岩渕友の発言 (本会議)
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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、復興庁設置法等の一部を改正する法律案について質問します。
冒頭、黒川弘務東京高検検事長の辞任問題について述べます。
安倍内閣が法解釈をねじ曲げ定年延長の閣議決定をした、その黒川検事長が賭けマージャンで辞任するというてん末に、多くの国民はあきれ果てています。安倍内閣の責任は重大です。憲法と検察庁法の精神に背いた違法な閣議決定、それを後付けしようとする検察庁法案の特例規定はいずれも撤回すべきです。
黒川氏への処分を訓告にとどめたことに怒りが沸き上がっています。法務省が懲戒相当としていたものを首相官邸が覆したとの報道もあります。安倍総理は、法務省、検察が決めたことと言います。しかし、森法務大臣は当初、内閣が決めたと会見で述べ、決算委員会でも内閣と協議したことを認めています。稲田検事総長は、訓告処分を主導したことを否定しています。誰が、どういう理由で、懲戒処分にしないと決めたのか、明らかにする必要があります。予算委員会での集中審議の開催を強く求めます。
本法案は、復興庁を十年延長する設置法改定を始め、五つの法案が束ねられています。被災者、被災地の実態から見れば、復興庁の延長は当然のことです。同時に、法案には本来、東京電力が負担すべき原発事故の処理費用を新たに国民に押し付ける内容が含まれています。これは、被害者への損害賠償を打ち切る東京電力を救済し、責任を免罪するもので、断じて許せません。
以下、法案についてお聞きします。
東日本大震災から九年二か月たちました。いまだに四万人を超える方々が避難生活を余儀なくされています。
二月に岩手県陸前高田市、宮城県石巻市で話をお聞きしました。直接の被害に加え、消費税増税や台風被害など、なりわいや地域経済への打撃が続いていたところに、新型コロナウイルスの影響が重くのしかかっています。加えて、復興公営住宅の高齢化と孤独死、心のケアやコミュニティーの形成、在宅被災者の問題など、新たな困難や課題が生じています。
昨年末閣議決定された基本方針は、地震・津波被災地域は、復興・創生期間後五年間で復興事業の終了を目指すとしています。必要な支援を期限ありきで打ち切るようなことがあってはなりません。被災者、被災地の実態を国が責任を持って把握すること、実態に合わせた支援を継続するべきです。復興大臣、お答えください。
東日本大震災特別家賃低減事業は、復興交付金を使って地方公共団体が行う復興公営住宅の家賃減免費用の一部を支援しています。管理開始から五年間は特段の減額措置、その後五年間で段階的に家賃が引き上げられます。法案では復興交付金を本年度末で廃止するとしています。
管理開始したばかりの住宅、完成が今年度という住宅もあります。別の補助で引き続き支援するとのことですが、供与開始時期の違いで同じ支援が受けられないとすれば不公平です。供与開始時期にかかわらず、十年間は当然補助されるということでいいですね。復興大臣に確認します。
東京電力福島第一原発事故被害者の実態はどうなっているか。三月四日、双葉町の帰還困難区域の一部が解除され、全町避難の自治体はなくなりましたが、避難指示解除地域の居住率は三割にすぎません。三月末には、浪江町や富岡町など、帰還困難区域を抱える自治体の住宅無償提供が初めて終了となりました。帰ることができないのに、住宅提供は打ち切る。被害者切捨てにほかなりません。国は住まいの確保に最後まで責任を果たすべきです。復興大臣、お答えください。
東京電力は損害賠償の打切りも進めています。原発ADRで、和解案を受け入れる条件に今後の請求の放棄を迫る完全清算条項を要求するなど、とても加害者とは思えません。経産大臣、被害者が損害賠償の請求を諦めることがないよう、東京電力を厳しく指導するべきではありませんか。
東京電力を被告にした福島原発避難者訴訟の仙台高裁判決は、中間指針を超えて避難生活による精神的苦痛への慰謝料を増額し、ふるさとを喪失し変容させられた損害への慰謝料を認めました。中間指針の見直しは待ったなしです。文科大臣、お答えください。
このような東京電力を更に救済しようというのが特別会計法改定案です。これは、原発事故により発生した放射性廃棄物を保管する中間貯蔵施設、この関連費用を拠出する電源開発促進勘定に、再生可能エネルギーの導入などに使うエネルギー需給勘定から資金の繰入れを可能とするものです。東京電力が負担すべき費用を国が資金交付している上に、更にその財源が逼迫したから別勘定から繰り入れるということは、東京電力の責任を免罪するものです。
電源開発促進勘定の財源は、電気料金に上乗せされている電源開発促進税です。経産大臣、繰り戻すための費用は結局国民負担になるのではありませんか。原発事故の責任を国民に転嫁することは到底認められません。
福島イノベーション・コースト構想についてお聞きします。
廃炉やロボット、ドローンなど、浜通り地域の産業回復をうたう構想ですが、昨年の県政世論調査で内容を知らないと答えた県民が八割以上に上りました。呼び込み型の巨大開発が中心となり、地元の事業者や住民の要求にかみ合っていないのではないでしょうか。認識を伺います。
広野町、いわき市勿来に建設中の石炭ガス化複合発電、IGCCもイノベーション・コースト構想の一つです。政府はIGCCは効率がいいと言いますが、二酸化炭素の抑制効果は一五%にすぎません。イノベーション・コースト構想の名で石炭火力発電を進めることは、喫緊の課題である気候変動対策に逆行することになるのではありませんか。以上、経産大臣にお聞きします。
最後に、いわゆるALPSで処理した汚染水の取扱いをめぐる問題について聞きます。
小委員会が示した海洋放出、大気放出案に基づいて、関係者の御意見を伺う場が開催されてきました。新型コロナウイルスの影響が広がり、広く意見を聞くことができない状況の下で、なぜ今開催するのですか。
東京電力の試算では、汚染水をためるタンクは二〇二二年夏頃までには満杯になり、処分準備に二年程度掛かるとしています。梶山大臣は方針決定の先送りはできないと述べており、タンクの置場を理由に結論ありきで処分方法を決定しようとしているのではありませんか。
二月には福島県沖で捕れる全魚種の出荷が可能となり、四月には浪江町の請戸漁港で九年ぶりに競りが再開された中で、海洋放出は漁業者の努力を無に帰すものと怒りの声が上がり、浪江町議会は海洋放出に反対する決議案を全会一致で可決しています。
国際環境NGO、FoEJapanが福島県近隣六都県の漁協を対象に行ったアンケートでは、九一%が海洋放出に反対と回答し、八五%が国民的な議論を求めています。茨城県知事が政府に白紙で再検討を求め、台湾の環境団体が海洋放出に反対を訴える経産省宛ての意見書を提出するなど、反対の声は国内外に広がっています。陸上保管を継続し、意見を幅広く聞くべきではありませんか。以上、経産大臣、お答えください。
一たび事故が起きれば、ふるさとも日常も奪い、環境を汚し、そのツケを国民に押し付けることになるのが原発です。原発ゼロの政治決断を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣田中和徳君登壇、拍手〕