘しつつ、全ての関係者による自制した対応と事態の早期収拾を求めるとともに、一国二制度の下、自由で開かれた香港が引き続き繁栄していくことが重要である旨強調しました。今後とも、高い関心を持って情勢をフォローしていきます。
石炭火力についてお尋ねがありました。
我が国は、再生可能エネルギーや水素など、二酸化炭素の排出削減に資するあらゆる選択肢を用いて世界の脱炭素化を牽引していきます。
こうした中で、新興国を中心に効率の低い石炭火力発電所がいまだ数多く稼働している状況下で、我が国の高効率の石炭火力発電に対するニーズがあれば、その導入を支援することで世界の二酸化炭素の実効的な排出削減に貢献していく考えです。
国内の石炭火力発電については、高効率化、次世代化を推進しながら、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組んでまいります。
温室効果ガスの削減目標についてお尋ねがありました。
我が国は、五年連続で温室効果ガスの排出量を削減しています。これはG20の中で日本と英国のみであり、合計で一一%を超える削減は、G7の中で英国に次ぐ大きさです。引き続き、パリ協定に基づく二〇三〇年度削減目標の確実な達成に向けて積極的に取り組んでいきます。
二〇三〇年以降の長期の取組については、我が国は、パリ協定が掲げる今世紀後半のカーボンニュートラル実現との野心的な目標の達成に貢献するため、昨年六月に、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すとした長期戦略を策定し、国連に提出いたしました。国連提出の長期戦略でカーボンニュートラルを目指すことを宣言しているのは、G7の中では唯一日本だけであります。
また、昨年のCOP25において、二〇五〇年までのカーボンニュートラルを宣言した百二十の国と一地域のうち、現時点で長期戦略を国連に提出しているのは十一か国のみであります。
どんな野心的な目標を掲げても、掲げるだけでは意味はなく、重要なことは、目標の実現を裏打ちする具体的な政策を示し、行動を起こすことです。長期戦略に掲げた脱炭素社会の早期の実現には非連続なイノベーションが不可欠であることから、今月、米国、EUなどG20の研究機関を集めた国際共同研究拠点を我が国に設置いたします。
ゼロエミッションにとどまることなく、産業革命以来増加を続けてきたCO2を減少へと転じさせるビヨンド・ゼロを目指し、人工光合成を始め革新的イノベーションを実現するため、我が国が主導して世界の英知を結集していく考えであります。(拍手)
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