山花郁夫の発言 (憲法審査会)

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○山花委員 最近、アメリカの大統領選挙において投票に不正があったとの主張がなされ、大きな混乱が生じているように見受けられます。その主張の当否は別といたしましても、手続の公正さに対して疑念が生じないようにすることは極めて重要なことであると感じています。
 さて、当審査会において、民放連は、スポットCMについて、量的公平の確保は分単位では難しい旨の発言がありました。憲法改正国民投票法制定時の意見より後退したもの、その意味で、立法事実とたがわせるものと言わざるを得ませんが、それにしても、公平性については努力する意思があるものと受けとめておりました。
 しかし、さきの大阪の住民投票の際のCMの量は、果たして公平だったと言えるのでしょうか。法的規制は不要と考えることの方がますます難しくなったのではないかと感じています。
 また、法制定時と異なり、テレビ、ラジオ以上にネットの影響力が大きくなっており、この点についても検討する必要があるのではないでしょうか。
 コマーシャルの問題と関係するのが、資金面でのルールはなくてよいのかという点であります。
 これはアメリカの例ですけれども、二〇一二年の十一月、カリフォルニア州で遺伝子組み換え作物の表示を義務化するかどうかを問う住民投票が行われたことがあります。
 九月に地元の大学が世論調査を行ったときには、賛成が六割を超え、反対は三割にも満たなかったにもかかわらず、住民投票の結果は、賛成が四四%、反対が五五%で、遺伝子組み換えの表示義務は否決されました。
 遺伝子組み換え種子を開発、販売するバイオテクノロジー企業などが四十六億円という巨額の資金を投じ、テレビやラジオで反対キャンペーンを行ったことが原因だと指摘されています。表示賛成派が集めた金額は、五十分の一にも満たない八千万円だったそうです。
 これも、投票運動の公正さに関して教訓とされてよいと考えます。
 外国人の寄附の問題については、先ほど新藤幹事からも言及がございました。
 また、資金力の多寡による不公正を埋め合わせるという観点から、さらには、ポストコロナにおいて、感染症対策を実施している状況のもとで国民投票を行うという事態も想定し、広報の充実強化というのが考えられてよいのではないかと思います。
 国民投票法制定時には、投票に関する分野については公選法に準拠する一方で、投票運動に関しては原則として規制しないことといたしました。どのような弊害があるのかということについて具体的に明らかでなく、立法事実が確認できないことが大きな理由でありました。
 私が特別区設置に関する特例法の立案者でもあるんですが、それも、国民投票法と同様に、立法事実が不明であり、規制しなかったという経緯がございます。
 大阪の住民投票に際しましては、賛成派、反対派ともに投票日当日の二十時まで運動がなされて、投票所の前に双方の運動員がいらっしゃったというような事態も伺っております。
 関係する議員におかれましては、ぜひ実態について御報告いただきまして、具体的な弊害があるかどうか、運動について規制すべき立法事実があるかどうかについて御議論いただきたいと思います。
 また、同一テーマについて数年の間に再度住民投票が行われたことに関しては、私は、個人的には疑問があります。じゃんけんを例に例えると、自分が勝つまで勝負して、勝った時点でゲームセットというのに似ているからです。
 これも、ある意味、ルールの公正さにかかわる問題と言うことができます。国民投票法作成時にも、これは一つの論点でした。
 ただ、憲法改正案が一度否決されたという場合のインパクトを考えると、法律でインターバルの規制を行わなくても、政治的に十年はこれは無理でしょうというようなのが、立案者の間での相場観であったと記憶をいたしております。大都市特例法を立案した際、私自身もそのような認識でありました。
 ただ、今回、米国の大統領選挙を見ましても、敗北宣言で事実上終了するという不文律の揺らぎを目の当たりにいたしまして、同一テーマでの国民投票には一定程度のインターバルを法律で定めることを検討することについて、議論があってもよいのではないかと考えるに至りました。
 なお、宿題となっている予備的国民投票が実施をされ、賛成が多数を占めた後での憲法改正国民投票の場合には、いきなり国民投票にかけられた場合と異なり、具体的な条項案について否決されただけとも考えられますから、場合分けが必要なのかもしれません。
 このように、国民投票法には見直すべき大きなテーマが幾つかあり、当審査会において幅広に議論が深められることを望みます。また、この場での議論が収れんし、手続法についても、どこの党の案ということではなく、できるだけ多くの政党会派で合意できたものをルール化することが、国民投票制度の公正さを何より担保するものであると考えます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 山花郁夫

speaker_id: 324

日付: 2020-11-19

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会