安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山添拓議員にお答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症に関する医療機関等に対する支援等についてお尋ねがありました。
 感染拡大防止と同時に、国内で感染者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することは喫緊の課題と考えております。
 現在、治療のために必要な病床としては、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、二万五千床を超える病床を確保しております。また、特定の都道府県で患者数が大幅に増えた場合等に備え、隣県との間で広域搬送のための体制整備を進めているところです。
 人材の確保については、患者数が大幅に増えた場合に備え、都道府県に対して、地域の診療所など一般の医療機関に勤務している医療従事者の派遣や、現在医療機関に勤めていない医師、看護師等の把握と臨時の職務復帰による医療従事者の確保を進めています。
 加えて、基本的対処方針においては、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがある場合には、入院治療が必要ない軽症者等は自宅で療養し、その際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うなど、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じることとしております。
 来週取りまとめる緊急対応策においては、第一の柱として医療提供体制の整備を掲げることとしており、こうした施設の確保も含め、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備を強力に支援してまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により事業の継続に支障が生じる医療機関に対しては、独立行政法人福祉医療機構が行う融資について無利子、無担保の優遇等を行っているところであり、今後とも、現場の声を伺いながら医療機関に対する支援を行ってまいります。
 PCR検査の簡易検査機器については、三月中に利用が開始されたところです。また、PCR検査については、四月一日時点で全国で一万件を超える検査能力を確保しているところですが、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるよう、検査能力を更に高めていくこととしております。
 御指摘の抗体検査については、診療、治療の一環として活用することに伴う一定の課題もあることから、政府として現在、その有用性や使用方法も含め専門家と検討を行っているところです。
 政府の行う自粛要請と損失補償についてお尋ねがありました。
 お尋ねの自粛要請によって生ずる個別の損失に対する補償については、直接の自粛要請の対象となっていない分野においても売上げや発生の減によって甚大な影響が生じていることも勘案すると、政府として様々な事業活動の中で発生する民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償することは困難です。
 しかしながら、来週取りまとめる経済対策においては、中小・小規模事業者や個人事業主の方々が継続して事業に取り組めるよう、民間金融機関でも無利子の制度融資を受けることができる制度を整えるとともに、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者等に対して、事業を持続するための新たな給付金制度も創設してまいります。
 また、今は国難とも呼ぶべき事態にありますが、こういうときだからこそ人々の心を癒やす文化や芸術の力が必要であり、困難にあっても文化の灯は絶対に絶やしてはならないと考えています。自粛等によって冷え込んだ文化芸術を再び盛り上げ、持続的な活動が行われるよう、前例にとらわれることなく思い切った支援策を実行してまいります。
 高等教育における学費や奨学金等についてお尋ねがありました。
 高等教育無償化の新制度等の運用について、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行うこととはしています。また、入学金や授業料の納付が困難な学生には、それらの納付猶予や減免等を行うよう大学等に対し要請しており、さらに、奨学金の返還についても、返還困難な事情が生じた場合には返還期間を猶予する仕組みなどを整備し、その周知徹底を図ってまいります。
 政府としては、こうした取組を通じて家庭の経済事情にかかわらず子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくってまいります。
 雇用維持の要請等についてお尋ねがありました。
 政府としては、厚生労働省において、都道府県労働局や業界団体を通じた情報収集等を通じて、解雇、雇い止め、採用内定の取消し等の状況の把握に日々努めているところです。既に、雇用調整助成金制度の大幅な拡充や強力な資金繰り支援など、事業の継続と雇用の維持のために必要な対策を直ちに実行しているところですが、経済団体等を通じて企業の皆様に対し、解雇、雇い止め、採用内定の取消し等を防止するため、こうした施策も活用し最大限の経営努力を行うことをお願いしてきたところです。来週には緊急経済対策を取りまとめ、こうした施策を更に強化し、雇用の維持に全力で取り組んでまいります。
 消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
 消費税については、急速に高齢化が進む我が国にあって、若者からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障を構築するためにどうしても必要な財源と考えています。今般の新型コロナウイルス感染症の経済への甚大な影響に対しては、そのマグニチュードに見合うだけの、リーマン・ショック時の経済対策の規模を上回る規模の緊急経済対策を財政、金融、税制を総動員して策定することとしていますが、その施策は効果があるものではならないと考えています。
 このため、政府としては、今、大変厳しい状況の中でも何とか事業を継続していただき、地域の雇用と国民生活をしっかりと守り抜いていくために、こうした方々に対する現金給付制度の創設を含め思い切った対策を講じるとともに、感染拡大が抑制された段階を見据え、甚大な影響を受けている旅行、運輸、外食、イベントなどにフォーカスした短期集中で大胆な需要喚起策などを講じることで、大変な状況にある方々に直接手が届く効果的な支援策を実施していく考えです。
 新型コロナウイルス対策におけるジェンダーの視点についてお尋ねがありました。
 いかなる状況にあっても、女性に対する暴力や児童虐待は決して許されません。とりわけ、感染症によって社会不安が高まる中で、社会的に弱い立場にある皆さんを守ることは極めて重要な課題です。
 このため、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針においても、各種対策の実施に当たり、女性等に与える影響を十分配慮することを明記したところです。これを受けて、政府として、今朝、地方公共団体に対し、DVの相談対応から保護に至るまで、支援の継続的かつ迅速な対応を依頼いたしました。本年度から新たに民間シェルターに対する支援などの施策を盛り込んだところでありますが、近く策定する経済対策においても、DVについて深夜、休日にも対応できる相談窓口の設置を盛り込むなど、被害者支援体制の充実を図ってまいります。(拍手)

発言情報

speech_id: 120115254X01120200403_021

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2020-04-03

院: 参議院

会議名: 本会議