青山繁晴の発言 (予算委員会)
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○青山繁晴君 今のお言葉に前向きな含みがあると理解いたしました。
質問の二に移りたいと思います。
中国では、西暦二〇〇六年、ごめんなさい、二〇〇五年からですね、鳥インフルエンザが、鳥インフルエンザのウイルスが猛威を振るいました。人から人にうつるようになって、二〇〇七年には南京で人から人感染による死者も出ました。ちょうどその当時に事務局長として中国がWHOに送り込んだのがマーガレット・チャン元香港衛生署長です。チャン事務局長は、その後十年半、二〇一七年六月末まで、今世紀では異例の長期にわたりトップの座にありました。その全盛期ともいうべき二〇一五年に行ったのが、感染症の名前に地域名などを冠しない、付けないという指針であります。
それから五年たちまして、では、感染症の名前が今どうなっているのか。日本には感染症法という大切な法律がありまして、その第六条を後で皆様も御覧になっていただくと、最も恐ろしい感染症である一類に分類されているものだけでも、ずらりと地名を冠した名前が並びます。エボラ出血熱のエボラはアフリカ中央部の川の名前、クリミア・コンゴ出血熱はクリミアが半島の名前、コンゴが国の名前、マールブルグ病のマールブルグはドイツの伝統ある大学都市の名前です。ラッサ熱のラッサはナイジェリアのラッサ、ラッサ村という村の名前、そして、南米出血熱の名前で法律上はくくられているところのアルゼンチン出血熱、ボリビア出血熱、ベネズエラ出血熱、ブラジル出血熱、それぞれ国の名前です。
こうして名前が残っているのは、差別のためではなくて、感染の発生地を明らかにして、それによって発生をめぐる真実を探求し続けるためだと考えられます。動物由来の新しいウイルスによる新しい疫病との闘いはまだこれからでありますから、その中で、どうして中国の今回都市の名前だけ付けてはいけないのでしょうか。
チャンさんがWHOの事務局長になってから、鳥インフルが中国でどうなっているのか、情報がばったり出なくなりました。しかし、鳥インフルが撲滅されたと考えている専門家は、私の知る限り、まずいません。賢い中国は、動物由来の新しいウイルスによる疫病が今後も中国にとって重大な問題、課題になることを理解して備えてきたと考えております。
不肖私は民間専門家の端くれとして幾つか実務上の専門分野を持ちますが、その分野の一つが感染症を含む国家危機管理です。二十二年にわたり実務に関わってきました。実務家ですから陰謀論には立ちません。立ちませんが、この中国の備えには工作活動も含まれていると考えざるを得ない。なぜかといえば、人民解放軍自体が世論戦、心理戦、法律戦という三戦を公然と掲げているからです。
現在、最も問題なのは、今回の疫病が中国の武漢から始まり、そこには、関連はまだ分かりませんけれども、事実としてあるのは、創立から六十四年の歴史がある、歴史を持つ中国科学院武漢病毒研究所、通称武漢ウイルス研があるという事実を薄れさせて、まるで日本が感染拡大の主犯であるような宣伝が始まっていることであります。
そこで、私は、武漢熱という名称を付けて、真実解明が曇ることのないよう、中国国民の膨大な犠牲も無にしないためにも、この名前を使っております。
さて、日本は、この中国の影響力が強い、あえて申せば強過ぎるWHOに対して国民の税から世界第三位の拠出をしております。そのWHOに改革を促すべきではありませんか。
また、武漢熱をめぐる責任に加えて、尖閣諸島への変わらぬ侵犯行為、邦人拘束、チベット、ウイグル、南モンゴル、香港での人権弾圧という問題に改善のない中国に対して、習近平国家主席の国賓としての来日の延期だけでなく、根本的な出直しが必要になると考えます。
そこで、茂木外務大臣にお尋ねいたします。
お尋ねしたいポイントは二つであります。一つは、WHO改革への積極関与はいかがでしょうか。今年五月には通例どおりWHOの総会が開かれるはずです。日本は今年五月まで執行理事国でもあります。WHOの西太平洋地域の事務局長は日本のお医者様です。それらを勘案すれば、この総会において改革の提案をなさってはいかがでしょうか。もう一つは、首脳交流の在り方を含めて、習近平国家主席の来日問題を含めて、日中関係の在り方の根本的な見直しをしてはいかがでしょうか。
この二点、茂木外務大臣、よろしくお願いいたします。