加藤勝信の発言 (本会議)

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○国務大臣(加藤勝信君) 倉林明子議員より六問の質問をいただきました。
 地域共生社会の実現に向けた国、地方自治体の責任等についてお尋ねがありました。
 少子高齢化や人口減少が進むとともに、単身世帯の増加など家族の在り方や地域社会が変化する中で、八〇五〇問題やダブルケアといったように個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化していると認識をしています。こうした状況に対応すべく、厚生労働省としては、生活困窮者自立支援制度を創設するなど、セーフティーネットの強化を進めてまいりました。
 さらに、平成二十九年の社会福祉法改正において、市町村に対し、地域生活課題の解決を図るための包括的な支援体制を構築するよう、努力義務を規定をいたしました。
 今回の法案では、これを更に進めるため、社会福祉法において地域共生社会の実現を目指す旨の規定を追加するとともに、国及び地方自治体の責務として、課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備を進める、体制の整備に際しては、保健医療、労働、教育、住まい及び地域再生に関する他分野の施策との連携に配慮する旨を規定をしております。加えて、国及び都道府県の責務として、市町村において新たな事業の実施など包括的な体制の整備が適正かつ円滑に行われるよう、必要な支援を行う旨を規定をしております。こうした責務を果たしていくことで、地域共生社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
 各制度を担う人員の充実や連携の強化等についてお尋ねがありました。
 地域住民の複合的な支援ニーズに対応していくためには、専門職による本人に寄り添った支援と、地域づくりを通じて生まれる地域住民同士の支え合いや見守りの双方を充実させていくことが必要であると認識をしております。
 今回の新たな事業で実施するアウトリーチ支援や、各相談支援機関との連携体制を構築する多機関協働の事業など、複合的な支援ニーズを抱える方に対する相談支援では、ソーシャルワーカーを始めとした福祉の専門職の役割は重要であると考えております。国としても、支援に必要な人員の確保と研修等を通じた資質の向上を図るため、必要な予算の確保に努めてまいります。
 新たな事業の財政措置等に関してお尋ねがありました。
 新たな事業を実施するための財政措置、人員配置基準、資格要件については、介護、障害、子ども、生活困窮の各法の事業実施義務に基づき、人員配置基準、配置人員の資格要件などを維持しながら必要な支援を提供するとともに、国、都道府県、市町村の費用負担は各法に規定する負担割合と同様として必要な予算を確保すること、参加支援、アウトリーチ支援、多機関協働といった既存の事業を支え体制構築の強化に資する等、新たな機能についてもそれぞれの機能に応じて求められる人員配置や職員の要件などを整理しつつ、適正な人員を確保できるように必要な予算を令和三年度以降要求していくこととしています。
 具体的な財源規模については予算編成過程において調整していくこととなりますが、全ての住民を対象とした包括的な支援体制を構築し、複雑化、複合化した支援ニーズに対応できるよう、市町村における事業実施に必要な財源及び人員の確保に努めてまいります。
 社会福祉連携推進法人制度創設の狙いや小規模な社会福祉法人が果たしている役割、連携や協働、合併等における法人の判断についてお尋ねがありました。
 社会福祉連携推進法人制度は、福祉分野での専門性を有する社会福祉法人などが社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正に行うため、それぞれの強みを生かしながら連携、協働するとともに、経営基盤の強化を図ることができるよう、新たな連携方策として創設するものであり、合併、事業譲渡を前提としたものではありません。本制度の活用も含め、連携、協働、合併等を行うか否かは、あくまでも個々の社会福祉法人の自主的な判断が前提となるものであります。
 また、社会福祉法人は、規模の大小にかかわらず、社会福祉事業の主たる担い手として地域住民の多様なニーズに対応していただいているものと考えております。
 厚生労働省としては、社会福祉法人を始め社会福祉事業を運営する法人が、その規模にかかわらず安定的なサービス提供が維持されるよう、必要な施策を進めてまいります。
 社会福祉連携推進法人制度における貸付業務と議決権についてお尋ねがありました。
 社会福祉連携推進法人が行う貸付業務は、社会福祉法人の経営基盤の強化を図り得るようにしていくため、社員である社会福祉法人に対し、社会福祉事業に必要な資金を支援するために認めるものであります。
 仮に、個々の社会福祉法人の経営が悪化した場合、自主的な再建や金融機関からの融資など様々な対応があり得ますが、あくまでも当該社会福祉法人の自主的な判断によって対応を決めることになると考えております。
 また、社会福祉連携推進法人の社員総会において、議決権については、有識者による検討会の報告書では、一社員一議決権を原則とすること、不当に差別的な取扱いをしないなどの一定の要件の下に定款で別段の定めを可能とすること、議決権の過半数を社会福祉法人とすることが適当であるとされており、これを踏まえて、議決権の内容については厚生労働省令で定めることとしております。
 介護福祉士国家試験の経過措置についてお尋ねがありました。
 介護福祉士の養成施設卒業者に国家試験合格を義務付けることで資質を向上させるという、平成二十八年の法律改正当時の基本方針は堅持をしております。
 経過措置については、平成二十八年当時と比較して介護現場の人手不足が深刻化している等の状況の下、審議会などにおける議論で、有識者、関係者の皆様から様々な意見がありました。
 具体的には、質の高い介護を提供するためには全員が国家試験を受けるべきであり、経過措置を延長しないでほしいといった介護福祉士を目指す方々などからの切実な意見があった一方で、経過措置を延長しなければ介護サービスの提供に支障が生じかねないという意見もあったところであります。こうした様々な意見も踏まえ、最終的には経過措置を五年間に限り延長することを法案に盛り込みました。
 一方で、この経過措置はあくまで暫定的なものであり、この間に養成施設の教育の質を上げ、国家試験合格率を高めていくことが必要であり、このため、養成施設ごとの国家試験合格率などを公表する仕組みを新たに実施するほか、養成施設の教育の質の向上に係る取組、例えば留学生向けの介護福祉士試験対策教材の作成などについて必要な経費への財政的支援を行い、経過措置終了に向けた環境をつくっていきたいと考えております。
 また、国家試験義務付けのみならず、介護福祉士の方々が資格を取得した後も現場で活躍し、チームリーダーとしてその力を発揮していただくことが必要であります。
 今年度においては、介護福祉士の果たすべき役割をより明確にし、資格の価値を高めていく観点から、キャリアモデルの検討を行うこととしており、介護福祉士が更に魅力のある資格となり、これを目指す人も増えていくような、こうした循環をつくっていくべき努力をしてまいります。
 以上です。(拍手)

発言情報

speech_id: 120115254X02020200529_020

発言者: 加藤勝信

speaker_id: 5843

日付: 2020-05-29

院: 参議院

会議名: 本会議