山下芳生の発言 (本会議)
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○山下芳生君 私は、日本共産党を代表し、二〇一九年度決算について菅総理に質問します。
同決算は、内閣総理大臣が主催する政府の公的行事として、桜を見る会に予算の三倍もの税金が投入された決算です。
当時の安倍総理は、桜を見る会に多数の地元後援会員を招待した上、その前夜、都内のホテルで安倍晋三後援会主催で後援会員らを招いた前夜祭を開催していましたが、安倍氏側が数百万円の費用を補填していたことが判明したと報道されました。これが事実なら、公職選挙法違反、政治資金規正法違反は明白です。
しかも、重大なのは、国会で一年にわたって総理がうそをついていたことです。国会と国民を愚弄するものであり、絶対に曖昧に済ますわけにはいきません。
この問題では、官房長官として、ホテル側に確認もしないで安倍総理と同じ答弁を繰り返した菅総理の責任も重い。総理、その自覚はありますか。
総理は、捜査中なので答弁は控えると言います。しかし、国会で真相を明らかにするとどうして捜査の障害になるのか。国政調査権と司法の捜査が真相解明を進める上で車の両輪となることは、ロッキード疑獄など数々の歴史的経験があります。捜査中なのでという逃げ口上は、到底通用するものではありません。
国会をうその舞台としたままにすることは、民主主義の国では許されません。国会の在り方が問われています。党派を超えて真相解明に力を尽くし、国会の矜持を示そうではありませんか。
そのためには、安倍前総理の証人喚問は不可欠です。総理、国会のことは国会がお決めになると逃げないで、自民党総裁として決断すべきではありませんか、答弁を求めます。
二〇一九年度決算は、消費税が一〇%に増税され、医療切捨てが進められた年の決算です。総理は、そのことが新型コロナウイルスの感染拡大と結び付き、今、国民の暮らしと命を危機にさらしていることを認識していますか。
新型コロナの感染爆発は何としても止めなければなりません。以下四点提案し、総理の認識を伺います。
第一は、無症状の感染者を把握、保護するためのPCR検査の抜本的な拡充です。
コロナの一番厄介なところは、無症状の感染者が感染を広げてしまうことにあります。ところが、政府は無症状の感染者を把握し保護するという検査戦略を持っていません。その結果、感染経路不明者が五割から六割に達し、対応不能となっています。
七月、我が党の志位委員長は、一つ、新宿区歌舞伎町など感染拡大の震源地となっていると考えられる地域に対し、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止すること、二つ、医療機関、介護施設など集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入りする業者への定期的な検査を行い、集団感染を防ぐことを当時の安倍総理に申し入れました。
政府も十一月、新宿区歌舞伎町で大規模、地域集中的なPCR検査を実施したことにより、陽性者数が減少したと認めました。ならば、総理、全国の感染急増地域に対し、大規模、地域集中的なPCR検査を積極的に行うべきではありませんか。
また、政府は、八月以降、医療機関、高齢者施設等の入所者、職員に対する一斉、定期的な検査を自治体に要請する通知を何度も出しています。しかし、費用が心配で二の足を踏む自治体も少なくありません。
総理、医療機関、高齢者施設等で検査を行った費用は全額国庫で負担すると明言すべきではありませんか。
第二は、感染者と接触した人を追跡するトレーサーを確保し、保健所の体制を抜本的に強めることです。
総理は、保健所を応援するための人材を千二百人確保すると言いましたが、とても足りません。米国のニューヨーク市では、民間の協力も得て検査・追跡部隊を立ち上げ、検査、追跡、隔離、援助を一体的に実施しています。四千人のスタッフが活動し、陽性者の追跡率は九〇%に上っています。
総理、政府の責任で十分な数のトレーサーを確保すべきではありませんか。
第三は、医療崩壊を起こさないために、医療機関に対する減収補填、宿泊療養施設の確保を行うことです。
総理は、医療機関への支援のために三兆円の予算を投入したと言います。しかし、医療現場に届いたのは、十一月十六日時点で僅か五千六百三十四億円、二割弱です。そうした下で、四分の一の医療機関では夏のボーナスがカットされました。少なくない医療機関で冬のボーナスもカットされようとしています。
総理、医療関係者に感謝すると言うのなら、医療機関に対する減収補填に今こそ踏み切るべきではありませんか。
第四に、GoToトラベル事業を抜本的に見直すことです。
総理は、延べ四千万人以上の方々が利用して、感染者は約百八十名と言いますが、百八十名とは一体どういう人ですか。利用者から感染した人は含まれていますか。四千万人の利用者の中に、無症状の感染者がどれくらいいて、どれくらいの人に感染を拡大したか、把握していますか。こうしたことを抜きにGoToトラベルが感染拡大の主要な原因ではないなどとは言えないのではありませんか。
専門家の意見に耳を傾け、GoToトラベル事業は抜本的に見直すべきです。あわせて、苦境に追い込まれた中小事業者に対し、持続化給付金の第二弾を実施し、地域や業界の状況に合わせた直接支援を行うべきです。総理の認識を伺います。
このままでは年が越せないとの声が広がっています。
総理、雇用調整助成金のコロナ特例、生活に困窮している人のための貸付金など、十二月末で期限が切れる直接支援策は来年まで延長し、充実させるべきではありませんか。
また、一人親世帯に対する臨時特別給付金、食費を削って学費や下宿代を払っている学生への緊急給付金も、年内に再支給することが必要ではありませんか。さらに、消費税を五%に減税することもちゅうちょなく行うべきです。
総理、三次補正では間に合いません。七兆円の予備費を活用し、今、暮らしと雇用、営業を支えるべきではありませんか。答弁を求めます。
最後に、日本学術会議への人事介入について質問します。
菅総理による六人の任命拒否に対し、九百を超える学術団体から抗議や憂慮、任命を求める声明が出されています。総理は、我が党の田村智子議員から、なぜこれほどの規模で抗議や憂慮の声が広がったと思うかと問われ、私の立場では答えるべきでないと思うと答弁しました。
自らの行為が招いた結果に責任を負わないのなら、総理の資格はありません。総理、そう思いませんか。
今、科学と政治の関係が問われています。
日本学術会議が政府からの高度な独立性を保障されているのは、戦前の科学者が戦争遂行のための軍事研究に総動員されたという痛苦の教訓があるからです。科学者までも支配下に置こうとし、強権をもって異論を排除する政治には、決して未来はありません。
この問題は、任命拒否された六人の科学者だけの問題ではありません。学術会議だけの問題でもありません。国民全体の問題です。
日本共産党は、戦前の時代から自由と民主主義のために闘ってきた党の存在意義に懸けて、この暴挙を許さない先頭に立って奮闘することを表明し、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕