安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 熊野正士議員にお答えをいたします。
東京大会の関係者に対する支援についてお尋ねがありました。
東京大会については、私とIOCバッハ会長との電話会談において、私から、アスリートのことを第一に考え、おおむね一年程度の延期を提案し、その後、関係者間における協議を経て、来年の七月二十三日からの開催が決定されたところです。こうした方針に対し、G20首脳を始めとした国際社会や競技団体から評価も得ているところです。
延期により影響を受けるアスリートに対しては、来年夏の東京大会に向けて、安心して競技に取り組むことができるよう、引き続き強化活動に対する支援を実施してまいります。
また、ホストタウン、関係事業者に対する支援も含め、この度、大会延期に伴う様々な課題については、IOC、大会組織委員会、東京都等との緊密な連携の下、政府としてもしっかりと対応してまいります。
新型コロナウイルス感染症対策の影響を受けた国民へのメッセージについてお尋ねがありました。
現在、国民の皆様には、感染拡大防止に向けた御協力をいただいており、大変御不便をお掛けしておりますが、これは欧米各国がそうであるように、都市の封鎖や強制的な外出禁止、生活必需品以外の店舗封鎖など、強硬な措置を回避するためのものです。
また、経済も大きな影響を受けており、事業者の皆様の経営にも大変な打撃となっております。今は感染拡大の防止、重症化の防止が最優先ですが、その後は日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させるべく、甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済政策を打っていかなければならないと考えております。来週、緊急経済対策を取りまとめ、前例にとらわれることなく思い切った措置を、財政、金融、税制を総動員して実行に移してまいります。
この闘いは長期戦を覚悟していただく必要がありますが、政府においては、国民の皆様の命と健康を守るため、引き続き各種対策に全力を挙げて取り組んでまいりますので、国民の皆様におかれましても、何とぞ御協力をお願いしたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症に関して、医療提供体制の整備と医療機関への支援についてお尋ねがありました。
感染拡大防止と同時に、国内で感染者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題と考えております。
現在、治療のために必要な病床としては、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、二万五千床を超える病床を確保しておりますが、今後の感染者の更なる増加に加え、三月二十八日に決定した基本的対処方針においては、患者が増加し、重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
また、マスクを始めとする感染症防護具や消毒液については、国内企業に対して、国内生産体制の強化や輸入の拡大を働きかけてきたところでありますが、全国の医療機関に必要な量を確保できるよう、更なる増産を支援するなどの取組を進めてまいります。
さらに、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関等を支援することは極めて重要であると認識しており、現在は、入院患者が一時的に急増したこと等により、一時的に診療報酬上の人員の基準を満たすことができない場合に、報酬を減額しないなどの特例を設けて対応しておりますが、今後、更なる診療報酬上の評価についても検討するとともに、新たに編成する補正予算案の中でも、こうした医療機関への人材確保等に向けた支援も検討してまいります。
PCR検査の民間事業者に対する検査機器の導入や抗体検査についてお尋ねがありました。
PCR検査については、最近実用化された迅速検査機器を始めとした検査機器の周知に努めるとともに、民間検査機関に導入を働きかけているところです。
また、PCR検査と抗体検査を組み合わせて活用することは、一般的に、感染症のより精度の高い診断を行う上で有意義であると考えております。このため、新型コロナウイルス感染症の抗体検査は、現在、その測定方法や有用性を含め、専門家と検討を行っているところであり、今後、実用化が可能となった段階で、PCR検査と組み合わせて活用していくことも検討してまいります。
新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンの開発の状況等についてお尋ねがありました。
国内での感染拡大が進む中で、政府としては、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、有効な治療薬やワクチンの開発を加速していくこととしております。
治療薬の開発については、我が国では五つの薬について既に観察研究としての投与を開始しており、例えば、新型インフルエンザの治療薬として承認を受けているアビガンについては、二月下旬から観察研究を実施するとともに、三月三十一日から企業治験を実施しており、今後、希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大するとともに、薬の増産をスタートすることとしております。
また、エボラ出血熱の治療薬として開発されていたレムデシビルについても、二月下旬から観察研究を実施するとともに、三月二十三日に日米が中心となった国際共同治験がスタートしており、四月中に企業治験が実施される予定となっております。
ワクチンの開発についても、国内で複数の研究開発がスタートしており、また、CEPI等を通じた国際的協力の枠組みに対しても、我が国は既に多くの拠出を行い、支援を継続しているところです。
高齢者施設等の感染防止対策についてお尋ねがありました。
高齢者や基礎疾患を抱える方は新型コロナウイルスに感染することで重症化するリスクが高いため、高齢者施設等における感染拡大防止の徹底を図ることが重要であると考えております。
そのため、高齢者施設等における感染予防対策として、再利用可能な布マスク二千万枚を順次配布するとともに、消毒用エタノールについても優先供給の仕組みを構築しております。
さらに、実際に介護に当たられている高齢者施設等の職員の方々に対して感染防止策に関する様々な情報を分かりやすくお伝えしていくことは、何より重要であると考えており、現場の施設職員の方にもお話をお伺いしながら、分かりやすい周知方法の工夫を行ってまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕