安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 浅田均議員にお答えをいたします。
我が国が感染爆発を回避できた根拠等の調査についてお尋ねがありました。
新型コロナウイルスの性質や実態に関しては、国立感染症研究所において、国内外のウイルスのゲノム情報を統合して世界的な感染伝播の追跡を行うこととしているほか、ワクチンに関する研究の中で、日本人特有の新型コロナウイルス感染症の重症化に関与する遺伝子等を探索する公募研究が進められているところです。
また、我が国が感染爆発を回避できた根拠を科学的に解明するには、新型コロナウイルスの性質や実態に関する国際的な知見の集積も待つ必要がありますが、五月二十五日に開催された専門家会議の提言においては、緊急事態宣言により、人との接触機会が低い状態を維持できたこと、クラスターが発生しやすい場所、施設の利用機会が外出自粛要請や施設の使用制限等との組合せにより実効的に抑制できたこと、域外への外出自粛により大都市圏から地方都市への感染拡大に歯止めが掛かったこと、国と連携して、全国の都道府県知事の下、一体となった対策の推進が図られたことにより新規感染の抑制に貢献した可能性が高いと評価されているところです。
政府としては、こうした専門家による分析も踏まえながら、次なる事態に備え、しっかりと対策を講じてまいります。
緊急事態宣言発出のタイミングや再指定及び解除についてお尋ねがありました。
緊急事態宣言については、私権の制限を伴うものであり、慎重に判断を行うべきとの指摘もある中で、都市部を中心に累積感染者数が増加をしていること、累積感染者数が二倍になるまでに要する日数が短くなっていることから、感染者数の更なる急増の危険があること、都市部を中心として既に地域の医療提供体制が逼迫している状況にあり、今後、更にこれが悪化するおそれがあることなどを踏まえ、四月七日に、専門家の意見も聞いた上で、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある状況に至ったと判断をし、緊急事態宣言を行うこととしたものです。これらの判断は、時々刻々と感染状況が変化する中で、専門家の意見も踏まえながら、適切に行われたものであったと考えています。
また、緊急事態宣言の再指定と解除については、基本的な考え方として、指定については、大きな流行としないために、オーバーシュートの予兆が見られる場合には速やかに行い、解除については、クラスターを把握することが可能な程度まで感染が収まっているかどうか慎重に判断した上で行うといった違いはあるものの、いずれも専門家の意見を聞いた上で、地域の感染状況や医療提供体制などを踏まえ、総合的に判断することとしております。
予備費及び地方創生臨時交付金についてお尋ねがありました。
新型コロナウイルス感染症については、今後の長期戦を見据え、状況の変化に応じ、臨機応変に、かつ時機を逸することなく対応する必要があります。こうした観点から、今後の対応に万全を期すため、新型コロナウイルス感染症対策予備費を十兆円追加することとしました。
今回の予備費については、予算総則であらかじめ国会の議決をいただいた範囲内にその使途が限られていることとなっており、国会の御審議を通じた予算統制が十分に働く仕組みとしております。
その上で、この予備費の扱いについては財務大臣より財政演説において御説明したところであり、こうした考え方を踏まえ、今後起こり得る様々な事態に対して迅速かつ十分に対応できるよう万全を期してまいります。
また、地方創生臨時交付金は、新型コロナウイルス感染症への地方における様々な対応を全力で支援する観点から、全国知事会の提言も踏まえ、二兆円増額し、一次補正と合わせて総額三兆円とすることとしています。今回の増額については、全国知事会などからも高く評価をいただいており、地域の実情に応じた事業者や生活者へのきめ細かな支援に御活用いただきたいと思います。
雇用を守る手だてについてお尋ねがありました。
政治に課された最大の使命は、何とか事業を継続していただき、また、しっかりと雇用を守っていくことであると考えています。
このため、今般の第二次補正予算において、雇用調整助成金を抜本的に拡充するとともに、労働者個人が直接申請できる新たな支援金を創設するなど、更に強力な支援策を講じることとしております。
また、こうした支援策について、経済団体等を通じて企業の皆様に対してその活用を促すなど、雇用の維持に向けて改めて最大限の経営努力をお願いしているところです。
政府としては、これらの取組を可能な限り速やかに実行しつつ、引き続き雇用情勢を十分注視しながら、必要な対策を講じてまいります。
消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
消費税については、急速に高齢化が進む我が国にあって、若者からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障を構築するためにどうしても必要な財源と考えています。
政府としては、事業規模で二百三十兆円を超える、GDPの四割に上る世界最大の対策で、この百年に一度の危機から日本経済を守り抜いてまいります。
新しい生活様式の期間と負担についてお尋ねがありました。
これまで申し上げているとおり、今般の新型コロナウイルス感染症については、有効な治療法やワクチンの開発まで感染防止の取組に終わりはなく、長期戦を覚悟する必要があると考えております。そのような中、感染リスクをコントロールしつつ段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていくことで、コロナ時代の新たな日常をつくり上げていかなければならないと考えております。
御指摘の新しい生活様式はそのための指針となるものであり、各業界団体においては、専門家の助言の下、それぞれの業界の特性も踏まえ、感染リスクをコントロールしながらどうすれば事業活動を実施できるかとの観点でガイドラインを作成いただいております。政府としては、持続化補助金の上限を引き上げる等の支援策を設け、このガイドラインに沿った感染防止対策が実施されるよう支援していくこととしております。
こうした取組は、今後の感染状況に応じて適宜見直しを行いながら、基本的には感染が収束するまでの間続けていただくことを考えておりますが、その中にあって、テレワークや時差通勤などの前向きな変化については、改善すべきは改善しながら、感染が収束した後も是非続けていただきたいと考えており、こうした取組を継続していくための後押しも政府として行ってまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕