高市早苗の発言 (本会議)

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○国務大臣(高市早苗君) 音喜多駿議員からは、まずエビデンスの定義についてお尋ねがありました。
 EBPM、すなわち証拠に基づく政策立案は、個別具体の事務事業から総合経済対策のような大規模な政策まで有効な取組として、政府全体でその浸透、定着を図っているところです。
 エビデンスの定義については、このように様々なレベルの政策におけるEBPMを視野に入れた統一的な定義は確立していないものと承知しておりますが、一般的に申し上げれば、エビデンスは政策のよって立つ論理を証拠付けるものであると考えております。このような状況においては、エビデンスと言えるかどうかを定義で限定するのではなく、エビデンスのレベルや質をもって、その過不足や論理の妥当性を考えていくべきものであろうと認識しております。
 議員御指摘の、エピソードばかりが選択され、政策効果の検証が曖昧になるとの弊害については、むしろエビデンスの定義の問題ではなく、選択されたエピソードでは、エビデンスとしてはレベルが極めて低いか、そもそも政策の論理が成立していない、つまりエビデンスになっていない事例と評価すべきことではないかと考えます。
 次に、政策評価の年次報告で、海外事例を参考にするよう御提言を賜りました。
 政策評価については、各国において、その国の実情や政策を踏まえて様々に取組が行われており、我が国においても参考にすべき事例があるものと考えております。現行の政策評価法も海外の仕組みや事例についての研究を踏まえたものであり、総務省では同法を所管する立場から各国の取組についての情報の収集も行っております。
 海外事例の知見については、各行政機関が行う政策評価の中に生かすことや、今回の報告書におけるトピックのような形で取り上げることなどが考えられますが、その内容や性質に応じて取り扱いつつ、政策評価法の定めに従い適切に報告書をまとめてまいりたいと考えます。
 次に、政策評価において、行政機関外部からの評価、特に会計検査院の関与の充実についてお尋ねがありました。
 政策評価法は、行政機関に対し、政策評価の客観的かつ厳格な実施を図るため、政策の特性に応じて学識経験者の知見を活用することを求めております。行政機関外部からの評価の活用は、このような取組の一環として位置付けられるものであると考えられ、政策の特性に応じて行っていくことが望ましいと考えております。
 なお、会計検査院につきましては、内閣に対し独立の地位において会計検査を行うべき機関と承知しており、内閣に属する行政機関の営みである政策評価に関し、その評価過程で関与することは適切とは考えてはおりませんが、他方で、行政機関は、自らの政策評価において会計検査院の既往の指摘について必要な考慮を行うことは当然と考えております。
 次に、EBPMに際して行政が行う試行錯誤について国民の御理解を得る努力が必要ではないかとの御指摘がございました。
 EBPMは、証拠を得つつ、政策のロジックなどを不断に見直し改善するという考え方を含んでおり、議員御指摘のとおり、試行錯誤を重ねる可能性を含んでいる考え方でございます。また、政策評価の取組は、国民の皆様に対する説明責任を果たすために行うものであり、国民の皆様の御理解は不可欠です。したがって、政策評価におけるEBPMの取組については、引き続き、政策評価の広報の際に的確な発信を行っていきたいと考えております。他方において、EBPMにより各行政機関が個々の政策において行う試行錯誤については、当該政策についての説明責任を果たす中で誠実に果たしていくべきことであると考えております。
 次に、国会議員とのレクチャーなどのオンライン化についてお尋ねがありました。
 御指摘の新たな運用については、まずは国会において御判断いただくことであると考えます。その上で、一定の方向性をお示しいただいた場合には、総務省としても適切に対応してまいります。
 次に、EBPMの取組について、国が地方公共団体にもノウハウを提供し、推進すべきという御指摘がございました。
 地方公共団体へのEBPMのノウハウの提供については、国、地方を通じた政策改善と、行政に対する国民の信頼確保を進める上で重要であると考えております。
 総務省では、平成二十七年七月の本院における政策評価制度に関する決議を踏まえつつ、国の機関と地方公共団体の職員を対象とした研修の機会などにEBPMに係る情報提供をしております。今後とも、EBPMに関する的確な情報提供に努めてまいります。
 次に、地方公共団体が制定する条例と属地主義の関係についてお尋ねがありました。
 お尋ねの条例の効力については、個別具体に判断されるべきものです。その上で、一般論として申し上げますと、地方自治法第十四条第一項の規定により、地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて地域における事務などに関して条例を制定することができることとされています。
 条例は、原則として、当該地方団体の区域内であれば住民であるか否かを問わず効力を及ぼすとともに、当該区域外にある者に対しても、例えば当該区域内において条例の規定の対象となるものを所有するような場合には、当該地方公共団体の条例の規定が適用されることがあり得るものと考えています。
 次に、区域外に効力を及ぼす条例の制定についてお尋ねがありました。
 地方公共団体の区域外にある者に対しても条例の規定が適用されることはあり得るものであり、そのような規定を設けることが直ちに問題になるものとは考えておりません。
 次に、大阪府議会の取組についてお尋ねがありました。
 総務省におきましては、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止措置の観点などから、委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合に、テレビ電話会議システムなどを活用して委員会を開催することは差し支えない旨の通知を発出させていただきました。オンラインによる委員会の開催を検討している地方議会においては、この通知の趣旨を踏まえて御対応いただきたいと考えております。
 新型コロナウイルス感染症対策以外の観点からの委員会への出席の在り方については、現在実施が検討されている新型コロナウイルス感染症対策としてのオンラインによる委員会の開催の取組や運営上の工夫などもよく踏まえた上で考えていくべき課題であると認識しています。
 次に、民間の会議と地方議会との取扱いの違いについてお尋ねがありました。
 地方議会は、多様な住民の意見を集約して団体意思を決定する重要な役割を果たしています。議員の意思決定は疑義が生じる余地のない形で行われる必要があり、また、議会の会議の内容及び議員の活動は住民の皆様にも公表すべきものでございます。こうした議会の役割や性質を踏まえますと、民間における一般的な会議と地方議会の委員会を同列に論ずることはできないと考えております。
 最後に、地方議会への出席方法を自由に定めることについてのお尋ねがありました。
 地方議会は、多様な住民の意見を集約して団体意思を決定する重要な役割を果たしております。これも、新型コロナウイルス感染症対策以外の観点からの議会への出席の在り方につきましては、現在実施が検討されている新型コロナウイルス感染症対策としてのオンラインによる委員会の開催の取組や運営上の工夫などもよく踏まえた上で考えていくべき課題であると認識しております。(拍手)
   〔国務大臣北村誠吾君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120115254X02220200605_017

発言者: 高市早苗

speaker_id: 24045

日付: 2020-06-05

院: 参議院

会議名: 本会議