隈本邦彦の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(隈本邦彦君) HPVワクチンのことについてお答えいたします。
先ほどのリーフレットの最後の文章分かりにくいと、私もそう思っております。なぜ分かりにくいかというと、接種、積極的勧奨の中止が今、見合せが今も続いているということを書かないで、ニュアンス的には書いているように見せて、実際には情報をお届けしますと言っている点ですよね。要するに、国の姿勢、方針は今のところ積極的勧奨は中断しているわけですから、そのことをはっきり書いた上、ただ情報はお伝えしますというふうにちゃんと書けばいいのに、その一つの文章にそれをまとめようとするから分かりにくいんだと思います。
リスクコミュニケーションの立場というのは、基本的に一般市民と専門家との言わば双方向やり取りです。リスクコミュニケーションにお詳しい先生に聞いてみますと、それは何かこういう知識とか情報をこうなんですよと教えるのがリスクコミュニケーションではなく、なぜ国民が不安を持っているかということを知りつつ、その専門家との間で双方向のコミュニケーションをすることがリスクコミュニケーションと、本来そうあるべきだというふうに考えております。私もそう考えております。
それで、そういう意味では、実際国が今積極勧奨を中止していることと、そして得られたデータについて素直に出せばいいのに、そこで例えば接種勧奨を中止しているという言葉は書いてないんですね、そのリーフレットには。そういうことを書かないようにリーフレットを作るから、そういう分かりにくいことになるんだと思います。しっかり書いた上で、もし本当にそのリスクに関する、例えば一万人に五人ぐらいの重篤な副反応があるということを書いてありますが、その事実を正確に書いていただきたい。
ただ、私の立場から言いますと、実はその重篤な副反応の中に、非常に、言わば進学を諦めて、そして人生の設計を全く諦めて、もう学校に行けなくなって苦しい思いをしている人ってことが一言もこのリーフレットに書いてないというのは、それは今私が意見陳述で申し上げましたとおり因果関係がまだ医学的に確立していないからということなのかもしれませんが、しかし、それは水俣病のときもそうでした。それから、御存じの方も多いと思いますけど、スモンも最初は感染症だと言われました。薬害であることが、それがはっきりしたのは一九七〇年のことですし、それから、製薬会社がそれを責任を認めるまではそれから九年掛かりました。ということは、やはり、最初は疑わないで、症状を訴える人がいたら適切に治療もしますよという態度を示すことが国民のワクチンに対する信頼感を上げることだと思っています。
付記しますと、国民の多くはワクチンを信頼しています。そして、多くの人は、国から何か紙が来たらこれは受けなきゃと思う人たちばかりです。今HPVワクチン訴訟で原告になっている方ってみんなそうですよ。市町村や学校から打ってくださいって紙が来たから、もう全部信用して打っている人たちばっかりです、ほとんど。だから、何かよくワクチン忌避が進んでいるみたいな意見がありますけど、実際のはしかのワクチンの接種率を見てください。本当に九〇%超えていますよね。多くの人は信用しているんです。ただ、いいワクチンと悪いワクチンがあるので、その情報を正しく提供してほしいと考えているのが私どもの考え方です。
以上です。